Remains of The Accidents

アクシデンツなページ

夏休み

2010年08月16日 | つれづれ
家族がいない週末を過ごした
普段いろいろと子どもの世話ばかりしているのでひとりになると新鮮で
たまのことであればこんなに暑くてけだるい夏の日もよいと思った

きつめに冷やしたスパークリングワインで少し酔った頃に、古い友人からの
同窓会の誘いがメールで届いた
もらったのは高校の同窓会だが、酔った頭は中学生のころの夏休みを思い出した
JITTERIN'JINNの「夏休み」など聴いてみて、つかの間のノスタルジーにひたってみる

明石は海辺の街で、どこにいても潮の匂いがする
お盆までは毎日のように友人たちと海にでかけた
海水浴場なんかではなく、友人の家の前にあるテトラポッドの上から飛び込んでいた
「遊泳禁止区域」だったが、気にしたことはなかった
自分で研いだ「ヤス」を手にコチやカレイを突き、磯に潜ってはウニを採った

お盆を過ぎて海にクラゲが増えだすと、部活もない僕たちは播但汽船の船着場
近くの雑居ビルにあったゲームセンターにたむろしていた
管理人の目を盗んでは電子ライターの着火装置でインベーダーゲームの機械を
狂わせてただで遊んでいた

夕方になると、犬の散歩をだしにしてクラスの女の子たちと集まったりしていた
海辺に近いマンションの屋上で夜景を見ながら話していた
高校に行けるのか行けないのか
どう考えても幸せになりそうにない将来のこと
そして小さな小さな夢について語っていた

1978年 街にはやたら矢沢永吉の「時間よとまれ」が流れていた

もうその頃の友人たちと会うこともなくなった
誰がどこにいるのかさえ知らない


今年の夏、子どもたちをつれてその海で泳いだ
テトラポッドの海岸は、埋め立てられてきれいな人口浜になっている
あの頃の面影は対岸に見える松帆の海岸線だけだ
あの海辺の街でずっと暮らしていたらどんな人生だったろうか

同窓会の知らせを見て少し考えた

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【読了】 空をつかむまで  関口尚

2010年08月16日 | 読書
それぞれの悩みを持つ3人の中学生がトライアスロンに挑み
挫折し、立ち直り完走する物語
主人公/優太は、小学校時代からのサッカー選手だったが
原因不明のスランプに落ち込み、周囲から消えたかように
中学生活を送っている

そんなに読了感のある作品ではなく、3人の背景にもまた
月並みに少々の社会的背景を重ねているが、物語の上で
どんどん乗ってくるようなグルーブ感もなく、容易に想像
のつく結末に進んでいく
「パコと魔法の絵本」のDVDを観て、好感をもって手に
とったが、本作にも少々の演出が必要か



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【読了】 兄弟 なかにし礼

2010年08月06日 | 読書
98年の作品、直木賞候補となった

自伝的小説なのか自伝なのかわからないが
直木賞候補ということであれば小説なのだろう
(そもそも小説という定義がわかっていない)

先に満州からの引揚話である「赤い月」を読了
しており、その書評から本作はいつか読もうと
決めていた

「赤い月」の主題が実母の人生であれば、本作
は実兄の話といえる
ストーリーは重複するものの自分自身に大きな
影響を与えた二人を描写しきることで自伝とし
たものではないだろうか

日本という国が実際に戦争という愚かな行動に
出た結果、その片隅で翻弄され続けた家族がい
て、その傷は戦後65年経過した今でも形を変
えて残っているということか




今日は広島の原爆忌

あのとき、8月6日に新型爆弾を投下されたの
だが、それでも戦争終結を選べなかった結果
9日に長崎でも惨事が起されることとなった
ただ、あの頃の情報伝達速度を考えれば長崎の
9日投下は最後通牒としていかにも性急であり
米国が戦争終結以外の実験的な意思を持ってい
たことは確実だ

戦争という名の下で想像のつかない愚行が行わ
れたことは必ず記憶に留めなければならない
たった一つの目的「二度と愚行にはしらない」
ということのために

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【読了】 四月になれば彼女は 川上健一

2010年08月05日 | 読書
April come she will.

PaulSimonの作った歌詩を主題とした自伝的小説

もともとの歌詞とメロディーはなんとも情景的なもので
美しい四季の流れと彼女のこころの変遷を重ねている

青森の春先だけの物語であり、直接的な歌詞との関連は
見受けられない
強いて云えば、三月という時期だけだろうか

青森の雪どけ、泥にまみれながら社会のうずを見始める
青年のモラトリアムと旅立ち
少々武勇伝の感は否めなく、椎名誠と比べてしまうのは
小生だけだろうか



原詞では最後に
A love once new has now glown old.
と閉めている

実のところ、最近はこういう青春物に弱い

A man once young has now glown old.

身体中色んなところに「老い」を感じて弱気になっているのだろうか


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【読了】 眉山 さだまさし

2010年08月05日 | つれづれ
幻冬社の書籍、「精霊流し」「解夏」ともに読んでいないが
少し気になっていたのでBOにて購入
帰省の間にささっと読了したが、大して何も残らないままだった

情景は浮かぶものの大きな主題はなく
ストーリーとしてはありふれている感は否めない

もともと彼の作品(詩歌)は嫌いではないが
少々ドラマ仕立てが大げさであり、日常の裏にあるどうしようもない
真実に踏み込んだものを感じない

売れたわりには??というところか
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