内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

昼下がりのワインの誘惑、深夜のカントとの対話、そして森の中の早朝ジョギングの未体験ゾーン

2021-07-04 11:08:34 | 雑感

 昨日土曜の午後、ちょっと遅めの昼食を取りながら、白ワインを一本空けてしまった。それでもあまり酔わない。酒が強いのも困りものだよねぇ、と白々しく独りごちてみたくもなる。
 夕方になった。昼しっかり食べたから、夕食はもういらない。ワインは飲みたい。でも、昼に一本飲んでしまった。困った。なぜなら、一日に赤白を問わずボトル一本というのが自らに課している規則だからである。しかし、誘惑はときにその規則をも破らせるほどに強いのが世の常である。で、昼は昼、夜は夜、白は白、赤は赤、ということ(って、どういうこと?)にして、赤ワインをボトル半分ほど飲んでしまった。禁断の美酒である。昨夏からボルドーの赤は現地のお気に入りの生産者から直接送ってもらうようにしている。まずハズレがなく、価格も良心的だ。常時二十から三十本のストックがある。
 さすがに酔いがまわり、よく覚えていないのだが、おそらく七時前に就寝してしまった。十時半頃、目が覚める。酔いもすっかり醒め、頭もすっきりしている。寝床でぐずぐずしているのはもったいない。起き出して、何を思ったか、カントの『純粋理性批判』のアラン・ルノー訳の序文を読み始める。小一時間ほどカントと対話する。その後、それとはなんの脈絡もなく、アンリ・ピレンヌの『中世都市 社会経済史的試論』(講談社学術文庫 2018年)の監修者序文と訳者あとがき、『ヨーロッパ世界の誕生 マホメットとシャルルマーニュ』(同文庫 2020年)の訳者あとがきと解説を読んだ後、両著の仏語原文を少し読む。午前二時を回った。眠くない。どうしよう。このまま眠らず、早朝ジョギングに出かけることにする。
 午前四時十五分、ジョギングに出発。不思議と体がいつになく軽い。どれだけ走り続けられるか試してみることにする。いつものコースを辿って森に入る。ライン川の土手に着くまでに五十分ほど走り続けたが、まだいけそうだ。また森に戻り、出発からちょうど一時間経ったらウォーキングに切り替えようと思ったが、一時間経ってもまだいけそうなので、次の目標地点まではとにかく走ってみようと決める。途中、子鹿に出遭う。遊歩道の30メートルくらい先に立っている。こちらを数秒見つめた後、茂みに隠れてしまった。目標地点についた。そこまで約二十分。まだいける。そこから先は森の中の川沿いの土の道が多くなる。舗装路に比べて明らかに足首への負担が少ない。自ずとピッチが少し上がる。ここまできたら二時間は走れるだろう。結局、森の中を走り通し、森を出たところで二時間になり、歩きに切り替える。まあジョギングといっても、ほんとうにゆっくりで、二時間かけて走ったのは18,5キロ。ただ、曲がりなりにもこんなに長く走ったのは生まれてはじめてである。水泳で二時間続けて泳いだことは過去に何度もあったが、走ったことはなかった。結構走れるものなのだなあと自分でも驚いている。
 家に帰り着いたときには、総走歩行距離が21キロ近くになっており、消費カロリーは1263kcal。今日のワインは格別に美味しいだろう。