けい先生のつぼにくる話

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腰痛 漢方薬ではどう対処しますか

2007-08-28 16:23:34 | 東洋医学全般
これまではツボを用いた腰痛のアプローチのお話でした。
それでは漢方方剤を使う場合はどうしたらよいのでしょう?

もちろん患者さん一人一人の体質や病状によって、いろいろな種類の漢方方剤が使われるのですが、今回はわりと単純な外傷による痛みを止める漢方薬と、疲れからくる漢方薬のお話を致します。

まず、ぎっくり腰などの急性腰痛によく使われるのが「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」です。これは腰痛や坐骨神経痛だけでなく、筋肉痛やこむらがえり、肩こりなどの引きつり痛い症状に使われます。これは漢方医学の聖典といわれる傷寒論に載っている方剤ですので、どこの国の漢方薬専門店でも手に入ります。

また、これよりも痛みが強く、胆石、腎臓結石などの激しい痛みにも使えるのが「芍甘黄辛附湯(しゃっかんおうしんぶとう)」です。これは和漢薬といわれる日本で創造された方剤で、江戸時代の名医の吉益東洞の子息吉益南涯の作です。
これは和漢薬ゆえ扱っている漢方薬専門店が少ないのが難点です。

ちなみに私の診療所ではこの芍甘黄辛附湯を米国のFDAの基準をクリアーしている粉末にした原料を混ぜ合わせて、常に在庫を確保しています。

上記の方剤はどちらも激しい痛みに対応するのですが、その味は和菓子のような甘さがあります。


また、慢性疲労による腰痛には別の漢方薬がよいでしょう。
この手の腰痛は、特に朝起きたときに腰が硬くて重だるくてたまらない感じです。
体もかったるく重だるい感じの腰痛です。
こういうときは「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」が適応します。
中年以上の方でなんだか体の調子が悪いという方にも大変効目があります。

日本伝統鍼灸漢方
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