初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

満州映画協会

2015年09月09日 19時08分21秒 | Weblog


父親は松竹下加茂撮影所で

昭和16年~17年にかけて

監督溝口健二・前進座出演で

原作は真山青果(まやませいか)の

「元禄忠臣蔵前編・後編」

豪華で地味な作品が日本における

最後の仕事になりました



日本の映画界はそれまで世界第二位の

制作本数を誇っていたのですが

戦争が始まって、戦時体制が敷かれて

小さな制作プロダクションや映画会社が

整理縮小されることになりました



映画界が整理縮小されると

スタッフが余剰人員として、

あぶれることになります。

… … …

有能な若いスタッフの何人かは従軍カメラマンになりました

それ以外の技術者はまとまって満州(まんしゅう)の

満州映画協会(満映=まんえい)へ行くことになりました



その渡満(とまん)組の代表が

私の父親でした。

父親は寡黙な技術者でしたから

従軍カメラマンや渡満組の人選に

関わっていないと思います

… … …

父親は京都と東京を往復してから

忙しそうに渡満組と

満州へ行ってしまいました



まだ小学生だった私に

どういう事情か詳しいことは知りません

両親から聞いて覚えていることを記しています



後に残った母親と私ら幼い兄弟に

「自分一人で行ってしまって…」と

ぼやいていました