里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

3回目のブロッコリー頂花蕾が収穫盛りになる

2024年12月16日 | 畑:花菜類

今年のブロッコリーは1回目の苗が不調のため2回目を追加で播き直し3回になっています。
今では一見どれも同じに見えています。品種は全て「緑嶺」。


これが1回目のブロッコリー。


頂花蕾は10月末から穫り始め、12月10日頃からは側花蕾を穫っています。
側花蕾は頂花蕾並の大きな花蕾が穫れ続けています。


これが2回目のブロッコリー。


頂花蕾は11月下旬から穫り始めほぼ穫り終えましたが、まだ若干残っています。


太い側枝も伸びていますが、さすがに気温が下がり1回目のような大きな側花蕾は無理でしょう。
これが3回目のブロッコリー。


種播き8月13日、 植付け9月4日、追肥土寄せ10月8日。
今年は昨年と違い11月下旬から気温が下がっているので想定よりは少し穫るのが遅くなっています。
ただすでに10日前くらいには穫れる状態のものがありました。実際に穫り始めたのは数日前から。
2回目の頂花蕾や1回目の側花蕾とかち合っていたため少し遅らせて穫り始めました。


気温がかなり下がって来たので穫り遅れの心配もなくなっています。
植えた時は小さな苗でしたが順調に生育しました。
本来ならこれが2回目のブロッコリーになるところでした。
追肥土寄せの効果も十分で、しっかりした大きな株に育っています。


やはりブロッコリーはしっかりした株にしないと大きな花蕾を穫ることは難しい。
頂花蕾は1、2回目と同程度に大きくなっています。


もちろん気温も下がってきたことから引き締まった綺麗な花蕾になっています。
この中央の株は収穫が終わっています。両側の花蕾も大きい。


穫ってみます。


どの花蕾も直径14、5㎝の2L、3L級になっています。
当分頂花蕾が穫れるので今年は1回目の側花蕾も含め2ヶ月は大きな花蕾の収穫が続くことになりました。
追加の播き直しも寄与したと言えるでしょう。
事情を知らない助っ人は今年は大きなブロッコリーが長く穫れるので良いと言っています。




水墨画「林檎」

2024年12月15日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙

  

リンゴの贈答品を頂いたので水墨で描いてみました。
我が家ではリンゴを作っていませんが、当地域にもりんご園はあり、見る機会はあります。
近年は様々な品種が出回っているもののこの時期の贈答となるとやはり「ふじ」。
したがって、モチーフは無袋の「ふじ」ですが、どうでしょう。
「ふじ」も世に出て半世紀以上経っています。しかし、依然その地位は揺るぎないように見えます。
当時は「スターキング」や「ゴールデンデリシャス」、「陸奥」などもありましたが、殆ど姿を消しました。
その後も幾多の品種が出ていますが、「ふじ」に取って代わる品種はないようです。
これほど長期間首位の座を保つことは至難で、希有な存在といえます。
それ以前に遡ると、リンゴの品種はごく限られたものでした。
小生が幼少の頃、小学校の近くにはりんご園がありました。
早生の青リンゴ「祝」、真っ赤な「紅玉」そして「旭」などが作られていました。
特に印象深いのが「旭」。と言うのも学校から帰る途中でりんご園の方から1個頂いたからです。
紅玉ほど赤くはなくやや扁平の丸いリンゴです。しかし、その後に「旭」を食べた記憶が殆どありません。
それにしてもあの時に丸かじりしたリンゴの美味しかったこと。感激しました。
残念ながらそのりんご園は後に廃園となりました。



長ネギを曲りネギ風にするヤトイ

2024年12月14日 | 畑:葉菜類

長ネギが一段と充実、厳寒期に向け正に旬といえる時期になりました。


しかしながら、収穫の進度は少々遅れています。
長ネギは畝間を十分にとっているので土寄せが出来てはいるもののこれが限界です。
冬期間でもネギは次第に生長するため分岐部まで完全に軟白するのは困難です。
そこで今年も一部を曲がりネギ風に仕上げてみることにしました。
すでに穫り終わったスペースを利用します。


