■■【経営コンサルタントの発見・発想】見えないコトが、見える人<2>
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★★ お客様の「望んでいること」が分かればいいのに・・・
★★ でも何もしていない、うまくできていない、どうすれば?
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前回、新ビジネスや問題解決のアイデアが出てくる「直感」「思いつき」のことをお話しました。ただそれらは裏付けや根拠がありません。
ありがちなのは「こちらの都合で考えている」ということです。「いかに集客するか」「いかに囲い込むか」などは、まさにこちらの都合です。しかしお客様はそういう視点の上で動いていません!そうされたいと思っていません!
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今回のお話では「観察」「経験」という言葉を使います。思いつきとか、こちらの都合は一旦横に置いて、人(お客様)をじっくり「観察」してみよう、或いは自分がその人になりきって行動し、自身を「観察」してみよう、その時人がどういう「経験」をするのか感じてみよう、というお話です。
この言葉は当ストーリーの重要なキーワードになっています。
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◆◆ 「人」を見る、観る、視る
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自身でこれを試してみると、実に多くの事を感じます。実際に身近にある「ベーカリー」や「ドラッグストア」等の店舗を訪ね、お客様や店員を観察してみました。また自分が「お客様をして」、その場でお客様の気持ちを感じてみました。人の行動やしぐさを見ることは、実に興味深いということがよく分かります!
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初めて入った「ドラッグストア」で見たお客様は、若い人、シニアの人、一人だけ、或いは二人以上で来ている人、男性、女性、子供連れ、など様々です。お客様は店内をどういう順番で移動するか、長く滞在するか、すぐ出てしまうか。商品をさっと見るのか、じっと見ているのか・・・
感じたことは、シニアの人が意外といるのだな、シニアの人はしゃがみこんで見ることはしないし、あまり高いところは見ないな、買い物カゴを持たない人が多いな、なぜスーパーマーケットではなくここで食品を買っていくのだろう、などなど。
店員はとても少なくレジに2人だけ、他の場ではほとんど見かけない、来店時に挨拶はよくしてくれるが、お客様との会話はほとんどないのだな、などです。
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◆◆ 「お客様」をしてみる
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もう一つは、自分で「お客様をしてみる」ということです。普段でもこういう店舗に入りますが、あえて「お客様として」を意識しながら店内に入り、回って、出てみるのです。自分自身を観察するということ。自分はなぜここに来たか、何が欲しいか、何を期待して、それは期待通りだったか、何を見て何を感じたか。プラスのことやマイナスのことを様々に感じてみるのです。
実際には、入った瞬間、明るく小ぎれいな印象や快適さを感じました。現在化粧品に興味はないし、病気ではないので薬品は見ない、でも食品売り場がなぜか興味深く長く見たくなる、3分の1以上のスペースを食品が占めているのはなぜだろう、スーパーマーケットとは何が違うのだろう、PB商品があるとは知らなかったが安くて興味津々、などなど。
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◆◆ 「経験」というコト
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ここで一つ「コツ」をお話します。これらを試すときに「経験」という視点を意識してみましょう。こういう場所に入る時、「人は」「自分は」どういう「経験」をしているのだろう、ということです。皆様も少し想像してみてください。
例えば、初めてディズニーランドやスターバックスコーヒー、ドンキホーテなどに入った時のことを思い出してみてください。どのような「経験」をしましたか?
この「経験」は外から見えませんが、とても重要な鍵が隠れています。身近なドラッグストアやベーカリー、理容・美容院、百貨店でも同じです。お客様は目的を達成することに合わせて、常に何かを「経験」しています。
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◆◆ 先入観を持たずありのままを感じる
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独自に「観察」を試してみてください。自分の会社や店舗に「お客様をして」やって来る人達を改めてよく見てみましょう。可能ならばその時の「経験」を尋ねてみましょう。また自分でお客様になって、自分の会社や店舗を、少し離れて眺めてみましょう。「お客様として」入ってみた時、どう感じ、何を「経験」するでしょうか?
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ここでもう一つの「コツ」は、観察の時、先入観を何も持たないということです。自然に見えることや感じることから、何か「発見」ができます。「発見」したとき、その裏にはとても重要なコトやパターンが隠れている可能性があります。更に、見たものや感じたことは全て「事実」であるということも認識しましょう。
次回<その3>へ続きます。手間や費用をできるだけかけないで、独自にすぐにでも始めてみましょう。「観察」から始める、新価値(サービス)発見・発想の活動を。当ストーリーは、ご自分の、または御社の今後を左右する「気づき」と「発見の習慣」が生まれることを狙っています。
筆者
【 山成充高 氏 プロフィール 】 (Mitsutaka Yamanari)
マーケティングや経営の創造性向上を重視し、IT基幹システム開発・導入の経験や実積を活かして、社内に蓄積された「知」を新分野のビジネスに結びつけるコンサルティングを実施。企業のサービスを、顧客・社員の「動き」「心理」「経験」から面や空間で見直し、新価値創造を狙う「コトづくりのデザイン」を支援している。
ユー・ビー・コンサルティング代表
HP: www.ubctrust.biz