住居が京都・下鴨から
満洲國(まんしゅうこく)
新京(しんきょう)へ引越、つまり
海外移住ですね
家具の梱包や荷造りと発送のため
業者さんが何人か我が家にやってきました
業者さんは家財道具や衣類の入った箱など、
手際よく次々に荷造りしていきます
… … …
暖房器具で瀬戸物の火鉢(ひばち)の荷造りでは
先ず荒縄で火鉢を4本の紐が出るように荷造りして
細板で作った枠箱の真ん中に火鉢がくるように
対角線に4本の縄で吊り下げます
縦長で姿見の大きな鏡のついた
洋服ダンスの荷造りでは
まず藁ムシロでタンスを包みますが、
姿見の大きな鏡のところの
藁ムシロを切りとってむき出しにします
そして一目て鏡とわかるようにして
細板の枠箱で荷造りしていきます
… … …
私は荷造りの業者さんに
「どうして鏡を丸出しにして荷造りするの…」と
聞きますと
「途中の、運送業者さんが鏡とわかると用心して
扱ってくれるから…」と答えてくれました
… … …
日本から満洲國への海外移住ですから
母親は、荷造りの中身をカーボン紙を
挟んだ発送伝票につぎつぎと記入して
業者に渡していきます
いまのように、綺麗なデザインの段ボール箱や
ガムテープ、マジックインクで
用意された スマートな引越業者さんではありません
家財道具の寸法を合わせていちいち細板を
ノコギリで切断して箱を作って荷造りしていくのです
… … …
業者さんは多分、日通(にっつう)さんだったでしょう