この時期ではさすがに遅く、本来の曲りネギの作り方とは違います。ですからあくまで曲りネギ風です。
当県伝統の「仙台曲がりねぎ」は仙台市の余目地区が発祥。
ネギを真っ直ぐに伸ばさず、あえて湾曲させるので「曲がりネギ」と呼ばれます。
地下水が高い悪条件を克服するため「ヤトイ」という作業を行い長い軟白部を作るのが特徴です。
軟白を作る時期にネギを一端掘り上げ寝かせて植え替え、土を盛ります。
寝かせたネギが生長し軟白を作りながら伸びる時に曲がりが生じるのです。
そして曲がるときにネギにストレスが掛かり軟らかく甘味も増すため旨いネギになるとされます。
当地のような粘土質で湿害の起こりやすいところでも行われていましたが、今は長ネギが主流。
長ネギを作るのに機械が利用でき「ヤトイ」の手間が掛からないためです。
本来の曲がりネギは本格的に軟白を始める時にヤトイの作業をします。
今回のように長ネギの軟白が進んだ後にヤトイをするということはありません。あくまで曲りネギ風です。
穫り終わった畝のすぐ側の畝のネギをヤトイます。


ネギを一旦掘り上げます。


植え替えする溝はすでにネギの収穫の終わった所を利用します。


ここにネギを並べるためにごく緩い傾斜になるように均しながら植え溝を作ります。


そこに一旦掘り上げたネギを寝かせて並べます。手前側が掘り上げた畝。


反対側から見るとこのようになります。向い側が掘り上げた畝です。


ネギの分岐部まで土を数センチの厚さに覆土します。


真横から。覆土は右側のネギを掘り上げた畝の土を利用します。


斜め後ろから。この後、生長するに従い葉は垂直に伸びてきます。


茎が伸びてきたら、そこに土を盛っていきます。寝かせているので容易に土が盛れる訳です。
ネギは湾曲しながら伸び軟白が長くなります。
また、防寒の効果もあるので厳冬になった場合は傷みが軽減されます。
但し、この曲りネギ風は軟白が充実する反面、根を掘り返すのでかえって茎が細くなったりねぎ坊主の出来るのが早まったりするリスクもあります。


長ネギの旬

2024年12月13日 | 畑:葉菜類

長ネギは太さや軟白が一段と充実し穫り頃になってきました。
気温下がって美味しくなり、正に旬と言って良い時期になりました。


今年は畝間を広くし10月半ばに4回目の土寄せ。
さらに11月半ばには鍬で追加の土寄せを行って軟白の充実を図ってきました。


品種はホワイトスター。
今年は夏の日照りからその後の天候も不安定ながらまずまずの生育が確保できました。
9月中から抜き取り収穫を開始、11月早々からは一方向から収穫しています。
スタートは少し遅れたものの昨年並の姿になっていると思います。


やはり植付け時にたっぷりと敷き藁をしたことが日照り対策に奏功しているようです。
長ネギで一番問題となるのは軟白。
昔は白根(軟白部分)40㎝の長ネギを穫ることを目標に深い溝に植付けていました。
今は湿害防止を最優先に植付け溝は浅くしていますが、畝間を120㎝と広くしています。
そのため土寄せを十分やれているのでまずまずの長ネギが出来ていると思います。


但し、収穫の進度は遅れており、まだ1/3くらいしか進んでいません。


通常は管理機で4回目の土寄せををすれば、それで終了です。
鍬での追加の土寄せは昨年それなりの効果があったとみて、今年もやってみました。


1ヵ月ほどで丈も太さも一回り生長していると感じます。


11月下旬にはしばしば降霜があり氷点下の日も何度か。昨年は著しい暖冬でしたが、今年は少々違うようです。
厳寒期に入ればネギは一層美味しくなります。
穫ってみました。


調製してみます。


一ヶ月前とは長さ、太さ、軟白とも確実に充実してきたのが分ります。
軟白は若干あまいながら何れも40㎝級になっています。これからさらに良くなるでしょう。

サヤエンドウとソラマメの越冬対策

2024年12月12日 | 畑:豆類

サヤエンドウとソラマメに越冬対策をしました。
昨年は暖かく生育が異常に進みましたが、今年は少々様相が違います。
11月下旬には氷点下2℃まで下がる日もありました。
12月に入ってさらに冬らしい寒さになっています。
こちらがサヤエンドウ。


