■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 現状に甘んじることなき不動産会社 3628-4c10
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■ 現状に甘んじることなき不動産会社 3628-4c10
「不動産」「エステート」「地所」…。これらは不動産会社の名称によく 使われるワードだ。おもしろみはないが、わざわざ「ウチは不動産会社です」 と説明する必要はない。このほかにも「ハウス」「ホーム」「ルーム」といった ワードでも不動産らしさを出せる。こうした常識にあえて逆らい、不動産業らしからぬ社名を付けているのがS社(佐賀県佐賀市)である。 「現状の不動産会社にはなりたくない」(H代表取締役)との思いから 1996年の創業時に名付けたという。
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「S」は、古代ギリシャの政治家の名前である。貴族と平民との対立が激化するなか、債務の帳消しや民衆裁判の設置など平民寄りの改革を断行した「ソロンの改革」で知られる。社名にふさわしく、同社ではDXで改革を行った。業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」を導入し、取り扱い案件の進捗状況や顧客・ 不動産物件の情報などをリアルタイムで一覧できるようにした。
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これらの情報を見やすくするため、社員は縦長と横長のディスプレイを使用し、 パソコンと合わせて3つの画面を自席で閲覧できる。「まるでIT企業のような オフィスだ」と言われるそうで、社名だけでなく、社内環境も不動産業らしからぬ様子になっている。こうした取り組みが評価され、同社は2023年3月、 経済産業省のDXセレクション2023で優良事例に選定された。
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「現状の不動産会社にはなりたくない」として社名を付けたH氏には座右の銘がある。それは、松下幸之助ら多くの偉人に語り継がれてきた名言「現状維持は後退である」。世の中が刻々と変化するなか、旧態依然と変わらずにいると後れを取ってしまう、という意味だ。その言葉どおりH氏は、現状の2店舗 に加え、佐賀、福岡県内に15店舗を新たに開設する計画を抱いている。改革者の名を看板に掲げる同社は、現状に甘んじることなく、さらなる改革を進めて いく考えだ。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成