
外はずばばばばばんだ。
さっき、びしょぬれで、家に帰ってきた。
しかし、帰れる家があるニンゲンはまだいい。
ノラネコの方が心配だ。
たかだか、台風ごときで、だいたいが、昔から「関東」は大騒ぎしすぎなのである。
生か死か?というようなおおげさなことでなく、衣類がびしょびしょに濡れる程度のことで大騒ぎするなっての。
よく風に傘を飛ばされるニンゲンが大騒ぎしているのを見ると、つい笑ってしまう。
この風雨の中、独りじっと耐えている生き物たちを想え。
田端の駅前で、こんな日にも酔っ払って、傘をオモテウラひっくり返してベロベロになった、オヤジとババアを見た。
さっさと、そういう「生きていても無駄なニンゲン」は、川にでも落ちて死ねばいい。
なんなら、私自身が、川に突き落として、殺してやってもいい。
まったく、いい気なもんだ。
この「無駄に生きているニンゲン」の分の命を、ノラネコたちへの幸福に回して欲しい。
ノラネコたちは、みんな、安全なところに避難して、何とか今夜をしのいで欲しい。
神さまなんか信じないが、それでも、神さまがえらそうに居るならば、その神さまに祈る。
いつも何一つ役に立たない「神さま」も、たまには、役に立つことして欲しいもんだ。