ごっとさんのブログ

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猫はなぜマタタビに惹かれるのか

2021-01-29 10:21:17 | 
ネコにマタタビを与えると身体をスリスリこすりつけたり、舌でぺろぺろとなめ恍惚とした感じになります。

江戸時代にはすでに知られていたネコにまつわる謎の答えを岩手大学や京都大学などの研究チームが実験で突き止めたという記事が朝日新聞に掲載されていました。

これによるとマタタビに蚊を寄せ付けない成分が含まれ、それを体につけるためにだとしていますが、家の猫達を見ていると少し違った感じもします。マタタビに対するネコの行動はなめることが主体であり、あまり体につけるためという感じはしていませんでした。

マタタビはつる性の植物で、ネコが匂いをかいだ時の反応は江戸時代の浮世絵にも描かれています。「ネコにマタタビ」ということわざやマタタビ入りの猫用おもちゃがあるなど、ネコ科の動物の特徴として知られています。

古くから知られている割には、この反応の理由は詳しく分かっていなかったようです。マタタビには「マタタビオール」という化合物が含まれていることは分かっていましたが、ヒトの血流改善などはあるもののネコには作用しないようです。

研究チームはマタタビの葉をすりつぶして、含まれている成分を分離し、1種類ずつ猫に匂いをかがせてみました。この内「ネペタラクトール」という成分に反応を示すことが分かりました。またこの時のネコの反応は、ネペタラクトールを体につけるためだと分かりました。

ほかのネコ科の動物でも同じ反応があるか確かめるため、天王寺動物園などの協力を得て、ジャガーやアムールヒョウ、シベリヤオオヤマネコにネペタラクトールを嗅がせたところ、ネコと同じ反応を見せたようです。

なおネペタラクトールはテルペンといわれる炭素数10個の化合物で、不斉炭素を多く持っています。研究チームはネペタラクトールの性質を調べ、蚊を寄せ付けない効果を持つことを突き止めました。

ネコの頭に塗って蚊を30匹放つ実験をしたところ、蚊が頭に泊まる数は何も塗らない場合と比べて半減しました。研究チームはマタタビ反応が寄生虫やフィラリアや病気を運ぶ蚊から身を守る重要な行動だと結論付けました。

蚊よけの目的と、ネコがマタタビで酔ったようになる陶酔状態の関連性は分かっていませんが、ネコがマタタビをかいたときの脳内の状態を血液検査で調べ、いわゆる脳内麻薬の濃度が上がっていることを確かめています。

前述のようにマタタビに対するネコの行動は、なめることによって陶酔状態になることの方が大きいような気がしますが、今回見出されたネペタラクトールだけでもこういった行動となるのかはよく分かりませんでした。

マタタビはネコの爪とぎ板を買うとついてきますので、本当に体にこすりつけているのかどうか観察してみることにします。


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