Remains of The Accidents

アクシデンツなページ

伊豆でしばし考えた

2021年08月25日 | 二輪の話

夏季休暇、九州への旅行を取りやめて一人で伊豆半島を周ってきた。

食事以外はだれとも接触せず、ただ黙々と約500km走ってきた。

伊豆は、随分以前にツーリングに行ったことがあるが、それこそ数十年前のことで
ほとんど記憶にない、ただ写真が残っていたのでその写真が記憶にあるだけだ。

大瀬崎には、一度家族でシュノーケリングに出かけたことがあるがそれより先は
初めてといってたよい場所だ。

西伊豆の海辺、断崖を結んでいる道を縫うようにSV650ABSを走らせる。

今回借りたSV650はまるでスクーターといってよい乗りあじ、3速にいれておけば
あとはスロットルの開け閉めだけで急峻な半島の道を駆け上がり、下ってくれる。

面白い単車ではない。ただ、楽な単車だ。

楽をしながらヘルメットの中では色々と考える。

自分自身の仕事にも、生活にもあまり「張り」がない。

張りはなくとも適当に進めるのだが、少し先のことを考えたりすることが空しくなってしまう。

丁度ここ10年携わっている仕事たちも、なにやら時代遅れのサービスを現代風に少し色を
つけて売っているだけで、最新のものに比べて全く劣後している。これをなんとか売り込んで
いこうとしている自分が滑稽に思えて、また記憶力の薄れた自分自身にもうんざりしている。

ここまでなんとか生き延びてきたけれど、ここから何をもって生きていくのか。

前日走った富士周辺の道は、昨年から何度も走っていて、このコーナーの向こうにあるのが
どんな景色かわかってしまい、走っていてももう新鮮味がない。少し道を外れて知らない
ところに進んでも、所詮山道が続くだけ。早々に飽きて宿に入ってしまった。

大瀬崎、戸田、土肥、松崎と単車を進めていく。コーナーの先は知らない道ばかり、駿河湾
の景色は素晴らしく、幸い雨にも遭わずに昼時には下田の街に着いた。

下田の街中、おそらくいつもの年であれば海水浴客でにぎわっているはずの駅前通りも
それほどの人出ではない。

昼食を摂って、また走り出す。

ここからは反転して東海岸を上がっていく。

いくつか隧道を抜けると展望台に出た。

上半身裸になって休憩している少年たちがいた。

いつも使っている自転車で半島を遠出してきたらしい。

真っ黒に焼けた体で展望台を出て坂道を下っていく。

くだらない冗談を言いながら、一人おいて行きながら、汗をぬぐいながら。

自分たちのツーリングも、仕事も、人生もあんな感じだったはずだ。

この隧道の先にあるものなど知らず、降りた坂道はいつか登ってこなければならないこと
など考えもせずに。

ただ、仲間がいて、一緒に汗をかいていれば、それで楽しかった。そんな暮らしだった。

 

 

 

河津からは七滝ループを登って、天城峠を目指して走る。

途中、旧天城隧道に行ってみようとしたが、途中から砂利道になり
扱いやすいといいながらも大型バイクでいくところではなさそうだ
ったので怪我をせぬうちに降りてきた。

あの少年たちなら、自転車を押してでも登って行っただろう。

登った先にただの暗い隧道があるだけでも。

それでも怖がりながら、大きな声を出しながらトンネルを走れば
いつか、なつかしい思い出話ができてしまうのだろう。

 

 


その後、浄蓮の滝まで降りてきて、SV650を停めた。

滝つぼに近づいて、その豊富な水量に圧倒された。

そしてしぶきを浴びながら、スマホで動画を撮ってきた。

動画でないとその迫力が伝わらないと思ったら、ふと考えが改まった。

あの少年たちも、今どきの少年たちだ。

もしかしたら、旅の記録をYoutubeに上げているのかもしれない。

彼らの時代の常識は、彼らのみの常識ではないはずだ。

自分にもこの時代の楽しみ方はいくらでもある。

 

コーナーの先に新鮮味がなくなった?
走り続けても空しくなった?

