転勤が決まってから怒涛の日々が始まった
姫さまを小学校に行かせるためにはどうしても
四日までに住民票を動かさなければならなかった
三月後半の連休で住居を決めて三日までに引越して
同時に小学校の入学手続きを済ませる必要があった
自分も奥さんも納得するような部屋は見つからなかったが
期限のある話であり、宮崎に移ったときのような幸運も
なかったのだから仕様がない
昨日、無事に姫さまの入学式を済ませた
川崎市の桜は今週が「満開」
桜吹雪の舞い散る中でちょっと大きめの洋服に袖を通して
姫さまは慣れない道を歩き出した
未だ見慣れない自宅の前での記念写真
真っ赤なランドセルを背負って歩く姫さま
その横をブラブラとついていく王子
我が家に新しい朝が来た
川崎と宮崎、なんだか似てるような感じがする
最大の違いは、人口と坂道だろう
丘を削り、谷を渡って電車か走っていく
王子にとっては大好きな電車がいつでも走っていることで
ずいぶん楽しいところのようだ
昨夜、最後の引継ぎのために宮崎空港に着いた
あたたかい風がこの身を包んでいた
五年間、こんなにあたたかい風に包まれて過ごしたのかと
思うとなんだか泣けてくる
相変わらず変な話ばかり溜め込んでいるので
引継ぎは大変で、皆に迷惑をかけてしまうけれど
できれば笑って宮崎を後にしたい
あぁ、片思いの彼女を残して転校していくような
無力感でいっぱいだ