ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

便秘の薬最近の進歩

2018-11-26 10:10:42 | 
日本人の6人に1人ほどが悩むともいわれる便秘ですが、治療薬は江戸時代からあまり変化がなく、患者の満足度は決して高くなかったようです。

ここ数年新しい薬が登場し選択肢が広がり、腎機能の落ちがちな高齢者や子供など一人ひとりの事情に合わせた使い分けが可能になりつつあります。

慢性便秘症は、排便が週に3回未満か4回に1回を超す頻度で排便が困難な症状があり、それが何か月も続いた状態を言います。食事や睡眠といった生活習慣の変化が影響しやすく、加齢とともに増える傾向があります。

便秘の治療には古くからセンナなどの大腸刺激性下剤や、酸化マグネシウムに代表される浸透圧性下剤が使われてきました。センナなどは大腸を刺激して蠕動運動を促しますが、お腹が痛くなったりすることも多いようです。

また酸化マグネシウムは、腸内に水分を引き込んで便を軟らかくする作用ですが、腎機能が悪い人が使うと意識低下などを引き起こす恐れがあります。

最近保険適用になったエロビキシバットは、小腸の粘膜にあるタンパク質に働きかける「上皮機能変容薬」と呼ばれています。大腸の水分を増やして便を軟らかくするほか、大腸の動き自体を促す効果もあります。

便秘治療は長いこと、患者や医療者から軽く見られがちでした。「快便」にならずに受診をやめたり、市販薬を漫然と使い続けたりする例も後を絶たなかったようです。近年便秘を放置すると命にかかわるリスクを高めることも分かってきました。

東北大学のチームは、宮城県内の約4万5千人を対象にしたデータを解析しました。約13年間に循環器系の病気で亡くなった約2000人を調べると、便秘の人が便秘でない人に比べて、リスクが高いことが分かり、脳梗塞のリスクは2倍近くなりました。

こうした事情の背景に、全国どこでも標準的な治療を受けられるよう、2017年に慢性便秘症の診療ガイドラインが完成しています。新薬も2012年以後続々と登場し、選択肢も広がっています。

上皮機能変容薬が3種類、今年にかけて保険適用になりました。浸透圧性の新しい薬も2種類、年内の保険適用に向けて準備を進めています。

私は毎日快便というわけではありませんが、それほど問題なく過ごしています。便通がない日も特にお腹が張ったりすることもありませんので、あまり気にしていません。それでも昔かかっていた医師は、便通が健康の基本であるということで、漢方薬の植物を乾燥したような便秘薬を処方されていました。

医師によると3~4日出なければ薬の使用を考え、1週間出なかったら医療機関を受診した方が良いとしています。