上等な単車、高価なカッパにプロテクタまで用意して、揃いすぎた装備、余裕のある日程で
走っていて何をほざいているのだ。

最後に気づいたのは、いつの間にか無理をしなくなった心の老化だ。
いつのまにか心が年を取ってしまった。

さて当面は、「できない。無理だ。」を許してしまう、この年老いた自分のこころと戦わな
ければならなくなった。

伊豆でふと考えたことだ。

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夏季休暇の合間に

2021年08月22日 | 川崎

木曜日まで夏季休暇としている。

元々は熊本から宮崎・鹿児島を回ってくる予定だったのだが、災害や感染拡大を考慮して
今回は見送った。

九州ツーリングを見送ったら台風が発生して九州に近づいている。くわばらくわばら。

このところの雨は凶器のように大地を削り取り、いつどこで災害になるかもしれない。

地球の環境まではわからないが、多くの方々が被害にあっているのには心が痛む。

東京はコロナ禍、ほかは大雨被害となりなかなか楽しいニュースは見られない。

 

さてさて、内視鏡検査は無事終了し、医師の所見は「異常なし」に終わった。

医師曰く「こうやって時々検査すると、もし病巣があっても早期発見できて対処できる
ものですよ」と。

確かに、もう60年近く使っている身体であればメンテナンスは大事だ。

ただ、大事にしてなにをするかがまだはっきりしない。

 

最近感じていることは、自分が人間関係をうまくつくれない人だということ。

家族や友人、仕事の同僚らに対する発言やふるまいについて、まったく配慮のない
ことが多い。その場で気づけばまだよいのだが、数時間後にはたと思い出しては
恥ずかしい思いに苛まれる。

できればこの先、人と交わらずに暮らしていきたいと考えている。
家族からも離れて、友人との縁も絶ち、一人黙々と暮らせればよいと思う。

山中に庵を結び、厭世的な暮らしができれば最高だと考えるようになっている。
実際に最近の至福の時は、早朝に一人でかけるウォーキング、ソロツーリングの
ヘルメットの中、ひたすら音楽を聴きながら妄想に耽っている時間だ。

妄想は止むところを知らず、思い出の曲とおぼろげな記憶を混ぜ合わせて
実に甘美な世界を作ってくれる。

大体、帰宅するときはいずれかの坂道を登ってくるのだが、坂道に差し掛かると
仕事のことを思い出し、家族の用を考え、経済のことが頭に浮かぶ。

子供たちが世間にでるまでの手当てはほぼほぼできているのだが、生活費まで
考えると、自分が独り家を出るには足らないようだ。

走り出せばなんとかなるのが世の中というものだが、なかなか難しいことも
事実であり、定年で仕事を辞する決心もつかない。

 

