以前、このブログで紹介した『「里」という思想』と一緒に買ったのが、同じ著者の内山節さんが書いた『怯えの時代』です。
『里』の方を先に読み始めて・・・『怯え』のほうはパラパラと捲っただけだったのですが、今回の大震災や原発事故の惨事を目の当たりにして改めて読み直してみました。
近代社会は資本主義・市民社会・国民国家で成り立っている。そして資本主義は自然が無限であると信じ込ませながら成長のみを目指し、市民社会は地域社会をぶち壊して個人主義の社会になり、この個人主義からなる社会システム・国民国家を作り上げて来たのだと・・・
しかし、資本主義を支えてきた巨大科学技術や巨大社会システムが上手く立ちゆかなくなってきて、さらには人間の手では制御不能になって来ているのではないだろうか・・・自然は無限ではないし、自然は恵みだけではなく災禍ももたらす。人間はこの両面を分かっていたはずなのに・・・
そして今度の震災で、現代文明が作り上げた最先端の科学技術が制御不能に陥ってしまったのである。これが、「怯え」の象徴なのだろうか・・・
この先、今までと同じように再び生産力や市場の回復を目指すのか、それとも自然に対して今少し謙虚になって人と人、人と自然が手を結びあう「連帯」の道をとるのか・・・今なら、この本をさらさらと読めてしまう・・・そんな気がします。
「怯えの時代」著者:内山節、新潮選書、価格:1050円(税込)
にほんブログ村ランキング」に参加中です。ランキングをご覧になる場合は文字またはバナーをクリックお願いします。
(現在の参加カテゴリーは、「自然観察」・「渓流釣り」・「鮎釣り」です。)
にほんブログ村ランキング

ポッチとクリックお願いします。