
本を読むのも良いし、情報入手に躍起になるのもよかろう。
ただ、ココロが疲れたならば、やはり写真を眺めたり、音を聴いたり。
自分のココロの気配に耳を傾けてみる。
2012年に生きる我々は、下手なことをしていると、下手なものに引きずり込まれてしまう。
未だかつてこんなにも、無防備で生きることが脳を傷めることに繋がる時代は無いのかもしれない。
そういう自分も気づけば、よくしかめっつらにいつの間にか、なっていて。
深刻なところに行ってしまって、ぬかるみからジャンプ出来ないズルズルの世界。
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そんなときは、視点を変えるべく大好きなネコの写真集を眺める。
いろんな写真集が出ているし、雑誌「ネコのキモチ」だってある。
それが癒しになる日があればラッキーである。
上の写真は「捨て猫ミーちゃん」という2001年の写真集。
タイトルだけは、個人的には「あざとさ」を感じて好きにはなれない。
出版側のエゴであり、タイトルで売ろうとする意図が明らかである。
そのタイトルさえ除けば好きな写真集。
ネコに罪は無い。
捨て猫、などというが、そもそも多くのネコは捨てられているのが現状なのだから。
あるいは、人はノラネコとも呼ぶ。
どちらも、産まれてしまったからには、みんな必死に生きている。
コチャコちゃんだって、そんなネコ。
どこをたどって来たのかもわからない。
それが迷いながら、実家の庭によれよれで現れた、に始まる。
今まで出会ったネコは、みんなそういうネコしか居ない。
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ミーちゃんは、ブルーの目が透き通るような色をしていて、美人さんなネコ。
実家の庭にきたない姿で現れたミーちゃんを、親はそんなきたないネコはほうっておけ!と言う中、平間さんの足に絡んで助けを求める。
平間さんはほうっておけずに、そのミーちゃんを抱いて、自分の写真スタジオに持って帰る。
ここから平間さんとミーちゃんの暮らしが始まった。


巻末には、ミーちゃんのポストカードが2枚付いている。

ミーちゃんは幸せだったと思う。
平間さんとの出会いもそうだが、この本が元でたくさんのミーちゃんファンが出来て、ミーちゃんは愛してもらい・反対にみんなは癒やされた。
残念だが、昨年の3月末にミーちゃんは亡くなっていたそうである。
でも、13年の命をまっとうできた。
ミーちゃんの人生は、しあわせだったと思いたい。
■Christopher Cross 「Sailing」■