内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

未知なるものとしての「伝統」へアプローチする哲学的方法論

2021-07-26 13:26:10 | 講義の余白から

 遠隔集中講義事前ミニ演習第三回目。学生の一人の都合で日本時間の午後一時開始。こちらの午前六時である。普段午前四時起床が基本である私にとって、少しも不都合ではない。むしろ朝方に一仕事終えられて好都合なくらいである。
 今日の演習は「スペシャル・メニュー」。空の思想は、今日の私たちにとって、馴染みのある「伝統的なもの」ではないであろう。日本思想史についてほとんど何も知らず、ましてや東洋思想についての知識は皆無である学生たちにとって、空の思想はほとんど未知なる異文化とさえ言えるかも知れない。しかも、哲学科で学ぶのは主に西洋哲学の諸概念である。では、自分たちがその中で生きていると思っている日本文化の内奥にある〈異なるもの〉にどのようにアプローチすることができるか。そのための哲学的方法論が今日のテーマであった。
 メイン・テーマと直接結びつくわけではないが、方法論的な示唆を与えてくれる参考文献として、井筒俊彦『意識と本質』(岩波文庫 1991年)と廣松渉『〈近代の超克〉論 昭和思想史への一視角』(講談社学術文庫 1989年)を挙げておいた。
 ミニ演習を終えたのが午前七時半。すぐに着替えてジョギングに出かける。この二日間ほぼウォーキングだけだったので、脚の疲れもほぼ取れている。今日はどこまで走れるか試してみる。結果として、二時間休みなく走ることができ、距離も19キロメートルと前回より若干伸びた。
 これにはシューズの違いも関係があると思う。ナイキのペガサス 38、ミズノのウェーブ・インスパイア 17、アシックスの Gel-1090 の三足を順番に履いている。前二者は、柔らかく足を包むような感触で、接地のショックをソフトに吸収してくれるのだが、その分蹴り出しのときに脚に負担がかかっているようだ。それに対して Gel-1090 は全体に硬めで、踵の反発力を推進力に変換しやすいように感じる。今のところ、今日履いた Gel-1090 が一番走りやすく感じる。
 ただ、姿勢や脚の使い方の違いによってもシューズの向き不向きは変わってくるのだと思う。だとすれば、タイプの違うシューズを日替わりで履くのは脚にはよくないのかも知れない。脚がシューズに慣れるということもあるだろうから。まだそれぞれ四、五回しか履いていないから、もう少し様子をみたい。