筋肉の中に骨が生じる希少難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療薬候補となる化合物を見るけたと、京都大学iPS細胞研究所のグループが発表しました。
これはiPS細胞を使った創薬研究の一つで、FOPのメカニズム解明につながると期待されています。
FOP患者は国内に約80人で、有効な治療薬は見つかっていません。進行性骨化性線維異形成症は、骨系統疾患と呼ばれる全身の骨や軟骨の病気の一つです。子供のころから全身の筋肉やその周囲の膜、腱、靭帯などが徐々に硬くなって骨に変わっり、このため手足の関節の動く範囲が狭くなったり、背中が変形したりする病気です。
この病気の原因は、ACVR1と呼ばれる遺伝子の一部が正常と異なることが分かっています。この病気の主な症状である異所性骨化は、乳児期から学童期にかけて始めて起きることが多く、まず皮膚の下が腫れたり硬くなったりして、時に熱を持ったり痛みを伴うことがあります。
この症状をフレアアップと呼びますが、これを繰り返しながら異所性骨化を生じ、手足の関節の動きが悪くなったり、背中が変形したりします。怪我や手術などがきっかけとなってフレアアップが起きることもあります。
異所性骨化は背中や首、肩、脚の付け根から始まり、徐々に手足の先のほうに向かって広がる傾向があるようです。呼吸に関係する筋肉や口を動かす筋肉の動きも悪くなり、呼吸の障害が起きたり、口が明けにくくなったりすることがあります。心臓を含む内臓の筋肉には異所性骨化を生じないとされています。
研究グループは昨年患者から作ったiPS細胞を使って、別の治療候補薬「ラパマイシン」が見つかったと発表しました。これは現在京都大学医学部付属病院などで効果や安全性を確かめる治験が行われています。
研究グループは今回、ラパマイシンを見つけたときとは違う方法で、FOPに特徴的な細胞膜タンパク質の過剰活性化マウスの細胞で再現しました。4892種の化合物で反応を調べ、内7種で骨ができる前段階の軟骨化を抑えることが判明しました。
その後患者のiPS細胞の反応を見て、2種類で軟骨化を抑制することを突き止めました。患者のiPS細胞をマウスに移植して2種の化合物を投与したところ、筋肉内に骨ができるのを抑えられました。
この2種の化合物は、ラパマイシンと異なる仕組みで効果を生んでいるようです。研究グループは、すぐに治験に移れるわけではないが、FOPのメカニズムを突き止めるのに有効な成果であると話しています。
iPS細胞はこのように再生医療だけではなく、創薬研究のツールとしても有効なことを示したものと言えます。
これはiPS細胞を使った創薬研究の一つで、FOPのメカニズム解明につながると期待されています。
FOP患者は国内に約80人で、有効な治療薬は見つかっていません。進行性骨化性線維異形成症は、骨系統疾患と呼ばれる全身の骨や軟骨の病気の一つです。子供のころから全身の筋肉やその周囲の膜、腱、靭帯などが徐々に硬くなって骨に変わっり、このため手足の関節の動く範囲が狭くなったり、背中が変形したりする病気です。
この病気の原因は、ACVR1と呼ばれる遺伝子の一部が正常と異なることが分かっています。この病気の主な症状である異所性骨化は、乳児期から学童期にかけて始めて起きることが多く、まず皮膚の下が腫れたり硬くなったりして、時に熱を持ったり痛みを伴うことがあります。
この症状をフレアアップと呼びますが、これを繰り返しながら異所性骨化を生じ、手足の関節の動きが悪くなったり、背中が変形したりします。怪我や手術などがきっかけとなってフレアアップが起きることもあります。
異所性骨化は背中や首、肩、脚の付け根から始まり、徐々に手足の先のほうに向かって広がる傾向があるようです。呼吸に関係する筋肉や口を動かす筋肉の動きも悪くなり、呼吸の障害が起きたり、口が明けにくくなったりすることがあります。心臓を含む内臓の筋肉には異所性骨化を生じないとされています。
研究グループは昨年患者から作ったiPS細胞を使って、別の治療候補薬「ラパマイシン」が見つかったと発表しました。これは現在京都大学医学部付属病院などで効果や安全性を確かめる治験が行われています。
研究グループは今回、ラパマイシンを見つけたときとは違う方法で、FOPに特徴的な細胞膜タンパク質の過剰活性化マウスの細胞で再現しました。4892種の化合物で反応を調べ、内7種で骨ができる前段階の軟骨化を抑えることが判明しました。
その後患者のiPS細胞の反応を見て、2種類で軟骨化を抑制することを突き止めました。患者のiPS細胞をマウスに移植して2種の化合物を投与したところ、筋肉内に骨ができるのを抑えられました。
この2種の化合物は、ラパマイシンと異なる仕組みで効果を生んでいるようです。研究グループは、すぐに治験に移れるわけではないが、FOPのメカニズムを突き止めるのに有効な成果であると話しています。
iPS細胞はこのように再生医療だけではなく、創薬研究のツールとしても有効なことを示したものと言えます。