キタナイ画像の解毒剤として、カーラ・ボノフのシングル盤、名曲「涙に染めて」。
シングル盤の渦をごそごそとあさっていて、今夜、取り出したのがこの1枚。
懐かしい。
このうつむき加減の写真が大好きだった。
1979年、当時、かたちんば13歳、中学1年生だった。
FM東京で毎週土曜日の午後、「ポップス・ベスト10」という番組をやっていて、洋楽初心者の私は、毎週聴いていた。
この曲もよく聴いた。
この79年辺りは、70年代のアメリカの良質なポップスが終わりに近づいていた時期だった。
イーグルスがラスト・アルバム「ロング・ラン」で「僕らは、しょせん、サッド・カフェに集まったさみしい群れだった」と最後の曲で言い、イーグルスを終えた頃だった。
一方で、クリストファー・クロスが登場したりと、まだアメリカン・ポップスにも勢いはあったが、それも、もう間もなく終わりを向かえていた。
アメリカは、こういった内向的な孤独の表現から、アッパラパーな脳天気なヒット曲に移ろってゆくことになった・・。
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正式なタイトルは「TroubleAgain」だが、「涙に染めて」という邦題の方が自分にはしっくりくる。
この曲の入ったアルバムも「ささやく夜」という美しい邦題がついている。
当時、中学1年生には、このカーラ・ボノフのジャケットは、「きれいな憂いを帯びた大人のおねいさん」というイメージだった。きれいな脚が少し出ているのに、ほんのり色気を感じた。
しかし、このシングル盤のジャケットのせりふが凄いね。
「乾いた街を離れた一人の女の香り、妖しく乱れ」
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B面は、デビューアルバムに入っている「Someone To Lay Down Beside Me(邦題:誰かわたしの側に)」。
「誰か私の側に居て」というのが伝わるような、寂しい名曲である。
今でも、神保町あたりのレコード屋さんにいけば、このシングルは、手に入ると思います。聴いたことがないなら、是非、オススメです。