こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2007年1月4日 木曜日 青年の孤独の深さ ②

2007-01-04 23:01:01 | 音楽帳
④フラ・リッポ・リッピ スモール・マーシーズ



ジャケット通りの音、とでもいうのか。
フラ・リッポ・リッピの2枚目は、風景を描き出すことにかけては、それ以降のアルバムを凌駕している。ひっそりとこういう叙情的・風景的な曲をやっていて欲しかったが、3枚目の「Songs」は素晴らしいものの、その後は、ソフィスティケイトされ、すっかり三流の「狩人」みたいな存在になってしまったのが哀しい。しかし、その音楽性の低下に反比例して、ヒットしていくことになる。
いまだに、この2枚目の名盤はCDとして見た事が無い。一体、音楽業界はどうなっているのか?今更ながら、音楽そのものの素晴らしさを無視していて、要は何も聴いてはいないし、こういった孤独の中で作り出される「稀有」な音楽は、ノイズの前にかき消される存在なのだろうか。

⑤ソフト・ヴァーディクト ストラグル・フォー・プレジャー/クローズ・カバー



これも、ウィム・メルテンとしての編集盤は見た事があるが、このアルバム(というかミニ・アルバムですが)は、CDとしては見ていない。もしかして売っているのかもしれませんが。「クローズ・カバー」は出来すぎている感もあるが、何も情報も無い中で自ら発見したという個人的経験は重要である。ピアノの名曲である。
「ストラグル・フォー・プレジャー」はピアノの打楽器的な側面で出来ている曲だが、冬に似合う。

⑥ドゥルティ・コラム ポルトガルの友



ドゥルティ・コラムには、いつも孤独と死がつきまとう。
「ポルトガルの友」と聞いて、それは死んだ友人と想うのは考えすぎか?しかし、そう思わせる力が、彼の音楽にはある。「LipsThatWouldKiss」という曲を、自殺した友人のイアン・カーティス(ジョイ・ディヴィジョン)に送ったかのように、「居ない誰かを想う心」がつむぎ出した音楽が、彼の音楽の芯にいつも感じられる。

どの曲も、自分と共に「孤独」をわかちあった、大事な音楽だった。
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2007年1月4日 木曜日 青年の孤独の深さ

2007-01-04 21:39:32 | 音楽帳
久々の更新だ。
孤独な独身の40歳の自分は、やはり、ブログでも、その孤独さは変わらない。

***

昔、わくわくした、神聖なる日本のお正月が、遠くなってしまったのか。
初めて、自分の家で独りで過ごした年越しは、孤独であった以外に、事件は起きない。

40枚近く書いた年賀状も、未だ5・6通しか戻ってきていない。
自分は、孤独に耐える力を蓄えて、死に向かって歩いていく。
死ぬときは誰もが一人にならねばならないのだから。

***

昔、聴いていたカセットテープを取りだした。
1984年4月に録った「FMトランスミッション・バリケード」のテープ。

それを聴いて、当時高校2年生だった自分が、どれだけ、今よりも深い孤独を抱いて生きていたかを思い知った。

どれもが、いとおしくはかなく孤独をたたえた曲たち。
僕はこれらを愛して好んで聴いていた。

今も孤独だが、あの頃の孤独さを思えば、今はまだ自由な分だけ救われている。そう思った。

***

①フィリップ・グラス コヤニスカッティ



「コヤニスカッティ」という無声映画、ひたすら現代の病巣を映像のみで描き出そうとした映画のサントラ。この1曲目に、この曲は入っている。
いわば、メインテーマ。
この曲がかかるバックで、映像は、確か、アポロのロケット発射の映像がスローで流れていた。深い深い宗教的な鎮魂歌。冬の残酷な輪郭を描き出す。

②チャイナ・クライシス フォーエヴァー・アイ・アンド・アイ



私が、多分、個人的に一番シンパシーを感じるイギリスのバンド、チャイナ・クライシスの曲。ギター1本と、シンセ、それにリズムボックスのみの簡素な曲。確か、この曲は自分の部屋で録った宅録だったはず。
12インチで発売された「WorkingWithFire&Steel」のB面に入っていた。

タイトルはどういう意味なんだろうか?(永遠に、私と私?)意味はわからなくても、イイタイトルだ。
 自分の部屋で作った手作り感と共に、深いスティルに包まれた孤独感がよく出ている。ギターの音色の美しさは、特筆すべきものがあり、青年の蒼さが良く出ている。

③ジャン・リュック・ポンティ  コンピューター・インカンテーション・フォー・ワールド・ピース



ジャン・リュック・ポンティはヴァイオリニスト。コンピューターの刻む正確なリズムの上を、彼のヴァイオリンが切り裂く。
本来は、ジャズ寄りの人なのだろうが、この曲に限っては、NewWave、もしくは、どこにも所属しない、冬の閑散とした風景を描き出すことに成功している。

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