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脳波のパターンでうつ病のメカニズム解明へ

2022-07-21 10:27:43 | 健康・医療
最近うつ病の話をよく聞きますが、私はうつ病など気分の問題でそれほど重い病気とは考えていませんでした。

しかし私が最後に勤務した研究所の若手の研究員にうつの症状が出てきました。親しくはなかったのですが、実験室が近いこともありよく観察したのですが、予想外の行動が多くやはりうつ病は治療が必要な病気と認識しました。

長引くコロナ禍の影響により、国内ではうつの症状を訴える人が、コロナ流行前と比べ2倍以上に増加しているようです。うつ症状が起きるメカニズムについては正確には分かっていませんでしたが、いま解明に向けた研究が進んでいます。

「うつ病」とは気分が落ち込んでいるなどの精神状態とともに、眠れない食欲がないといった身体症状が現われ、日常生活に大きな支障が出る気分障害のひとつです。

経済協力開発機構の調査では、国内のうつ病やうつ状態の人の割合は、新型コロナの感染拡大前後で2倍以上に増加しています。こうした中東北大学の研究チームは脳波を使い、そのメカニズムを解き明かす研究で成果を上げています。

研究ではマウスの脳に電極を埋め込み、さまざまな状況下で脳波を測定し解析しています。マウスは走り回ったりたまに喧嘩をしますが、社会性や他者とどう付き合うか考えながら生きている動物で、ヒトと非常に共通しているとしています。

健康な2匹のマウスでは鼻をつけるなど交流する様子が見られますが、片方がうつ病傾向にあるマウスでは、ケージの隅でほとんど動きません。研究では対照的な2匹のマウスの脳波を4年の歳月をかけて測定しました。

その結果脳波の中で不安と関係するシータ波と、集中力に関係するガンマ波にうつ病傾向の時のみの特徴的なパターンがあることを発見しました。

他と交流するときは、特定のシータ波と呼ばれる脳波が減ってしまったり、ガンマ波が増えたりが本来起こるのですが、うつ病の場合にはそれがうまく制御できていませんでした。

この発見したうつ病傾向の特有のパターンを人工的に正常な状態に戻すと、再び他のマウスと交流するようになることも分かりました。ヒトもマウスも同じように脳波が出ており、基本的構造は同じなので、マウスと同じようなことが起こっていると推測されます。

脳波をきちんと読み取ることができれば、今のうつ病の度合いがどれくらいか客観的にわかる可能性があるとしています。

今回の成果がうつ病の発症メカニズムにどうつながるかは、やや疑問もありますし、簡便に脳波測定ができるのかよく分かりません。それでも脳波の異常がうつ病の病態に関連があるという発見は、うつ病研究の進展といえるのかもしれません。


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