初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

サイリスタ調光装置

2017年07月11日 21時01分54秒 | Weblog


カラーテレビスタジオの照明の光量調節には

器具の前に、ブラインドのようなシャッターを

取り付けてその開閉でそれぞれ

調節するか、器具のまえにパラピン紙を何枚も

重ねて貼り付けて調節していました。



サイリスタ(SCR)を使った調光装置が現れました

サイリスタを使った調光装置は、電圧をそのままにして

電流を制御して照明器具の光量を調節する優れた

方式でした

照明器具の電源電圧をいじらないのでWB(ホワイト・バランス)は

崩れません。

サイリスタは,電球のほかに、電動ドリルなどモーターの速度制御、

蛍光灯の明暗調節などに使用されるようになりました



劇場などの舞台演劇で,開演のブザーとともに

舞台の緞帳が上がって,暗転の舞台にライトが滑らかに

フェイド・インするのは、このサイリスタの調光装置ならでは

でしょう。

テレビスタジオや,劇場舞台の調光卓はサイリスタと

コンピューターの導入で、台本に従った,プリセット照明が

可能になりました。







カラーテレビスタジオの照明

2017年07月10日 22時31分05秒 | Weblog


テレビスタジオで番組制作には

まず、セットを照らす照明が必要です。

スタジオ天井からワイヤに吊された

照明バトンがズラリと並んでいます

それぞれの照明バトンには照明器具が

6~8つぶら下がっています

テレビスタジオの床には、照明器具は

置かれません。テレビが始まった頃の

照明バトンは,手動で上下していましたが

カラーテレビになって,照明バトンは

モーターで上下する電動バトンになりました



カラー映画スタジオでは照明電球の色温度を

厳密にカラーメーターで計測していましたが

カラーテレビスタジオでは、いちいち電球の

色温度を計測しないで、カメラリハーサル時に

カラー・マスターモニターをチェックして

あやしい電球のみ交換して本番にそなえていました



次にスタジオ・セットを照らす照明で

強く光るキーライトや柔らかく照らすフィルイン・ライトの

調節には、それぞれ電球に直列につながった

摺動抵抗で,加減します…。

… … …

照明電球の明暗を電圧の上下で調節するのは白黒テレビでは

問題がなかったのですが、カラーテレビになって

WB(ホワイト・バランス)が崩れるので使えなくなりました






カラーテレビカメラのレジ合わせ

2017年07月09日 17時59分30秒 | Weblog


カラーテレビカメラはズームレンズを

通った光はプリズムで三原色に分解されます

プリズムで赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に

分けられてそれぞれ3本の撮像管(プランビコン管)に

到達します



カラー印刷では三原色(減色),マゼンタ(M)

