川や湖に発生するアオコや海の赤潮はともに植物プランクトンの異常増殖ですが、最近東京大学の研究グループがこの植物プランクトンと光の量との関係を明らかにしました。
水中の生態系にとって、植物プランクトンは重要な存在で、水面近くの浅いところに届く太陽の光を吸収し、植物特有の光合成で栄養分を作り出します。これを食べた動物プランクトンを小魚などが食べ、それがさらに大きな動物の餌になっていきます。こういった生き物たちに必要な栄養の大本を作るのが、この植物プランクトンとなるわけです。
植物プランクトンは太陽の光を受けて栄養分を作るので、太陽光がよく当たれば増えていくと考えられていました。研究グループが池で実験したところ、そうではなく太陽光を増やすと植物プランクトンは減り、代わりにそこの水草が増えていることが分かりました。
アオコは、植物プランクトンが異常に増殖した状態で、畑の肥料や家庭からの汚れた水が流れ込むことなどで湖や池の栄養が増え過ぎることが原因とされています。これが海だと赤潮となり、その色は植物プランクトンの種類で決まります。
このように湖水の栄養分との関係は良く研究されていましたが、光の量との関係についてはあまりなかったようです。
研究グループが実験したのは、アメリカニューヨーク州にあるコーネル大学の実験池で、1辺が30メートルの正方形の池で、中央の最深部は1.5メートルと水温などが水面近くと底とであまり違わない浅い池でした。
この池を6つ使い、このうち2つは水面の4分の3をシートで覆い、これが光の少ない池としました。もう2つは6割ほどを覆った光が中程度の池と、残りの2つはシートで覆いませんでした。
この状態で2015年7~9月実験を行いました。結果は、予想に反して、光の少ない池の方が植物プランクトンの量が増え、光が中程度の池の2~3倍にもなりました。その代り、底に生えているシャジクモなどの水草が少なくなりました。
植物プランクトンと水底の水草がどうも競合しているらしい結果となりました。この競合の仕組みを数式で表し解いてみた結果、光の量が少ないと水底まで届く光が減って水草が育たなくなり、そのぶん植物プランクトンが栄養分を得やすくなって増殖することが分かりました。
その他面白い事として、シートで被わなかった35個の池を調べたところ、水草の多い池と少ない池の2種類に分かれ、中間型はありませんでした。この様に中間型は不安定で、すぐ水草優位か植物プランクトン優位に分かれてしまうようです。
このように2通りがあっても、ちょっとした条件が違うだけでどちらかに急激に偏るという結構きわどい世界に私たちは暮らしているようです。
水中の生態系にとって、植物プランクトンは重要な存在で、水面近くの浅いところに届く太陽の光を吸収し、植物特有の光合成で栄養分を作り出します。これを食べた動物プランクトンを小魚などが食べ、それがさらに大きな動物の餌になっていきます。こういった生き物たちに必要な栄養の大本を作るのが、この植物プランクトンとなるわけです。
植物プランクトンは太陽の光を受けて栄養分を作るので、太陽光がよく当たれば増えていくと考えられていました。研究グループが池で実験したところ、そうではなく太陽光を増やすと植物プランクトンは減り、代わりにそこの水草が増えていることが分かりました。
アオコは、植物プランクトンが異常に増殖した状態で、畑の肥料や家庭からの汚れた水が流れ込むことなどで湖や池の栄養が増え過ぎることが原因とされています。これが海だと赤潮となり、その色は植物プランクトンの種類で決まります。
このように湖水の栄養分との関係は良く研究されていましたが、光の量との関係についてはあまりなかったようです。
研究グループが実験したのは、アメリカニューヨーク州にあるコーネル大学の実験池で、1辺が30メートルの正方形の池で、中央の最深部は1.5メートルと水温などが水面近くと底とであまり違わない浅い池でした。
この池を6つ使い、このうち2つは水面の4分の3をシートで覆い、これが光の少ない池としました。もう2つは6割ほどを覆った光が中程度の池と、残りの2つはシートで覆いませんでした。
この状態で2015年7~9月実験を行いました。結果は、予想に反して、光の少ない池の方が植物プランクトンの量が増え、光が中程度の池の2~3倍にもなりました。その代り、底に生えているシャジクモなどの水草が少なくなりました。
植物プランクトンと水底の水草がどうも競合しているらしい結果となりました。この競合の仕組みを数式で表し解いてみた結果、光の量が少ないと水底まで届く光が減って水草が育たなくなり、そのぶん植物プランクトンが栄養分を得やすくなって増殖することが分かりました。
その他面白い事として、シートで被わなかった35個の池を調べたところ、水草の多い池と少ない池の2種類に分かれ、中間型はありませんでした。この様に中間型は不安定で、すぐ水草優位か植物プランクトン優位に分かれてしまうようです。
このように2通りがあっても、ちょっとした条件が違うだけでどちらかに急激に偏るという結構きわどい世界に私たちは暮らしているようです。