暖かくなってくるとまた食中毒の話題が色々と出てきます。最近あまり取り上げられなくなった腸管出血性大腸菌O-157ですが、現在でもこの菌による食中毒は発生しているようです。
O-157は細菌の種類としては一般的な大腸菌ですので、抗生物質を使えば簡単に除菌することができますが、この菌は毒素を作り出しこれによっていろいろな症状が出てしまいます。
従来この毒素の治療法はなかったのですが、群馬大学の研究チームが「炭素」を用いることで無毒化することに成功したと発表しました。
O-157に感染すると「ベロ毒素」などの病原性のタンパク質が分泌され、食中毒を起こします。ベロ毒素は一部の赤痢菌(志賀赤痢菌)が産生する志賀毒素と同一のもので、かなり古くから知られています。
真核細胞のリポゾームに作用して、タンパク質合成を阻害する働きを持ち、影響を強く受ける臓器は大腸、脳、腎臓で出血性の下痢、急性脳症、溶血性尿毒症などのさまざまな病態の直接の原因となる病原因子です。
この毒素の強さはなかなか比較は難しいのですが、フグ毒の30倍も強いといわれています。O-157は国内で初めて感染が確認された1990年以降、特効薬などは存在せず重症化しないように祈るしかないという状況でした。
感染者の5%、幼児や高齢者は10%が重症化し、亡くなったり後遺症が残ったりすることがあるとされています。研究チームは2017年ごろ化学メーカーの「クレハ」から、医療用活性炭を細菌に使えないかと相談を受け研究を開始しました。
消臭効果で知られる活性炭には、眼に見えない分子などを表面の穴で吸着する働きがあり、研究チームは身近の細菌のO-157の毒素を無毒化できないかと考えました。
研究を進めるなかで、活性炭よりも大きい平均直径150ナノメートルのマクロ孔をもつ「多孔性炭素」が、O-157が生み出す病原性タンパク質の大きさに合っていることが判明しました。
この多孔質炭素をO-157の培養液に添加すると、病原性タンパク質であるベロ毒素を強く吸着し無毒化することが確認できました。O-157の代替菌に感染させたマウスを使った実験でも、多孔性炭素を経口投与したグループには治療効果が見られ、副作用なども見られませんでした。
ただしこの多孔性炭素はあくまで活性炭ですので、腸管内に留まっているベロ毒素は無毒化できたとしても、症状が出ているつまり体内に吸収したものを除くことはできない気がします。
それでもO-157は腸管内で生息しますので、その段階で毒素を抑えてしまえば、重症化を防ぐ方法にはなるのかもしれません。
O-157は細菌の種類としては一般的な大腸菌ですので、抗生物質を使えば簡単に除菌することができますが、この菌は毒素を作り出しこれによっていろいろな症状が出てしまいます。
従来この毒素の治療法はなかったのですが、群馬大学の研究チームが「炭素」を用いることで無毒化することに成功したと発表しました。
O-157に感染すると「ベロ毒素」などの病原性のタンパク質が分泌され、食中毒を起こします。ベロ毒素は一部の赤痢菌(志賀赤痢菌)が産生する志賀毒素と同一のもので、かなり古くから知られています。
真核細胞のリポゾームに作用して、タンパク質合成を阻害する働きを持ち、影響を強く受ける臓器は大腸、脳、腎臓で出血性の下痢、急性脳症、溶血性尿毒症などのさまざまな病態の直接の原因となる病原因子です。
この毒素の強さはなかなか比較は難しいのですが、フグ毒の30倍も強いといわれています。O-157は国内で初めて感染が確認された1990年以降、特効薬などは存在せず重症化しないように祈るしかないという状況でした。
感染者の5%、幼児や高齢者は10%が重症化し、亡くなったり後遺症が残ったりすることがあるとされています。研究チームは2017年ごろ化学メーカーの「クレハ」から、医療用活性炭を細菌に使えないかと相談を受け研究を開始しました。
消臭効果で知られる活性炭には、眼に見えない分子などを表面の穴で吸着する働きがあり、研究チームは身近の細菌のO-157の毒素を無毒化できないかと考えました。
研究を進めるなかで、活性炭よりも大きい平均直径150ナノメートルのマクロ孔をもつ「多孔性炭素」が、O-157が生み出す病原性タンパク質の大きさに合っていることが判明しました。
この多孔質炭素をO-157の培養液に添加すると、病原性タンパク質であるベロ毒素を強く吸着し無毒化することが確認できました。O-157の代替菌に感染させたマウスを使った実験でも、多孔性炭素を経口投与したグループには治療効果が見られ、副作用なども見られませんでした。
ただしこの多孔性炭素はあくまで活性炭ですので、腸管内に留まっているベロ毒素は無毒化できたとしても、症状が出ているつまり体内に吸収したものを除くことはできない気がします。
それでもO-157は腸管内で生息しますので、その段階で毒素を抑えてしまえば、重症化を防ぐ方法にはなるのかもしれません。
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