今日はいつになくよい天気だ
朝から所用で姫路まで電車に乗っているが
六甲の山々も、須磨の海岸も、明石の海も輝いている
この季節、温かい陽を浴びた海のことをこの辺りでは
茅渟の海という
少年時代、春休みに何もすることがなく
親は仕事、姉と兄は部活に出てしまうと独りで暇をつぶす
あまり暖かいと海岸に出てテトラポットの上で昼寝してみたりした
春の海 ひねもすのたりのたりかな
ほとんどの日々は友人たちとソフトボールをしていたが
海岸で昼寝するのも好きだった
海岸にあきたら自転車で近隣の街を探検しにいった
舞子や垂水の奥、普段はまず行かないところにもでかけた
西区玉津の方にも足を延ばした
たまたまこんな良い天気に故郷の海をみて、そんなことを思った
週末に姫さまに癒されて、王子の活躍を楽しんで月曜日を迎える
いつもの新幹線は午前6時11分発ののぞみ99号
月曜日はほぼ満席となる
名古屋以西に向かう単身赴任者か長期の出張者が多いようだ
なぜかしら車内には倦怠感ばかり漂って、なんだかみんな疲れている
金曜日の夜、缶ビールをすこし傾けているおやじたちに比べて
やけに疲労感があるのは、今週も待っている仕事なのだろう
そして自分もいまはその中にいる
若かった頃には切望した関西勤務もこの歳になり家族ができては
大迷惑だ
せめて、重い仕事は簡便してほしい、先は見えているのだから
大阪に単身赴任となつてそろそろ一年になる
ただ、あんまり大阪にはいない
大阪・神戸と九州を担当している関係でやたら九州にいることか多い
思えば、去年の今頃にいやな予感がしていた
なぜ単身赴任なんてことを容易に認めるのだろう
家族と離れるなんて大変なことだ
一方で、子育て支援だとかなんとか、育休だとかなんとか
働き方見直しだとかなんとか
そういいながら
家族と離れて暮らしてみて
家族の大切さが身に染みているのも事実だ
やはり家族は愛おしい
自分には家族が二つある
自分を育ててくれた家族と、自分が育てる家族だ
今回の単身赴任は、27年ぶりに自分を育ててくれた家族に
近いところに住むこととなった単身赴任でもある
25歳で家を出たとき、父親が死んだぱかりで気落ちしている
母親を残して出て行ってしまった
当時、母親は56歳
今の自分とそんなにかわらない歳だった
いま、母親はあまり会話もできず体も思うように動かない
そんな母親を見るのがつらい
一方で、自分の育てている家族は日々楽しい話題を送ってくれる
娘は最近、ビミョーな目線で父を見ていて難しいキョリからアプローチ
してくる
でもやはり、娘というのはいつまで経っても愛おしい「こータン」だ
天真爛漫のふるまいに一喜一憂していた頃がどこか心の隅に残っている
「てーぽんっ!」って云われると何でもOKだ
息子は、力が入ってしまう
(この間の試合の三塁打、軸ができてるかな)
娘には「ガンバレ」といいながらどこかで「無理するなよ」と云ってしまうけど
息子には何も云わずに心の中で「まだまだ行けるぞ、もっと行けるぞ」と言って
しまう
そして、結果を見せてくれると娘も息子も宝物に見えてしまう
この子達のために苦労するならやら
やらない選択肢はないなって思ってしまう。
そして、奥さんには
彼女たちのいろいろなこと任せてしまってゴメンね
本当にいろいろとやってくれてありがとう
自分は、本当は貴方といっしょに、家族といっしょにいたいよ
世界中の誰よりきっと貴方に感謝してる
と伝えたい