冬がくる前に、紅葉で人込みに紛れてしまう前に、京都にいってきた。
本当は、奥さんと二人で行こうかと誘ってみたのだが、子供たちも行きたいといいたじたので家族ででかけることになった。
ちょうどJR東海ツアーズに「新幹線ずらし旅」というツアーがあり少し割引があったので11月3日で予約。
その後、長男は部活の大会で勝ち進み、このまま行くと試合の日に当たってしまうためにキャンセルとなってしまった。
奥さんと長女と三人で予約を取り直した。
万が一、長男が試合に負けて参加可能になっても日帰りの新幹線旅なので父がほかの席に行けばなんとかなるはず。
あとは天気だけが気になるところだ。
当日が近づき、長男のチームは勝ち続け、天気予報はどんどんよくなり、全て全快で京都に向かえた。
今回はそんなにスケジュールを細かく決めずに出かけた、うちの家族旅行はいつも欲張ってしまうので、のんびりしようという約束。
新幹線は三人横並び、背面からの朝日が眩しい中、どんどん西に向かう。
早朝にもかかわらず、ほぼ満員。紅葉にはまだ早いけれどずいぶんな行楽日和だから仕方ない。
父は元々関西に住んでいたわけで、京都もそんなに遠くないところだった。
初めて友人たちと京都を訪れたのは高校一年の12月、みんなの部活も冬休みとなり同じクラスの同級生2人に中学時代からの友人を会わせて年の瀬の京都。
さすがにもう細かいことは覚えていないけれど、写真では何度も振り返ったので、確か父は赤系のタータンチェックのシャツに黒いセーターを着ていた。
兄貴の白いコットンのコートを借りて、そこそこ高校生に見えたはずだ。
冬の朝、JR京都駅に着いたあと清水寺から知恩院を通り抜けて平安神宮の方まで歩いたはずだ。
疎水、哲学の道を通って銀閣寺まで歩いたのだが、よほど楽しかったのか距離のわりにヘトヘトになった覚えがない。
まだまだ昭和の真っただ中。前夜まで何度も何度も読み込んでいた小さなガイドブック。
なぜかしら嵐山の方ばかり読んでいて当日はあまり役に立たなかったけれど、その後も大事にしていた記憶がある。
なんど訪ねても京都はいい。
今回も、朝いちばんの平等院は修学旅行生で混んでいたけれど初めて目の当たりにして少し感動した。
その後、街中には帰らず東福寺で通天橋からの眺めを楽しんだ。
東福寺では特別拝観もあって普段は登れない山門の上にも上がれた。
その時点で昼を大きく過ぎていたので、京阪で四条まで移動昼食をとった。
時計は進んでいて、慌てて建仁寺へ。
昨日まで、奥さんが建仁寺にある「風神雷神図」が見られたらうれしいと言っていたので、はずすわけにはいかない。
しかし建仁寺は広く、いったいどこに所蔵されているのかから・・・そんなことを思いながら花見小路を経て建仁寺の境内。
やっぱり秋の特別拝観とのことで、本堂などに入れていただけると書いてある。
また、そこには「風神雷神図」もあるという・・・と思ったら、本物は上のにある国立博物館に収蔵されていると(笑)。
ここにあるのはキヤノンの画像技術を駆使したレプリカだというのだが、42億画素の精細な複製画像をち密な色合わせで再現したレプリカは本物以上に見えてしまう。
襖絵も複製されたもので、写真撮影もOKだと書いていある。
俵屋宗達の描いた風神は、おそらく改源の風の神さんとして有名だろう。
また、建仁寺は庭もよくできていて、〇△▢の庭というのがあった。
臨済宗建仁寺派の大本山、禅宗ならではの無駄なものを切り捨てたシンプルな造形が心に響く。
さて、日帰り旅なので少しでも京都に長くいようとして遅い時間の新幹線を予約してあるがまだ少しはやい。
それまでの間はどうして過ごそうかと思案していると、祇園の街角に東寺のライトアップのポスターが貼ってあった。
18時からであれば20時の新幹線には十分だ。しかも東寺は京都駅にすごく近い。
先に京都駅まで戻って土産物を買ってから、東寺に向かえばちょうどよいころあいになる。
少し並んで入場したものの、そんなに混雑はしていない。
きれいにライトアップされた五重塔が水面に映り、その方には月が浮かんでいる。
月を追いかけるように明るい星が浮かんでいる。恐らく木星か。
いずれにしても、闇の中でみる五智如来、五大菩薩、五大明王、それを守護するようにいらっしゃる四天王と帝釈天、梵天はなんとも魅力的な造形だった。
夕食を調達して新幹線でビールを開けるころには歩数も25,000を越して膝も足裏も疲れでつかいものにならなくなっていた。
特になにも考えずに出かけた日帰りの京都旅行。面白かった。