二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡購入時にチェックしなければいけないこと。その6、木部

2011-06-24 07:12:26 | ■工房便り 総合 
最初に、前の項で書いた、胴を後ろからのぞいて、皮に一部ぴかっと光るところが有ると言う話ですが、

これは周りの人に言われ訂正します。

分かりにくいそうです。

確かに、多少蛇皮には、部分的に多少弱いところや強いところが有ります。

鱗と鱗の間に、微かですが弱くなるところもあります。

そのようなところは、かなり明るく見えます。

ただしこれは慣れないとわからないみたいです。

ですから、皆さんにはっきりとわかるくらいの穴ですと、表から見ても分かりますから、前の文章は取り消しさせてもらいます。

表から見て小さな穴がいていないかどうかの確認は、購入時に必要かもしれませんが、

さすがにこれはあまりないようです。

さて、皆さんにすぐわかることの一つに、木軸のぐらつきというのが有ります。

これはかなりあると考えて良いと思います。

このことはけして生産者や、販売者が悪いわけではありません。

木の糸巻きは、円錐形に削ってあります。

棹の円錐形の穴にぴったり入るように削って有るのですが、

元々は四角い木を削るのです。

ところが木は必ず、乾燥して歪みます。

ですから、本来なら円形の断面でなければいけない物が、楕円になったりもします。

当然隙間ができて、ぐらぐらすることも多いのです。

バイオリンの糸巻きは黒檀でできている物がほとんどです。

これは必ず歪んで数年に一度は削り直すのが当然のこととされています。

二胡の場合も同じです。

中国で生産されてすぐに来るのもあるでしょうが、数カ月も、数年もお店の中において有る物もあるかもしれません。

ましてやお店の中は必ずエアコンが効いています。

間違いなく、木は縮みますから、かなり木軸がぐらつくのも多いと思います。

木軸がぐらつくと、

空弦を弾いたときに、音が割れます。

千斤を沢山巻くと直ることもありますが、これはなるべく削り直した方が良いと思います。

もしあなたが、何処かのお店で、気にいった音色の楽器を見つけた時、空弦だけが、へんに音の割れを起こす物が有ったら、

まず第一に、この木軸のぐらつきを疑いましょう。

お店の方に言えば、直してくれることもあります。

この時、もしお店の方が直せないというようでしたら、そのお店の保証と言うのを疑った方が良いと思います。

ましてや、木軸のぐらつきが問題ないというようなお店は、かなり信用し難いですね。

先生から購入したときには、これは仕方ないですね。

殆どこれを直せる方はいないと思います。

その時には、光舜堂に持っていらしてください。削り直します。

このことはいずれどの楽器にも、必ず現れる現象です。

木軸は、削り直しが当然なのです。

バイオリンの業界を見てください。メンテナンスやさんが世界中にいます。

二胡もそうあるべきでしょう。

西野和宏


Comment    この記事についてブログを書く
« 前の記事へ | TOP | ヴァイオリンいじり、まずは... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合