本当は一刻も早くそばに行って、ずっと見守ってあげたい
けれど自分よりも大事に思う人がいて
自分は邪魔をしないように少し離れてみている
動物は生まれた瞬間に死ぬことを運命づけられる
風に飛ばされる小さな蜘蛛も
華麗に舞うアゲハチョウも
生まれたからには死から逃げられない
一昨日、20年ほど前に交通事故に逢い
生体反応のほとんどを失っていた会社の先輩がなくなった
当時、小学生と幼稚園の男の子2人を抱えて
奥さんはがんばってこられた
その20年は容易に想像がつかない
死の直前で踏みとどまった命
懸命に支えた家族の力
どんな人生だったのか
生きていてよかったのかどうか
誰にも判らないはずの答えを探してしまう
自分の大事なひと
これ以上、苦しんでほしくはないけれど
遠くに行ってもらいたくはない
死ぬことだけが生き物すべてに平等に
約束されていることだとしても