Remains of The Accidents

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The Sounds of Silence

2019年10月12日 | 読書

Hello darkness my old friend
産まれし前の漆黒よ

I've come to talk with you again
相まみえんがため、また来たり

Because the vision softly creeping
けだし、かの影は音なく寄り来て

Left its seeds while I was sleeping
夢中にその種子を残さん

And a vision that was plated in my brain
爾後、残影脳裏に植えられ

Still remains with in the sounds of silence
いまだ静寂の音とともにあらん

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中学に入ったころから聞いている曲ながら、感覚的な解釈しかしたとことがなかった

60年代の曲であり、耳になじんだ響きだ

ただ、当時手に入れたレコードの翻訳で「やあ暗闇、ぼくの古い友だち」などとされ
ていたように記憶している

そんな日本語は聞いたことがない、少なくともなじまない
ここいらに現代翻訳の限界がある



中学生のときの教科書は「NEWHORIZON」で、1年生の初期には

 Hello Jane!  How are you?
 こんにちはジェーン、ご機嫌いかが。

先生も明石出身のわりに変な標準語で訳さなければならない
明石の中学生が友達に「ご機嫌」を訊くことはなく、肌になじまない教育だった

もし今どきの翻訳が少しNativeに近づき


 Hello, How are you?
 まいど、どないや

 I'm fine,thank you.
 ま、ぼちぼちやな おおきに

などとなっていれば幸せだし、外国語の壁は低くなるのだろうが
こんな訳を解答用紙に書いても、恐らく点数は稼げない


会話は肌を離れて存在しない
言葉は音を離れて伝わらない
これは普遍的なことだ


冒頭に書いた意訳は勝手な解釈であり、相当な誤訳であるが
英語であろうと仏語であろうと、詩には喩があり、韻も踏むもので
つまらないセリフの集まりではない

古来、漢詩を訳して伝えるさいに、先人はその音さえも大事にした
ことに比べると、現代の翻訳はあまりにも稚拙だ

インターネットで世界が拡がり中国語の音(韻)も簡単に聞くことが
できるようになると、その音の世界と言葉の世界がつながってきて
非常に興味深い

録音機も再生機もない時代に海を渡ってきた詩を大和言葉にアレンジ
しながら、意味と音を大事にしてきた

この才能は日本人の日本人たるゆえんかもしれず
大事にしていきたいものだ

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冒頭の訳に帰ると、なんどもこの曲を聞き返す中で
ふと、「暗闇」が母体にいる間の目を閉じた世界のことで
記憶にもないはずなのに、何故かしら誰もが「温かい」と
知っている、あの闇の中ではないかと考えた

そして、ひとは産まれ、泣き出したのちに目を開ける
そこから目にしたものは、常に脳裏に残され記憶となる

それより前に、何も知らず母親のお腹の中でやすらかに
聞いていた音こそが Sounds of Silence なのではないかと


ただ、この詩は続きがありこの部分の解釈とはつながらない
敢えて恣意的に記してみただけのもので参考にもならない







コメント
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