イエロー(Y),シアン(C)を重ねてカラー印刷が

完成しますが、その三色の印刷がずれると、

カラー印刷は具合が悪くなります

カラーテレビカメラもカラー印刷と同じくR撮像管、

G撮像管、B撮像管の三原色(加色)の映像を重ねて

カラーテレビ画面が完成するのですが、カラー印刷のように

三色の画像がずれると 、テレビ画像も具合が悪いのです



カラーテレビもカラー印刷でも色ズレを防ぐのに

レジストレーションを調節する必要があります



テレビカメラの色ズレ調整のことを「レジ合わせ」と

云って,カメラで写しているレジストレーション・パターンを

映像エンジニアが細かく調整します

このカラーカメラの色ズレ(レジズレ)は,地磁気の

影響を受けて,テレビ番組の本番中でも起こるらしく

カメラが上を向いているとき、クレーンに乗せたカメラが上の方から

俯瞰で下向きに撮像するときに僅かですが色ズレを起こしているようです

本番中のレジズレは、映像エンジニアの勘と技術で,つまみで調整

しているようでした…。




テレビカラーカメラの調整

2017年07月08日 21時46分17秒 | Weblog


映画制作では、カメラにフィルムを

装填すれば、すぐ撮影が出来ます

しかし、テレビドラマを制作する

テレビスタジオでテレビカメラに

電源を投入してすぐに

ビデオ撮り出来ません



スタジオドラマ制作の約1時間前に

3~4台のカメラの電源を投入します

テレビカメラが充分暖まったところで

電灯に照らされたテストパターンの前に

カメラを並べます。



テレビスタジオで使用するテレビカメラ

3~4台を電灯で照らされたテストパターンの

前に,並べます。電灯で照らされたテストパターンを

カメラで写して、WB(ホワイトバランス)を調整します

電灯には電圧調整用にスライダックがつながれています

電圧を調節して電灯に照らされた、カラーメーターの針が

2850°Kになるように調節します。

… … …

この、カラーメーターは、千代田光学製(ミノルタ)で国産です

私も趣味の写真用に欲しいも思いましたが、なんと10万円で

私にはとても、手が出せません。



スタジオサブのカメラコントロール前の映像エンジニアは

3~4台のカメラのWBをまず、揃えます

カメラ調整はまだまだ、続きます…






カラー映画、カラーテレビのメーキャップ

2017年07月07日 19時51分08秒 | Weblog


映画に出演する男優さん、女優さんは

撮影所内の化粧室(メーク室)で

化粧(メーキャップ)をしてカメラ前に

立ちます

映画が白黒時代の化粧は

ドーラン(胴乱=当て字)でメークしていました

撮影に使用する銀塩フィルムが主に

スーバーパンクロだったので、映画写りがいいように

少し赤っぽい色合いでした



やがて日本映画もカラー映画に進む際

アメリカからイーストマンカラーが入ってくると

同時に、ハリウッドのテクニカラーで使われていた

パンケーキと称するマックスファクター製品が

入ってきました。

… … …

以後、カラー映画に使用される化粧品はすべて

マックスファクターのパンケーキになったようです

このパンケーキは映画のみならず、一般にも

出回って、たしかコレクティブ・メーキャップと

云われて流行ったことがありました。



カラー映画の次はカラーテレビの時代がやってきました

テレビがカラー化されると、やっぱり、マックスファクターの

パンケーキが導入されました。

… … …

カラー映画やカラーテレビの画面で一番関心が集まるのは

出演されている女優さんの顔色です。

健康的な小麦色の肌色の再現に,

メーク室の美容師さんは苦心されたようです






カラーテレビカメラのWBは2850°K

2017年07月06日 22時48分11秒 | Weblog


毎日の映画制作では

スタジオ内セットにカメラを

据え付ければすぐに,本番の

撮影ができました。

しかし、テレビスタジオで

テレビ番組の本番はすぐに

シュート出来ません。



白黒テレビカメラもカラーカメラも

電源スイッチを入れてすぐ本番と

いうわけにはいきません

白黒テレビカメラ、カラーカメラそれに

ビデオレコーダー、映像スイッチャー、

音声卓機器など,カメラリハーサルから

逆算して最低30分前に電源を投入して

ヒートランさせていろいろの機器が安定

するのを待つのでした



カラー映画フィルムはタングステン・タイプ

ですから、セットの照明器具の電球を

3200°Kに合わせなくてはなりません



それに対して、カラーテレビカメラはテレビスタジオの

照明電球の色温度が大体2850°Kなので

カラーカメラのWB(ホワイト/バランス=色温度)は

2850°Kに調整していました。






色温度からホワイト・バランスへ

2017年07月05日 19時24分37秒 | Weblog


