ごっとさんのブログ

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車の運転と怖い「緑内障」

2018-08-02 10:37:41 | その他
眼球内の視神経が眼圧の上昇などで圧迫されて徐々に機能が低下し、視野(視界)が狭くなったりする視野狭窄や部分的にものが見えにくくなったりする視野欠損を引き起こすのが「緑内障」です。

加齢に応じて症状が進行することが多く、40歳以上の日本人の20人に1人が発病するという試算もあるようです。ただ非常にゆっくりと症状が進むため、なかなか病気だと気づけず放置し、症状が進行してしまうケースも少なくないといわれています。

私の勤務していた会社の大先輩(といっても次元の違う人ですが)が社長・会長を退任して相談役になったころ発病し、徐々に視力が弱くなり、最先端の治療をしているはずですが70代でほぼ完全に失明してしまいました。

それでも色々な学会に出席したりして、私も介助をして付き添ったことが何回かあります。目が見えなくなっても生涯現役を貫き100少し前で亡くなられました。

さて緑内障ですが、特に問題になると考えられているのが、速度が上がると視野が狭くなるうえに、視覚から得た多くの情報を短時間に処理しなければならない自動車の運転です。信号や標識を見落としたり、横道から飛び出す自動車や歩行者への対応が遅れたりすることによって事故を誘発するリスクが高くなります。

今年4月に大手製薬会社が、40歳以上で月1回以上車を運転している男女約1万人を対象に調査を実施しました。それによると「視野を気にしたことがある」との回答が全体の18.4%で、「視力を気にしたことがある」の60.8%を大幅に下回りました。

この傾向と関連するのか、緑内障という病名自体の認知率は98.7%でしたが、「症状を知っている」は36.5%にすぎませんでした。調査の担当者は、緑内障は治療せず放置すると失明する可能性もあり、患者の90%が無自覚のまま放置していると考えられると現状を分析しています。

視野異常が進行すると運転時の事故の可能性が高まり、運転する人は特に関心を持ってほしいと調査の狙いを説明しています。

緑内障の初期は左右の眼球で進行度が異なることが多いとされています。視野の隅にゆがみや欠損が生じても、多くの人は無意識のうちに視点を動かすことで、視野の不良を補ってしまい、なかなか症状に気が付かないようです。

特に症状が出ないが視神経の異常が進行している50~60代は、検診などで異常が指摘されたとしても、なかなか眼科を受診しない傾向があるようです。私も記憶にある限り眼科にかかったことはありません。

現代は目からの情報が圧倒的に多くなっていますので、目の保護というのは歳をとってくると一層気を付けないといけないのかもしれません。