あと何年生きるのかわかれば逆算もできるのだが、今のところその予定もない。

実父は、60の坂を越さずに他界してしまった。自分もその坂に差し掛かっている。

どうやら、坂道に差し掛かると自分のこころや荷物の重さを感じていろいろなことを
考えてしまうのだろう。

リンゴだけではなく、このちっぽけな人間というものも地球と引っ張り合っている
ことに、ニュートンは気づいていただろうか。

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予定は未定の夏

2021年08月20日 | つれづれ



7月、8月と信州の高原に出かけてリフレッシュしてきた。

安房峠では一時雷雨に遭ったものの、そのほかは概ね天気に恵まれてきた。

この夏、本来予定していたのは次週のソロツーリング。

熊本空港まで特典搭乗券で飛び、市内からレンタルバイクで南九州を周ろうと予約していた。

ところが、各地でコロナ禍が拡大したことでよもや緊急事態宣言下にある関東からは、旧交
あたために行くことも憚られるようになってしまった。

ちょうど航空会社から予約便が運航中止したので別便に代わってもらいたいと連絡もあった
ことで、さすがに旅行を見送るのが常識だと考えた。

ここはキャンセルして時をあらためよう。

単車の予約も変えられたので、今回はまた近隣をソロで流すことにした。

さて、来週は近隣を走ることとして今週はというと・・。

実は大腸内視鏡検査を予約している。

今年の人間ドックで潜血があったことから推奨されたものだが、前回の同検査が宮崎時代
であり、既に10年以上経過しているので今回は見送らずに受診することとした。

腸をきれいにして検査を受けるまでなかなか大変なのだが、体のオーバーホールだと
考えて神妙に受診するつもりだ。

昨年の人間ドックでは胃部に腫瘍が疑われて病理検査となったのだが、こちらは特に問題
がないということであっさり終わった。

ただ、検査/試験というものはいつになく緊張するものだし、結果がでるまでの間は不安
も続くものだ。

ただ、人間も単車も時々点検することは大事なことなので頑張ろう。

ああ、あわせて心根もリフレッシュできればこんなに周囲の人間に疎まれないのに。
歳をとったものだな。

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家族旅行2021

2021年08月14日 | 子供たち

コロナ禍、緊急事態宣言下、旅行に出かけた。

理由も主張もなにもなく旅行に出かけた。

コロナ禍、緊急事態宣言といいながら家族の都合はなかなか合わない。

誰もエッセンシャルワーカーではなく、不思議極まりない。

職場もギスギスしている。仕事のパートナーが精神的に追い込まれて
いて、身内に牙を向けてくるので、困っている。

そんなこんなから逃げるように信州に向かうことにしたのだけれど
台風が三つも発生して、天気はままならない状況だった。

天気が悪くても涼しいところでのんびりすればいいといいながら
早朝、高速道路のゲートをくぐった。

コロナと台風で渋滞はなく、車は長い坂道を駆け上がっていく。

ACCを110km/hにセットして順調に甲府盆地に上り詰める。

勝沼を過ぎると、晴れ間が覗きだし、眩しい夏の光があふれだした。

わずかな晴れ間のうちに高原のパノラマを楽しもうということになり
車はそのまま原村から白樺湖をまわって車山高原に向かう。

真夏のリフトは初めてだったけれど、長旅の疲れを癒す景色が
拡がっていた。

頬を打つ風が冷たいほどで、爽快という言葉だけ。

山頂では新しく設置されたデッキで写真をとり、トンボを追いかけた。

長男がなかなかトンボがとれずいるので、トンボの採り方を教えておいた。

いつか君の息子にも教えてあげな。

子供のころ教えてもらったことは頭のどこかに残っていて、ふと浮かんで
くるものだ。

 

そのまま高原を散策、台風来訪だといいながら、不思議にここは晴れている。

長女の晴れ女ぶりがありがたく思える。

この子のイベントはいつも晴れている。

高原の散策の途中、先月のツーリングで先輩IDさんに教えていただいたカフェに
立ち寄った。先月は時間外で入れなかった景気の良いカフェ。

デッキの席に腰を落ち着けてメニューを見ていると、こちらは随分
昔からある山小屋とのこと、今も宿泊ができるそうで、見上げると
宿泊棟の窓が見えた。

おいしいコーヒーとお菓子をいただくうちに、霧が山を回り込んで
谷に降りてきた。

 

そろそろ空も我慢ができなくなっているようだ。

ホテルに引き上げて、食事までの時間はゆっくり過ごそうと向かった
のだが、このホテルでは屋内プールがあり天気は関係ない。

チェックインしてすぐにプールに向かった。

子供たちと三人で久しぶりに泳いだ。

まだバタフライができるかと問うと、息子がバタで泳ぎだした。

二人とも、スイミングスクールで一級まで進んだのできれいに泳ぎだす。

特に長女はフォームがきれいで手本になるほど。

息子は、どちらかというと力で進んでいくタイプだし、まず体力が
ピークに差し掛かる年齢なので早い早い。

プールから引き揚げて、車に忘れ物をとりにいったときに、清掃をされ
ている方に声をかけられた。

台風を嘆いたところ、夏場はなかなか見えないけれど、この駐車場でも
真上に天の川が見えるという。

天気次第だが、富士見台というビーナスラインの駐車場に行けばよけいな
街の明かりがなく、全天の星が見られるとおっしゃる。

夕食の飲酒を我慢して、星を見に行こう。決めた。あとは天気だけだ。

 

