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新型コロナ感染で脳内免疫細胞に異常が発生

2023-04-10 10:35:50 | 健康・医療
新型コロナはほぼ収束した状態が続いていますが、今後どのような経緯になるか注意が必要です。

また感染後の後遺症もいろいろ報告されており、長引く咳や倦怠感などが半年以上も続くというようなつらい症状が出るようです。

私はこの咳などの風邪様な症状については、ウイルス感染後常在菌の感染ではないかと思っていますが、そういった方向での検討は全くされていないようです。

慶応大学の研究チームは、コロナ後遺症の中枢神経症状について、脳内で不要な物質を取り除く作用がある免疫細胞が感染し、それに伴って中枢神経が傷んで発症している可能性をiPS細胞を使って確認したと発表しました。

新型コロナ後遺症では、痙攣や意識障害、頭のもやもや感(ブレーンフォグ)など中枢神経の障害に伴う症状が出ることが知られています。今回の研究が、こうした症状の新しい治療法につながる可能性があるとしています。

新型コロナウイルスは脳内にも入り込みますが、神経細胞自体には感染しづらく、脳内での感染のメカニズムは不明でした。一方感染者の脳内では炎症性の物質が多く存在することは知られていました。

研究チームはヒトのiPS細胞から、脳内の神経細胞とミクログリアなどを作成し、新型コロナに似せたウイルスを使って、これらの細胞に感染させる実験を行いました。疑似ウイルスは新型コロナが最初に流行した時の株のほか、オミクロン株などの各変異株に合わせたタイプを用意しました。

その結果どの疑似ウイルスもミクログリアのみに効率よく感染することが分かりました。ウイルスに感染したミクログリアが、異常な活性を起こしたり死滅することで、炎症性の物質が増えて神経細胞に障害を起こすと考えられるようです。

今回の研究成果から、一部の患者ではミクログリアなどの免疫機能の低下からウイルスが脳内で完全に排除されずにミクログリアへの感染が続き、後遺症が長引いている可能性が浮かびました。後遺症の治療をめぐっては、現在治療法の少なさが課題になっています。

研究チームはミクログリアが放出する物質の働きを抑えたり炎症を抑えたりする薬剤が、後遺症の治療につながるかもしれないと述べています。

今回の成果はあくまでもモデル細胞による結果ですので、本当に後遺症患者で同様の現象が起きているかの確認が必要ですが、iPS細胞の応用としては良い結果と思われます。

長期のコロナ後遺症に悩む患者はよく取り上げられてきましたがその症状はかなり多様ですので、今回の成果以外にも要因は多い感じがします。

ウイルス感染症の後遺症というのは今まであまりありませんでしたので、こういった研究がその解決への一歩といえるのかもしれません。


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