種播きを遅らせようかと思いましたが、結局は例年並の10月末日に播きました。
品種は例年作っている「赤花蔓ありえんどう」と同じ赤花の「はまかぜ」の2品種。
発芽は非常に良好、発芽率はほぼ100%でした。
10日ほど前に間引きをし、全て2本立てにしています。
生育も順調で想定より若干進んでいますが、さすがに昨年のようにはなっていません。


品種による差は殆どありません。
年内に生育が進みすぎると耐寒性は弱くなるのでギリギリまで我慢です。
ある程度の低温にも当てないと耐寒性が付きません。


今年は11月下旬以降、しばしば降霜があり氷点下にもなっています。
越冬対策には不織布をベタ掛けしますが、被覆する目安は最低気温0℃の時期。
当地方のアメダスの平年値では12月の第2半旬、近年は気温が高い傾向があるので12月10日頃と思われます。
単発で氷点下になっても連続しなければ大丈夫。天気予報を確認しながら行います。
昨年は気温が高かったので遅らせましたが、今年は寒風も吹き頃合いと見ました。


良い天気かと思いきや突然の時雨に見舞われました。やはり冬の気候です。
防寒対策の前にまず害虫対策。
株元に粒状の殺虫剤を施します。


不織布で覆いをすると外から来る害虫予防には有効ながら内に虫がいればかえって増殖します。
豆類では第一にアブラムシ。ウィルスを媒介するので越冬前に付いているのはまずい。
ここで通常なら次は追肥ですが、今年は控えます。
これ以上生育を進みさせたくありません。前作の肥料の残効もありそうです。
次に土寄せ。
管理機は用いず鍬だけで行いました。時雨模様で土が濡れています。


切わらや落ち葉もかまわず寄せてしまいます。
特に根元が風でぐらつかないようしっかり土を寄せることが肝要。


次に防寒対策。
不織布をべた掛けします。


不織布を掛ける時には、ピンと張らずに余裕を持たせて張ります。
エンドウは不織布の中で徐々に生長します。支障ないよう緩く張ることが大事です。


昨年マルチ止めを使ってみたところ問題なかったので、今年もマルチ止めを使用します。
べた掛けはトンネル掛けよりも楽な上、風や雪も気にしなくて良いのが有り難い。
不織布のべた掛けをするようになり、越冬中に欠株や芯止まりになるようなことは殆どなくなりました。
昔は笹やわらなどで防寒対策に苦労しましたが、それでも十分ではありませんでした。
こちらはソラマメ。


品種は「河内一寸」。
当地方の主力品種は3粒莢の多い「打越一寸」や「緑陵西一寸」。
「河内一寸」は2粒莢が多いけれども粒が大きく種子が安価なので自家用向きです。
昨年はサヤエンドウ以上に生育が進み困ったので、今年はサヤエンドウと同日に播きました。
例年より10日ほど遅く、不安はありました。
それは省力の直播きだからで発芽が一番の問題になります。
本来なら発芽だけはさせてから植えるか補植用の予備苗を準備しておくのが王道です。
そこで粒数を数え株間35㎝と狭くし、1粒播きにしました。
連続の欠株にならなければ許容範囲です。発芽が良ければ枝数を制限することにしました。
さすがに10日の遅播きは不安定のようです。エンドウとは大分違います。
ここは1株が欠けています。


結果は発芽率15/19、79%でした。幸い連続欠株はありません。
種播きの課題は残りました。
普通に発芽したものはちょうど良いくらいか。早いものは分枝が始まっています。


葉の一部が黒変したり変形したものがあります。11月下旬に-2℃まで下がった降霜の被害です。


エンドウよりソラマメが低温には弱いことが分かります。この程度なら問題になりません。
株元に粒状殺虫剤を施します。


ソラマメはエンドウよりもさらにアブラムシが付きやすくウイルスにも弱い。
こちらも追肥は控え春の追肥のみにすることにしました。
根元がぐらつかないようしっかりと土寄せ。


沢山の落ち葉もかまわず寄せてしまいます。


不織布をべた掛け。


やり方はサヤエンドウと同様です。


昔から秋播きソラマメは当地方が北限とされてきました。
今年の降霜でも分かるようにソラマメはエンドウよりも寒害に弱い。昔は欠株や芯止まりがよく出ました。
雪腐れと言われ春になると半分しか残っていないといったこともままありました。
実際には強い北西風で傷がつきそこから雑菌が入り腐ったと言われています。
不織布のべた掛けをするようになり見違えるほど改善されました。