私の居間にやって来たカラーテレビは

鮮やかな色彩で特にメーカーのうたい文句の

白がキレイに写っていました

私は記念に,カラーフィルムを詰めたカメラで

テレビ画面を撮ってみました



カラーフィルムはデイライトタイプ(日中用)の

色温度5600°Kフィルムを使いましたが

出来上がったカラー写真は青っぽく仕上がりました

… … …

色々調べていくと,カラーテレビで白を真っ白に

再現するにはブラウン管の色温度を8000~

9000近くに設定されていることがわかりました



写真用品のカタログの中に,カラーテレビを撮るとき

色温度を調節するアンバー色のフィルターがありました。

… … …

日本映画が白黒からカラー作品に変わるとき

撮影現場では,スタジオ・セットを照らす照明器具の

電球の色温度を3200に合わせるようにチェックしていました

白黒テレビからカラーテレビになって、映画(写真)で使われて

いた色温度がカラーテレビ制作現場ではWB(ホワイト・バランス)と

名前を変えて登場しました。

… … …

色温度もWB(ホワイト・バランス)理屈は一緒です







白黒テレビとカラーテレビを並べて

2017年07月04日 19時27分44秒 | Weblog


香里団地に住んでいた私の居間には

14吋の白黒テレビが置かれていました

その横へ新しく日本ビクター

純白カラーテレビ受像機17吋がやって来て

並びました



アンテナは私の休みの日に屋上に上がって

白黒テレビ用に三素子の八木アンテナを

上げてあります。当時のアンテナ線は

300Ωのリボンフィーダー線でした

そのフィーダー線に分配器を取り付けて

白黒の14吋テレビと17吋カラーテレビに

つなぎ込みました



大阪のNHK、民放テレビの送信所は,

生駒山山頂にありました

香里団地(枚方=ひらかた) と生駒山の

テレビ送信アンテナは近距離だったので

受信アンテナはシンプルな三素子のアンテナなのに

カラー放送はキレイに受信できました







わが家にカラーテレビがやって来た

2017年07月03日 21時19分08秒 | Weblog


日本のテレビ各局は、新しい

プランビコン管撮像管の登場で

次々にカラー放送に踏み切りました

… … …

新しく始まったカラー放送は

新しくカラーテレビ(受像機)を

購入すれば、カラー画面で楽しめます

いままでのモノクロテレビ(白黒)でも

受信できますが、画面は白黒です

新しく始まったカラー放送を白黒テレビ受像機でも

新しいカラーテレビ受像機でもOKという方式を

コンパチ(コンパチビリティ=互換性)と云っていました

… … …

また、FM放送をステレオ受信機で聴けばステレオになり

FM携帯ラジオで聴くとモノラルで聞こえます



カラー放送のスタッフの一員の私は

テレビ局内,スタジオ内にはカラーモニターが

並んでいましたから、番組はカラー画面で見られます

休日は家でいままでの14吋白黒テレビで見ていました



テレビ局がカラー放送に踏み切ったのに、テレビ局で

働く社員の家庭がモノクロテレビではおかしいとなって

テレビ局の総務局から社員に通達が出されました

「社員各位の好みのカラーテレビ受像機を申請しろ…」

「そのメーカーのカラーテレビを会社が購入する…」

「カラーテレビ購入代金は毎月の給料から少額の天引きで

処理する…」

… … …

私は「白の発色が一番キレイと評判の日本ビクター

純白カラーテレビ17吋に決めました」

カラーテレビの チャンネル切り換えはロータリースイッチで

リモコン以前のテレビでした。






カラーテレビ受像機を準備

2017年07月02日 22時15分16秒 | Weblog


カラーテレビカメラはじめテレビ局の

カラー放送体制は順調に進みました

テレビ局内のマスター調整室、

スタジオサブのテレビモニターのカラー化

テレビスタジオに置かれるキャスター付きの

テレビモニターも総てカラーモニターに変えられました

… … …

しかし、テレビ局がカラー放送をはじめても

そのカラー電波を受信する家庭の居間でも

カラー受像機を準備しなくてはなりません



カラーテレビ(受像機)国内各社から発売されました

パナカラー(松下電器、ナショナル=現・パナソニック)

キドカラー(日立)、ユニカラー(東芝)

サンカラー(三洋電機)、ロングランカラー(シャープ)

純白カラー(日本ビクター),以上が

シャドウマスク方式ブラウン管を…

… … …

トリニトロン(ソニー)、

ソニーはブラウン管がシャドウマスク方式とは

一寸,違っていました



いずれにしろ、新発売されたカラーテレビ受像機は

非常に高価で,最初は40万円位から大量生産になっても

20数万円していました。

換算するとブラウン管1吋=1万円で

カラーテレビの標準サイズが17吋でしたから

カラーテレビ1台、17万円位が相場でした