環境問題としての廃棄物対策を進めるに当たって、第一義的に責任を負うべきは、製造メーカーです。環境を悪化せしむる製品を作らなければよいのです。
環境3対策のうち、「リサイクル」は、対象となる製品の製造メーカーと販売等事業者が100%責任を負うべきでしょう。リサイクルできるかどうかは、製造法と製品材料の材質によるからです。行政と立法の当局は、製造メーカーの社会的責任を問う体制を整備する責任があります。
「リユース」すなわち「中古品の再使用」は、消費者・生活者としての私たち個々人に第一義的な責任があります。中古品の再使用を推奨する生活文化を築く責任があります。ノーベル平和賞を受けたアフリカのマータイさんが評価した「モッタイナイ」というのは、そういう生活文化の一つでしょう。
「リデュース」すなわち「ゴミ減らし」については、製造メーカー・販売等事業者と私たち消費者・生活者ともに大きな責任があります。
わかりやすいところで、商品の包装や梱包は、製品の安全・保全のほかに、消費者の過剰な望みによる部分が大いにあります。
袋入りのドロップを買って食べようとすると、その中の一粒一粒がまた袋で包まれています。観光地やデパートのコーナーで銘菓を買うと、箱に収められた一つ一つが絵柄で彩られた上品な紙で包まれています。
私が幼いころ、魚や野菜や肉や卵を買いに行くと、古新聞で包んでくれました。今は、どの食品スーパーでもコンビニでも、衛生的にパッケージされています。食品に関わるゴミの量は、私の幼いころに比べると何十倍、何百倍と増えていることと思います。これらは、消費者としての私たちの欲求が因になっています。
もちろん、リサイクルもできず、自然に還元不可能な廃棄物となっていく製品をつくる製造メーカーが第一義的には悪い。
しかし、消費者が忌避する製品はいずれ消えていくわけですから、私たち自身の生活態度を「ごみ減らし」体質に変えていけばいいわけです。そういう生活を毎日心がけていくことで流れを変えていくのが、私たち庶民大衆にできる方法ではないでしょうか。