Remains of The Accidents

アクシデンツなページ

わすれてしまったこと、わすれないようにすること

2021年05月30日 | つれづれ

 

COVID19の影響で在宅勤務が増えた。改めて社内で指示が徹底されたからだ。

ただ、中には「在宅ではPCが遅くて仕事にならない」と言う人もいる。
では、どんな環境でPCをつないでいるのかとたずねてみた。

すると、二人の部下がモバイルPCに付属している通信を使っているという。

自分が、自宅の回線は使わないのかと重ねて尋ねると、一人は個人宅の回線使う
のは禁止だと聞いたからだといい、もう一人は自宅の回線も遅いのだという。

まず、自宅の回線使用についてはテレワーク推奨の中でルールがかわり、使える
ようになったことを教えてあげた。だが、「昨年同期入社の社員がシステム部から
自宅回線使用を注意されたことがあるのでやりたくない」という。
その後ルールが変わったと説明するのだが、耳には届かない。

これについては、この人特有の頑なな保守性あるいは何につけ文句を並べることで
ストレスを足していくクセがある人なので、相手するのはやめた。

もう一人については、気やすい仲であることもあって、「ちょっといいマンション
に引っ越したらいいんじゃない・・」と無用なアドバイスで茶を濁した。

 

そもそも大きな勘違いに気づいていない。時がたって忘れてしまったのだろう。

在宅勤務の拡大、徹底は感染拡大防止。通勤経路や外出先で感染しないための施策。
感染して得をするものは誰もいないし、早く感染を抑えて日常を取り戻すための協同作業だ。

回線が遅いとか早いとか、仕事がすすむとかすすまないとかは感染しない前提にたっての話だ。

 

前述の人(たまたま女性なのだが)、昨年四月には、別の言葉で私に苦境を訴えていた。
曰く、どうして自分は出社しちゃいけないのだ、ほかのチームのメンバーは出勤簿は在宅勤務と
しながら出社して仕事を進めているのに、ここでは厳禁とされていて理解できない、と言っておられた。

私にしては珍しく真顔で、「理由は一つだけだよ。感染してほしくないからということだけなんだ。」
と諭したが、聞き入れてはくれず、少し泣き出してしまった。ストレスが溜まっているようだった。

仕事がすきなのか、仕事が進められないと評価が下がるという恐怖心なのか、取引先の声が気になるのか。

 

あの頃、「「感染して初めて気がついた」では遅いんだ」と諭したことも、もう忘れてしまったのだろうか。

 

 

サトキマダラヒカゲという蝶。通称サトキマダラ、ほかにヤマキマダラもいる。

蝶との出会いは高校二年生、後輩として入部してきた人から蝶のイロハを教えてもらった。

彼は、その後某大学の農学部を出て、防疫関係の仕事をしている。文武両道の秀才だった。

この高校、在籍しているときはあまり気がつかなかったのだが、今から思うとずいぶん
色々なことを教えてくれる教師と先輩、仲間であふれていた。

自分のことは自分で始末しろ、自分のことができたら仲間の面倒をみろ、その後に
自分の道を探し出せ、と教えられた。(自治、協同、創造)

繰り返すが、当時は出来の悪い生徒で、なにもわかっていなかった。
あの頃の教師の歳になり、それを過ぎてようやく少しわかったような次第だ。

ただ、こんな環境になってあの頃の教えが浮かぶのも不思議なものだ。

感染が拡大することで生命の危機にさらされる人がいる、その人たちを救うために
労苦を強いられている医療関係の方々や公務に携わっている人たちがいる。
そのために自分が何をすべきか、あるはい何をすべきでないか。

 

それをわすれないようにしたい。

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海のそばで

2021年05月23日 | つれづれ


月末の予約を変えて伊豆にいってきた。

天気に恵まれて早朝、レンタル拠点を出発。

いつもどおり夜明けとともにMT-09にまたがる。

今回は、まず第三京浜から西湘バイパス経由真鶴で忘れ物を探すところから。

その後、R138で湯河原、熱海の喧騒をやりすごし、宇佐美という湾に降りてみた。

波もおだやか、温かい砂浜で楽しそうに親子が遊んでいる。

 

