しるしのないカレンダー

定年退職した自由人のBLOGです。庶民の目線であんなこと、こんなこと、きままに思ったことを書いてみたい。

返せない奨学金

2013年02月27日 | Weblog

独立行政法人「日本学生支援機構」は前身の「日本育英会」当時貸与した奨学生を含めると累計で「約936万人」もの学生に奨学金を支給し、教育の機会均等、及び人材育成に貢献してきた。

ここへ来て問題が大きくなったことに「奨学金の未返還者の増大」が出た。

そもそも奨学生はどのくらい存在するかというと。

平成21年度実績は

○大学学部生及び短大生 は34・8%(2・9人に1人)

○大学院生 40・7(2.5人に1人)

○高等専門学校生 12.4%(8・1人に1人)

○専修学校(専門過程)生 30.2%(3.3人に1人)

これらの奨学金の返還状況をみると、平成21年中に返還すべき額「3983億円」に対し

「797億円」が未返還となっている。実に2割を超える率であり、延延滞人数は「約34万人」という厳しい数字が出ている。

機構の奨学金は、貸与が終了した後に返還が原則であり、その変換金は、ただちに後輩の奨学金に活用されるため、確実に返還する必要のある性格だ。

電話督促は平成21年度あけで約124万件に上っている。連帯保証人への督促も延滞3ヶ月目から行われている。

第一種奨学金(無利子貸与)で月3万円、5・4万、6.4万円

第2種奨学金(有利子貸与)で3万、5万、8万、10万、12万、となっている。

単純計算で4年間の貸与額は無利子でも「307万円」、有利子で「576万円」に上る。

平均3年~5年で離職してパートとなる「ワークングプア」が多発している現状。就職浪人、低賃金就職。返済にメドが立たない学生の姿は容易に想像がつく。

小生も就職して数年間、薄給から月々3~5万もの額を返済することの困難さは経験した。

数百万円もの借金を背負っての就職。結婚が遅れる事はこの辺の事情もありそうだ。

日本の奨学金制度は殆んど全額「返すことを前提とした制度」だ。

欧米は政府が保証人となって金融機関が貸与を行い、全学生の約5割が給付を受けている。米国の場合年額約220億ドル(約2兆6400億円)に上る。

授業料の安さ、奨学金の手厚さ、等政府の教育に注ぐ姿勢の違いが大きい。日本は世界に誇る医療保健制度は持つが、奨学金制度、教育機関に対する補助金率等従来あまり比較されてこなかった問題が注目されてきている。


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