けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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激しい痔の痛みに 桂枝加芍薬湯

2007-08-20 02:12:58 | 東洋医学全般
「ケイシカシャクヤクトウ」とよみます。
この方剤は急に痔が悪化して、強く痛むときに絶大な効果があります。

最近では、妊娠9ヶ月ほどの妊婦さんと、たまたま仕事が忙しくて一日便を出さずにいて、翌日排便したところ切れ痔となった方、そしていわゆるいぼ時が悪化した方に顕著な効果がありました。

本方は脾虚陰虚熱証という状態で、脾が虚して、胃腸全体の陰氣が虚して反対に陽的なものが増えた状態といいます。これは簡単に説明しますと、脾が虚してその陽的パートナーである胃腸に熱が発生した状態です。この状態は腹痛、便秘、下痢、発熱、急性腸炎などを起こすことがあります。

でも、本方は「痔の痛み全般」によく使われます。おしりから太い棒を突き刺されたような、脂汗をかくような重くて強い痛みにも、切れ痔の裂けるような痛みにもよく効きます。痔自体を根本的に、徹底的に治すには乙字湯(おつじとう)などの方剤がありますが、今回は体質の根本治療は、ちょっと置いておいて、特に「痔の痛み」を目標として紹介いたしました。

もちろんこの方剤が体質の改善につながることもあるのですが、まずは急性の痛みを止めなくては話が前に進まないわけで、痛みが取れてから、さらに個別の患者さんに、よりマッチした体質改善の処方をして、痔の存在理由そのものをなくしてしまうように仕向けることが大切です。

日本伝統鍼灸漢方
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