満洲國、冬の寒さは半端なものでは
ありません
近くの工場のボイラーから
送られてくる蒸気で
温水暖房(蒸気)が使われますが
工場が遠いところは、ペチカが使われました
第六官舎とか第七官舎と呼ばれた
クリーム色、薄オレンジ色で彩られて
それぞれペチカ用の四角い煙突(煉瓦製)が
並んでいました
居間や台所などの真ん中にペチカが
備えられていて各家庭で石炭を燃料として
暖をとるようになっていました
友だちの家に遊びに行ってチラッと
眺めただけで詳しい構造はわかりません
我が家の温水暖房(蒸気)やペチカの
燃料は石炭でした
この石炭は満洲國・奉天(ほうてん=瀋陽=しんよう)
の撫順(ぶじゅん)の石炭露天掘りから
運ばれていたのでしょう
… … …
新京特別市の冬の気温は平均-10℃ぐらいでしょうか
特に寒い日は-20℃になりました
一週間に-10℃が4日、-20℃が3日、続きました
これを「三寒四温(さんかんしおん)」と云われていました
… … …
最近、日本の冬でも三寒四温と云われることがあります
満洲からの引き揚げ者が云い始めた言葉ではないでしょうか
私の実感から日本で三寒四温は少し違うように感じています
ある日、母親が京都・下鴨の感覚で
洗濯した寝間着をうっかり、外へ干しました
干した途端に、風に吹かれて寝間着は
翻った姿で凍ってしまいました