趣味はいろいろ変遷する。
切手、コイン、テレカ、の収集。これはいつか途切れていた。
スポーツは陸上、バドミントン、アーチェリー、乗馬、ゴルフ、スカッシュ、マラソン、水泳、と変遷した。
音楽はコーラスサークル、UFOサークル、クラフト工芸、をかじった。
学業は特に得意な種目はなかった。こう振り返って見てもいろいろかじってみたものの一つとして長続きして得意種目と自覚できるものはなかった。
兄が先日大学を退官するに当たり、生まれてから退官するまでの65年間の思い出を綴った手記を送って来た。20ページに亘る紙数だった。
兄は学業が得意種目だったようだ。小学校以来オール5で通したようだ。東大も文科1類に現役で合格した。英語、仏語、ロシア語、アラビア語、ハンガリー語を学び英語は通訳の資格も得ていた。同大大学院で博士号も取得している。
神田外語で英語の講師、某国立大学で教授の地位も得た。学類の長で退官する。
膨大な学術業績、世界を旅した軌跡。数多くの学術上の知己を得ていた。多くの交友仲間に同様な文書をメールで配信していた。
小生は兄弟ではあるが退職を期にここまでの自身の業績を記録に残そうと思うことは無い。
4年前に退職したが、36年間のサラリーマン生活で記憶に残る事は殆んど無い。
記憶にあるのは一番初めに記載した「趣味の遍歴」だ。仕事上の業績は何も無い。記憶に残る思い出も少ない。辛い思い出は忘れようと本能が働きかけるようだ。記憶に残らないのだ。かくして36年ものサラリーマン人生の記憶はほぼ何も記憶に残らなかった。生活の糧として不得手な仕事で終始したのだろう。
趣味は楽しい。自分で活動資金、時間を工面してその時を過ごす。何が自分に取って向いているかは続いている種目である程度わかる。
技術系の趣味より体力系の趣味が得意の様だ。ゴルフ、乗馬、コーラスサークル、クラフト工芸はすぐに才能が無いことに気づいた。マラソンは足を痛めるまで16年続けられた。水泳、ジムスポーツは20年続いている。UFOサークルは解散してしまった。
こう書いてきて人生80年時代、60歳で退職しても20年ある。あとの20年をいかに生きるかが大切と思う。
「地域活動」にデビューして5年目だ。こっちの方面は学業面、仕事面での不得手記憶を取り払う活動が出来ている。
自分の得意分野であってほしい。さすれば地域活動を引退する時に兄の様な「業績のふりかえり」の手記が書けるのかもしれない。
人生は一度だけ。記憶に残る活動。それも楽しい活動を続けたい。生活の糧では無いのだから。