COVID19の影響で在宅勤務が増えた。改めて社内で指示が徹底されたからだ。
ただ、中には「在宅ではPCが遅くて仕事にならない」と言う人もいる。
では、どんな環境でPCをつないでいるのかとたずねてみた。
すると、二人の部下がモバイルPCに付属している通信を使っているという。
自分が、自宅の回線は使わないのかと重ねて尋ねると、一人は個人宅の回線使う
のは禁止だと聞いたからだといい、もう一人は自宅の回線も遅いのだという。
まず、自宅の回線使用についてはテレワーク推奨の中でルールがかわり、使える
ようになったことを教えてあげた。だが、「昨年同期入社の社員がシステム部から
自宅回線使用を注意されたことがあるのでやりたくない」という。
その後ルールが変わったと説明するのだが、耳には届かない。
これについては、この人特有の頑なな保守性あるいは何につけ文句を並べることで
ストレスを足していくクセがある人なので、相手するのはやめた。
もう一人については、気やすい仲であることもあって、「ちょっといいマンション
に引っ越したらいいんじゃない・・」と無用なアドバイスで茶を濁した。
そもそも大きな勘違いに気づいていない。時がたって忘れてしまったのだろう。
在宅勤務の拡大、徹底は感染拡大防止。通勤経路や外出先で感染しないための施策。
感染して得をするものは誰もいないし、早く感染を抑えて日常を取り戻すための協同作業だ。
回線が遅いとか早いとか、仕事がすすむとかすすまないとかは感染しない前提にたっての話だ。
前述の人(たまたま女性なのだが)、昨年四月には、別の言葉で私に苦境を訴えていた。
曰く、どうして自分は出社しちゃいけないのだ、ほかのチームのメンバーは出勤簿は在宅勤務と
しながら出社して仕事を進めているのに、ここでは厳禁とされていて理解できない、と言っておられた。
私にしては珍しく真顔で、「理由は一つだけだよ。感染してほしくないからということだけなんだ。」
と諭したが、聞き入れてはくれず、少し泣き出してしまった。ストレスが溜まっているようだった。
仕事がすきなのか、仕事が進められないと評価が下がるという恐怖心なのか、取引先の声が気になるのか。
あの頃、「「感染して初めて気がついた」では遅いんだ」と諭したことも、もう忘れてしまったのだろうか。
サトキマダラヒカゲという蝶。通称サトキマダラ、ほかにヤマキマダラもいる。
蝶との出会いは高校二年生、後輩として入部してきた人から蝶のイロハを教えてもらった。
彼は、その後某大学の農学部を出て、防疫関係の仕事をしている。文武両道の秀才だった。
この高校、在籍しているときはあまり気がつかなかったのだが、今から思うとずいぶん
色々なことを教えてくれる教師と先輩、仲間であふれていた。
自分のことは自分で始末しろ、自分のことができたら仲間の面倒をみろ、その後に
自分の道を探し出せ、と教えられた。(自治、協同、創造)
繰り返すが、当時は出来の悪い生徒で、なにもわかっていなかった。
あの頃の教師の歳になり、それを過ぎてようやく少しわかったような次第だ。
ただ、こんな環境になってあの頃の教えが浮かぶのも不思議なものだ。
感染が拡大することで生命の危機にさらされる人がいる、その人たちを救うために
労苦を強いられている医療関係の方々や公務に携わっている人たちがいる。
そのために自分が何をすべきか、あるはい何をすべきでないか。
それをわすれないようにしたい。