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5ナンバー車の減少と消費者動向

2019-03-02 09:34:32 | 
厚生労働省の統計データ不正操作による不都合な事実が明らかにされ、一部の大企業を除いて実質賃金はむしろ下がっていることが明らかになりました。

その実態を素直に反映しているのが、消費の二極化が進んでいる状況のようです。昨年の乗用車販売(軽自動車を含む)で、5ナンバーの小型乗用車の比率が29.9%と初めて3割を切りました。かつては新車の65%を小型車が占めていたころから比べると隔世の感があります。

私が大きめの駐車場などを見ても多くが軽自動車で、3ナンバーの車が多く5ナンバーの車は本当に少なく、3割もないような気がします。

もちろん衝突安全性能の向上や、日本よりも大きな車が主戦場となる海外市場をメーカーが重視していることから、車のサイズが年々大きくなり、3ナンバーの車が多くなっているという事情もあります。

かつては大衆車の代表車であったトヨタの「カローラ」も今や3ナンバーになっています。こうした点を除いても高価格帯と低価格帯に販売が2極化し、中間価格帯が苦戦するという構図になっているのは、日本でも格差社会が拡大している証左といえます。

たとえばミニバンも「アルファード(トヨタ)」のような大型と、「フリード(ホンダ)」のような小型に2極化し、「プレマシー(マツダ)」のような中間層向けのミニバンマーケットが少なくなっているようです。

車に限らず、中途半端な位置づけの商品は消費者の厳しい目によって、淘汰されていくことがますます加速していくのかもしれません。

ただし5ナンバーか3ナンバーかという議論は、こういった流れとは少し違うようです。小排気量でもより出力が出せるようになったことや、安全性能の要求が高まったりデザイン要素が求められたりした結果、3ナンバー車が増えた要因もありそうです。

5ナンバーの小型車の消失分は、輸入車を含めて3ナンバー車へ移行した人と、車は下駄代わりで十分と軽自動車に移行した人に2分され、この傾向はさらに強まりそうです。

車以外でも中間価格帯ゾーンが苦戦している事例は多く、「無印良品」のように廉価だが良品という位置づけの商品です。いわばブランドとしての地位を築いてきましたが、家具や雑貨については価格優位性を持つ「ニトリ」に負けているようです。

食品ではモスバーガーが、低価格のマクドナルドと高価格帯のグルメバーガーに挟撃される形で存在感が希薄化していると言います。

私は消費の二極化が進んでいるという実感はあまりありませんが、5ナンバーの車はやや中途半端な位置付けになっているような気がします。このまま3ナンバーと軽自動車が増えていくのか、メーカーの戦略を期待したいところです。


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