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「成長ホルモン」老化抑制で注目

2018-08-06 10:41:55 | 自然
最近老化のスピードを落とすことができる新たな手段として「成長ホルモン」が注目を集めているようです。

成長ホルモンは脳の下垂体という器官から分泌されるホルモンで、その名の通り身体の各器官に働きかけて成長を促したり、傷ついた組織を修復したりする作用があります。この成長ホルモンの分泌は、加齢に従って減少することが知られています。

思春期にピークを迎えた後、成人期には50%以下、その後10年に14%減少していき、70歳代では30%以下の分泌量となってしまいます。成長ホルモンが低下すると、疲れやすさ、スタミナ低下、集中力低下、気力低下、認知機能低下、性欲低下などと同時に、骨密度の減少、筋肉量の減少、内臓脂肪の蓄積を認めるようになります。

まさにこれは加齢で認められる症状に類似しており、加齢に伴う成長ホルモン分泌低下の事実と合わせて、このアンチエイジング効果に注目が集まっているようです。

実際成長ホルモンを投与することにより、80%以上の人で活力の増強、健康状態の改善が見られ、60%以上の人で美容効果、体脂肪の減少、運動能力の向上、性的能力の向上があり、さらに50%以上の人で認知機能の改善が得られたとの報告があります。

このような事実から、ハーバード大学の調査によると、アメリカ食品医薬局(FDA)の承認を獲得していないにもかかわらず、年間2~3万人ものアメリカ人が、成長ホルモンを摂取しているとされています。

このような成長ホルモンのメリットを上げると、(1)脂肪を減らす効果があり、除脂肪組織の増加を引き起こし、体脂肪特に内臓脂肪を減少させます。健常人に対して成長ホルモンを投与したところ、除脂肪体重を2.1Kg増加させ、体脂肪を10%減少させたとの報告があります。

(2)骨を丈夫にする効果があり、骨皮質および骨形成の増加、骨吸収の減少が起き、骨密度が上昇することが知られています。

(3)筋力アップとして、成長ホルモンの投与によって筋肉の断面積の増加を引き起こし、10%の筋力増強を認めたという報告があります。

(4)肌つやを改善する効果があり、腎臓での水分再吸収を促進する結果、体液量が増加し、肌の色つやが改善したとの報告もあります。

その他(5)心臓病のリスクを下げる、(6)認知症の予防、(7)糖尿病の予防効果があるというような報告もあります。ただしデメリットとしては、むくみや筋肉痛が起こる可能性と、細胞増殖因子でもありますのでガンの増殖を促進する可能性も否定できないようです。

この様にいろいろな面でのメリットから成長ホルモンは期待されているのですが、その安全性が完全に解明されたわけではなく、さらなる研究が求められているようです。