■【あたりまえ経営のすすめ】2部管理編1章07 コンピテンシーを集合知に活かす
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部1章 リーダーシップあるプロの管理職の発想と行動
“真”のプロは、“真”の管理ができなければなりません。“真”の管理は、「温かい管理」が基本です。
「管理」の基本について、考えてみましょう。
■2-07 コンピテンシーを集合知に活かす
ビジネスパーソンの多くは、ライバルとか自分が目標としたい人とかを持っているでしょう。それが、自分自身のモチベーションアップにつながることも多いです。
なぜ、自分は、それらの人より劣っているのでしょうか、という思いを持つこともあるでしょう。
その特性を知り、身に付ければ、少しは現状よりも自分を成長させることができると思いませんか?
誰かの優れている点を、分析し、研究し、それを他に転用できれば、「蓄積は力なり」という考えで蓄積してきた自社のノウハウ、集合知を充実するのに活かすことができます。これを「コンピテンシー」といいます。
「コンピテンシー(Competency)」とは、仕事を効率よくバリバリとでき、業績向上に効果を上げられる、優れた業績や働きぶりをもたらす人に見られる特性のことです。
コンピテンシーは、「動機(Motive)、性向(Traits)、技能(Skills)、知識(Knowledge)」などにおける総合力であるといわれます。(【Wikipedia】)
コンピテンシーを活かしている人が、なぜ業績が良いのかを、これらの切り口から見て行きますと、それを自分自身や、自分の業務、会社として等々に活かすことができます。
業績がよい人は、どの様な気持ち、考え方で仕事に取り組んでいるのでしょうか。自分と、どこが異なるのでしょうかと検討しているうちに、目からうろこが落ちるように、その理由がわかるかもしれません。
その人達は、どのような性格を持ち、それをどの様に活かし、自分の強みにしているのでしょうか。逆に、自分の弱点を、どの様にカバーしているのでしょうか。自分自身に、それを活用すると自分の長所を活かし、短所をカバーできるようになるかもしれません。
それらの人達は、その様なスキルや知識を、どのレベルまで身に付け、どの様に活かしているのか、それを比較してみることにより、自分に不足しているスキルや知識を身に付けるとか、レベルアップをさせるとかなどの対応を考えることも必要でしょう。
当然、コンピテンシーを活かしている人達と、自分は仕事のやり方や取り組み姿勢、性格や育成環境など、多くのことで異なるでしょう。ですから、彼等のコンピテンシーを、そのまま、まねをしてもうまく行かないでしょう。
自分なりにアレンジして活かす方法を編みだすことにより、自分自身に変化をもたらすことができるでしょう。
一般的に、コンピテンシーというのは、「長所を転用する」という意味で用いられますが、短所・欠点においても、同じ手法を用いることができます。
コンピテンシーは、それを身に付けている本人も気づいていないことが多く、本人に直接聞いても、なかなか求めるような回答は得られないでしょう。本人から、感じ取ることが良策といえます。
その時に、その人の外見的な能力や成果だけを見るのではなく、その人の思考特性とか行動特性というものを深く掘り下げて、多面的に見ていくことが肝要です。
<次号に続く>
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