私のシンプル脳力診断法では、社会的に指導的な立場にある人が横文字をくり出すときは、それだけで「赤信号点滅」、「警報カンカンカン」です。
◆ホワイトカラー・エグゼンプション:労政審報告に盛る◆(毎日新聞12/28朝刊)
労働法制の改正に関する労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の労働条件分科会は27日、最終報告をまとめた。
報告には、一定の年収などを条件に労働者の労働時間規制(1日8時間など)を除外し残業代を支払わない「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」が盛り込まれたが、労働側は最後まで納得せず、同制度の導入は認めないとの意見が記された。「認めない」との強い表現が使われるのは極めて異例。
報告を受け、厚労省は今後、法案要綱の作成に入り、来年の通常国会に提出を目指すが、労働側の反発を押し切る形でこのまま作業が進むのか、注目される。
ホワイトカラー・エグゼンプションでは管理職一歩手前など対象者が示され、年間104日以上の休日確保などの条件は示されたが、具体的な年収などの要件はなかった。同省も具体的に記さないままで法案化を検討している。
今回の報告について、使用者側委員の紀陸孝・日本経団連専務理事は「働き方の新しい選択肢の一つとしてこの制度を考えてほしい。導入する際には労使が話し合って決めることになっており問題はない」と話した。
一方、会見した労働側委員の長谷川裕子・連合総合労働局長は「制度は24時間働けと強いるようなもの。厚労省は終始、制度の導入ありきで、私たちの訴えにも『過労死を助長する』との過労死遺族の訴えにもかたくなだった。一体誰のための役所なのか。盛り込まれたのは残念だが、反対を貫きたい」と話した。