コチャコちゃんのところへ行くみちで、鈴をひろった。
チャリン、と歩く足にぶつかって音がでた。
良い音がしたのでもったまま、コチャコちゃんのところについた。
朝から寝たまんまだとのこと。
ただ、お袋さんが、昼にスポイトでお水をあげるとのんだ。
「コチャコちゃーん」とこえをかける。
鳴きはしない。
だけど、クチのあたりがうごく。
聴こえてはいるんだ。
3人それぞれ、さかんにこえをかけるから、
反応にもつかれるからだろう。
数回したら、やめた。
かしこい。
あたたかくするために、2つ折りタオルを掛けふとんに。
横にじぶんも寝っころがってみる。
同じ、ゆかから何センチのところで、コチャコちゃんをみていた。
葉っぱの刺繍がはいったタオルが、コチャコちゃんの呼吸を伝える。
上に下にとちゃんとうごく。
老親は居たが、いつの間にか寝てしまった。こちらが。
起きているさいごは、9時のニュースがながれていた。
起きてみたら、だれも居ない。
時計をみると12時。
テレビは消え、暖房とうすい明かりだけがついていた。
うかつに寝てしまったので、コチャコちゃんは?ととっさにおもう。
横に寝ていた。
だけれども。
呼吸は、さっきとちがっている。
ハナで呼吸している音が聴こえた。
必死さが伝わってきた。
おなかで呼吸するみたいに、たたかっている。
なでたりしたけど、そんなことは助けにならない。
なでるのはやめて、横で見守るだけ。
乾燥している気がしたので、お水を近くにおく。
そのお水に濡らしたティッシュで、クチや顔のまわりを拭いて、クチモトを湿らせる。
すると、反応がびくんとあった。
何もないまま寝ていたので、ふとんとまくらをもって、コチャコの横にふたたびいく。
くるしそうな呼吸だけれども、生きようとしている。
くるしいだけなんてかわいそうだ。
横で子守唄をながすことにする。
コチャコちゃんの思うことはわからない。
だから、こちらのかってな思い込みかもしれない。
しれない。じゃなくて、思い込み。
ただ、ゆったりした「気」や「音」や「気配」がつたわれば。。。
一分ののぞみ、一分の思い込み。
亡くなるとしても、どうかやすらかであってほしい。
この前の日曜に聴いて驚いた、細野さんのデイジーホリデイをかける。
青葉市子さん。
1990年うまれの22歳のかた。
お話しのしかた、生ギターで奏でた「ひかりのふるさと」。
青葉さんがえがきだす、天性のたゆたう存在感。
そこに、いざなわれる。
この空気が、彼女・コチャコにつたわれば。
■細野晴臣 さん「DAISY HOLIDAY」 青葉市子さん 「ひかりのふるさと」■
わたしが横にいてもいなくても、たぶんなにもかわらない。
エゴイスティックに横にいて、なにかができるとおもっている。
気がつたわるとおもっている。
こころのなかでは、ハナ呼吸に、つらくおもいながら。
「また、おとくいのじぶん勝手だな」そうわかっていても、いさせてくださいな。
こんやだけは。