この海岸から江戸城の石垣に用いる石を運び出したという。

いまは穏やかな春の海辺、のんびりと休憩する。

以前と違って仕事に追われることはないが、年齢とともに違う形でストレスはやってくる。

ストレスを消化する唯一の方法は「楽しむこと」、楽しいことをしているときに脳はストレスを消してくれるのだそうだ。

最近の月に二回のツーリングはこのもやもやとしたストレスを消してくれているようだ。

「何が楽しいのか」と問われることも多い単車行。

昔は友人や先輩たちと適当な距離感を保ちながら目的地に出向くことやその道中の話題やハプニングを楽しんでいた。

いまは、ただ何も考えずに風を受けながら、普段見慣れなくなった景色を楽しんでいるだけだ。

 

 

単車に乗りながらではなかなかうまく手持ちの曲も聞けないのだが、シャカシャカと聞こえてくるメロディーと風景がかさなり、思い出がシールドのはるか先に浮かべば脳はストレスを消し始めてくれる。

速度を上げることもなく、ただ風を感じて進んでいく。

 

はじめて単車に乗って走ったのも明石のR28、神戸市の端っこから国道フェリーを経由して淡路島につながる道。

明石海峡大橋が懸かってからフェリーは廃止、海岸は埋め立てられてしまったが、あの頃は国道のすぐとなりが大蔵海岸だった。

初夏の海岸道路を原付スクーターで気持ちよく走ったものだ。

東伊豆を下っていったのだが、あまり進んでしまうと返却時間に間に合わなくなってしまう。

少し余裕をもって伊豆スカイラインに向かう。

冷川ICに近づくにつれ、そういえば亡くなった同僚の墓がこの近所だったなどと思い出した。

少し遠回りだが寄ってみよう。彼の実家で墓の場所をきこうとしたが人気はなかった。

たしか自宅から山を少しのぼったところに埋葬すると聞いていたのだが、結局そこはわからずじまい。

ご近所総出で田に水を引き田植えをしておられたので声をかけてみようかと思ったのだが
その勇気も時間も持ち合わせていなかった。

 

 

自分には墓はいらない、つれあいや子供たちが必要というなら埋葬してもらってもよいのだが

墓にはいるわずかな骨以外のものは捨てられているのも事実なら、手間はかけなくてよい。

あと何年生きていくのかわからないが、こうやってシールドの向こうの思い出たちと生きていくのか
リアルな世の中に楽しいことが起こるのか、まだよくわからない。

ただ、家族や旧友に依存しないで一人で生きていくことだけが大事なことだ。

母親の体から出てきたときから、結局一人なのだから。

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自分の居場所

2021年05月09日 | つれづれ



緊急事態宣言も出て連休中、ほとんどどこにも行かずじまい
運動不足にならならないよう、毎朝自宅近辺をウォーキングしているが
まだ一日平均1万歩に届いていなかった
6日は平日ながら休暇にしていたので、あまり「密」にならない想定で
真鶴半島に歩きに行ってきた
自宅から私鉄を乗り継いで小田原、小田原からはJR東海道線、約2時間



町役場を経由して、街中を歩き、岩インターを横切って真鶴港の方に
どこも人影はなく、ただ潮の寄せては返す音だけが聞こえてくる
たまに見かける釣り人も連休中とは思えない数に限られている



港の神社を詣って、遊歩道から坂道を登り、岬の先端に向かってみる
用事があるわけでもなく、確たる計画があるわけでもなくただずんずんと歩いていく
岬のドン付きには「三つ岩」という景勝地があり、そのまま半島沿いの遊歩道を進んだ

昼飯の問題をどうするか、13km歩いた中、後半3kmはそのことを考えていた
確か、岬の入口にある魚屋さんのアジフライがおいしかったはず
それにしよう
お店に立ち寄ると一つ250円の高級アジフライを2個購入、コンビニでチューハイも仕込んで
平日昼間の城址公園で昼食を摂った

よい気分で駅に向かったのだが、あれあれ足が疲れて痛みはじめてきたので
そうそうに東海道線から小田急とルートを遡って帰宅した

帰宅して荷物を確認したところ公園で着替えたシャツを忘れてきた
あまり居場所のない男に真鶴の神様が「もう一度来い」とのメッセージをくれたのかもしれない



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