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金星の大気からホスフィンを検出

2020-09-23 10:24:33 | その他
カーディフ大学の研究グループは、地上の電波望遠鏡による観測の結果、金星の大気からホスフィン(リン化水素、PH3)が検出されたと発表しました。

この成果は大気中に生息する生命の発見につながるかもしれないと期待されています。ホスフィンは半導体の製造で利用するために人工的に生産されているほかに、酸素を必要としない嫌気性の微生物によって生成される、常温では気体の物質です。

嫌気性微生物に関係していることから、地球外生命体の探査においてバイオシグネチャー(生命存在の兆候)としてこのホスフィンが利用できる可能性が指摘されています。

2017年にハワイの望遠鏡(JCMT)を使って金星を観測した際にもホスフィンが存在する可能性が示されました。また2019年にチリのアルマ望遠鏡で再度観測を実施した結果、やはりホスフィンを検出しています。

日本でも京都産業大学が金星の大気モデルを用いて検討したところ、大気中に20ppb(10億分の20)の割合でホスフィンが存在することが判明していました。

今回のカーディフ大学の研究グループは、ホスフィンの発生源を調査しました。ホスフィンは強い酸性の環境では分解されてしまうため、金星の大気中にホスフィンが存在するのであれば、何らかの形で生成され続けていることになります。

太陽光、地表から吹き上げられて鉱物、火山活動、雷、隕石などの非生物的な反応では観測された量の1万分の1程度しか生成されません。

もしもホスフィンを生成する地球の微生物と同様の生物が金星にも存在していれば、観測された量のホスフィンが生成され得ることが分かったとしています。

研究グループでは、金星のホスフィンは未知の化学反応や地質学的なプロセス、あるいは生命によって生成されている可能性があると考えています。金星の生命に関してはマサチューセッツ工科大学のグループによって仮想の微生物のライフサイクルが想定されています。

金星の雲層の気温が生命の存続に適していたとしても、雲はほとんど硫酸でできているうえに非常に乾燥しています。予想外だった金星でのホスフィン検出について、生命の存続についての数多くの疑問を提起するものであるとしています。

金星のホスフィンがどのようにして生成されているのか。その答えを得るためには更なる理論上の検討や追加の観測が欠かせませんが、最終的には金星を直接探査する必要がありそうです。

こういった宇宙探査の大きな目標のひとつが地球外生命体の発見です。私はほとんど発見できる可能性はない、さらに言えば地球外の生命体は存在しないと思っています。

今回の金星のホスフィンも、単なるあまり分かっていない有機化学反応で生成していると思っていますが、それでもこういった発見には楽しみがあるような気もします。


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