今回、晴れ女ひとりの力で奇跡ばかり起こった気がする。

なにせ見たことのない大きさの北斗七星、カシオペア、夏の大三角、
そして天の川が目の前に拡がった。

あー夏休み。

 

翌日は美ヶ原まで足を延ばして高原の風を楽しんだ。

 

帰路はビーナスラインを戻って女神湖でボート遊び、

地元のディスカウントスーパー「BIG」で甲州産の果物を仕入れたあと
帰路も渋滞はほとんどなく、スムーズに帰宅。

翌日、大きくて甘い桃を楽しんで、我が家の夏旅行は終了。
こんどはいつ行けるのか、行くのか。

 

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安曇野から乗鞍

2021年08月05日 | 二輪の話

7月の連休にツーリングにでかけた。

急なお誘いで自分はOKさんが自宅で保管しているBuellをお借りして参加。

前週、OKさんが単身先から帰宅された際に色々と教えていただいたのだが
慣れない単車に緊張しながら出発した。

感染拡大中とはいえ、夏休みシーズン、中央道の渋滞はすごくて慣れない単車にはきついと
考えて、東名御殿場ICから東富士五胡道路、みさか道を経由して中央道に抜けてみた。

最近、単身日帰りツーリングでこのあたりはよく通っているのでなれたものだ。

一宮御坂ICから中央道に乗ったものの、このままでは早くついてしまうし、八ヶ岳方面に
寄るほどの時間もない。

思いついて韮崎ICで高速道路を降りてR20に出たら、予想外にスローペースながら時間
とおりに諏訪IC付近のサイゼに到着。

久しぶりの集合ツーリング、諏訪ICで4台で待ちあわせして、まずは麦草峠。

旧知のお二方(OkさんとIDさん)と、OKさんのツーリング仲間NAさん。

 

蓼科の別荘地を抜けて、小海方面へ、折り返して蓼科スカイラインから白樺湖へ。

美ヶ原から松本市内に降りて宿泊地である安曇野に向かった。

 

翌日も朝から快晴、安曇野で少し土産物屋を覗いてから乗鞍にむかった。

奈川ダムから乗鞍に上がるともう昼時、今日はゆっくりしようといったとおり
山上の温泉に浸かってから昼食をとった。

 

 

おいしい蕎麦(茄子おろし蕎麦)をいただき、まったりしたあとで乗鞍をおりて
安房トンネルにはいる。

トンネルの中に「出口アメ」という電光掲示。

平湯側では激しい雷雨、さっきまでの好天がまったくウソのようだった。

少し間をおいてみたが、雷はなり続け雨も強弱を繰り返している。

今日の宿までは約5km、時間にして5-10分程度。

小雨になった瞬間をついて宿まで雨中走行、ちょっとトロいドカティが邪魔する中、
なんとかたどり着いて終了。あとは温泉に浸かってぐっすり。

 

翌朝、この宿で解散。自分とNAさんは関東、OKさんとIDさんは関西に帰る。

関東組は、NAさんがもう少し走って帰ると言われたのだが、なんだか単車に不安の
残る自分は早々に引き上げることとした。

結局、塩尻で給油するまでは会長に進んだものの、給油後はエンジンがかかったり
かからなかったり、とうとう塩尻北ICの高架下でSTOP。

結局、2時間ほど待ってレッカーで諏訪のハーレー店に移動。

結果的にはバッテリー端子の接続ボルトが緩んでいただけのこと、いろいろあったが
全くの軽傷につき、その後は渋滞を潜り抜けて帰宅の途に。

ただ、いつ止まってもよいように、わざわざ御殿場周り(Buellの面倒をみてくれる
バイク屋さんが御殿場とのことで往路の逆走)で帰宅した。

いろいろあったツーリングだったけれど、久しぶりのグループ走は楽しかったし
誘っていただいてありがたかった。

次回は自慢(?)のレンタルバイクででかけようと思い、契約を更新しておいた。

次はソロで日光から那須を走る。

 

 

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