Remains of The Accidents

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今年の夏ツーリングは四国

2024年09月22日 | 二輪の話

毎年、夏季休暇をとって2度ほど旅にでる。

一つは家族の旅行で、こちらは子供たちも大きくなったのでそろそろ終わりになる予定。

もう一つは恒例の夏ツーリングだ。

実は今年は行きたい場所があって、ひとりで行くこととしてホテルを予約していた。

レンタルバイクの強みは東京からずいぶん離れた場所でもツーリングを計画できること。

今回は、福岡空港でバイクを借りて、そのまま糸島から平戸に回ってみようと考えていた。

この方面は、関西からも関東からも遠方で、移動時間が半端ないはずなので
誰かに声をかけても同行は無理であろうと考えて一人で行こうとしていたのだ。

博多はもともと好きな街の一つで、今は同期で入社したうち二人がこちらの営業部に勤務している。

なので最終日は博多で彼らと飲むのもよいかと考えていた。

ただ、もともと行きたかったのは唐津の先にある鷹島という島。

ここには仕事で知り合った方がいて、電話で話しているときに「よくオートバイの方が来られますよ」と言い
風光明媚の島として認識している。

島には橋がかかっていて単車であれば、博多からそう遠いところではない。

また、島から平戸方面にはフェリーもあるようで、こちらも是非乗船してみたいと思っていた。

 

そう計画していたところに芦屋にいるi先輩から、連休にどこか行かないかと声がかかった。

いつものメンバーはそれぞれ予定が入ってしまったようで、こちらに声をかけていただいたのだろう。

明石にいる友人(この友人とはGWに紀伊半島を回った)にも声がかかり、特に予定なく同行可とされていた。

となれば自分の予定となるのだが、さすがにレンタルバイクは少々コストもかかるので、2回のロンツーはしんどい。

どちらか一方を選ぶとすれば・・・せっかく声をかけていただいた方を優先すべきかと考えた。

ちょうど大阪の取引先から打ち合わせの依頼があり「リモートでもよいが、できれば実面で」とされたので
東阪の旅費も工面できたので、大阪からロンツーにでることとした。

 

3連休なので両親の墓参りもできる。

日頃、なかなか墓参りにも行けぬのだが、今年は母親の命日前後に長男を連れていけたので
秋はいいかなと考えていたが、やはり実の父母なので、機会があれば参っておきたい。

いろいろと条件も整った。さて、どこに行こうか。

先輩たちは特に希望はないようなので、以前計画して却下された淡路・四国の旅を申し出た。

淡路SAで待ち合わせて、そのまま南下して鳴門から四国、四国にはいったら反時計回りで
南国市経由で室戸岬をまわってみることとなった。

なかなか距離のあるツーリングだが、観光の目玉がない。

さてさて、祖谷のかずら橋など立ち寄ってみようか・・・天気次第だなと。

実際には、直前に台風が発生。台風自身ははるか中国の方に流れて行ってくれたのだが
周辺の湿った空気が四国山地にぶつかって大雨となる予報。

観光などする間もなく、ひたすら宿に向かう旅となった。

当日の宿は、室戸市の「MUROTO BASE55」という公営のグランピング施設。

天気がよければ星空の下でBBQ、疲れた体でどっぷりと眠れるはずだったが
雨模様のなか、湿ったライディングシューズでうろうろすることとなり、なんとも気持ち悪い。

BBQの最中に雷がなり、大雨となった。
そのまま明け方まで雨音が途切れることはなかった。

BBQ自体は楽しくて、いろいろ思い出話を重ねて「よいこともわるいことも全て面白い話」として
盛り上がった。

翌朝、激しい雨音で目覚めたが、いつも通り少し早すぎる。

寝床でスマホを使って情報収集しながらずるずると過ごしていた。

その後は、皆目覚めたものの、この天気ではやる気も起こらないので、チェックアウト
時間までここにいて、天気の隙をついてでかけることとした。

朝食を摂って、ゴロゴロしていたのだが10時を過ぎて雨が止んだ。

このチャンスに出発することとなり、急いで支度を整えた。

宿泊費を精算して、単車に荷物を載せた。

いざ出発のはずだったが、先輩が出てこない。

友人が無線で「iさん、足で漕いでるで」と伝えてきた。

どうやらエンジンがかからないようだ。

iさんの話では、バッテリーが上がっているようだと。

昨夜の雨で電装系がやられたのではないかと心配、目の前の坂道で押し掛けしてどうかと
いろいろな案を出していたら、宿のひとがバッテリーケーブルを持っている人を呼んでくれた。

幸い雨は上がったままだ。少し待っていると軽自動車の方がこちらに寄ってきてくれた。

ただ。ケーブルをつないでも少し唸るだけで、エンジンはかからない。

軽自動車のアクセルをふかしてもダメだ。さすがにメンバーの表情が曇りだす。

今度は、軽自動車の方がレッカー車のある自動車屋さんに聞いてくれるという。

こういうホスピタリティは本当にありがたい。

間もなく整備業の方が来てくれのだが、一向にエンジンはかからない。

仕方なく保険会社にも連絡して、レッカー車を手配するのだが、バッテリーを変えれば
解決するという確信はなく、保険の保証距離である徳島市内まで運んで治るものかどうか
判らず、いろんな方法を検討した。

 

結果的に、先輩が別に加入していたレッカーサービスであれば、時間はかかるが購入した
店まで運べるということがわかった。

そして、レッカー車が来るまでの間は鍵とともにこの宿に単車を預かっていただいて
引き渡しててただけることとなった。

やどの方の好意てせ、事務所のスペースに単車を入れさせていただきようやく出発。

本当にありがたいことで普通なら考えられない対応だ。

この宿にはもう一度天気のよいときに伺おうと思った。

 

さてさて、単車を預けたあとは自分のレンタルバイクにi先輩を乗せて雨模様の道を
鳴門の宿を目指して走り続けた。

昼食は、雨雲が少し緩んだ日和佐のお好み焼き屋「天花」さんというところで焼そば。

腹を満たしたら、また走っていくだけ。紀伊水道に面した風光明媚なサンロードも今回は見送り。

小松島から徳島、市内の混雑を避けて高速道路でそのまま鳴門北ICまでは高速道路。

2日目の宿はi先輩が手配してくれた渦潮を見下ろせる絶景の宿。

鯛づくしコースということで、美味しいお刺身などをいただいたが、雨模様の中で久々の二人乗り
高速道路で二人乗りというのは初めての経験で疲れていたのか、なんだか食が進まなかった。

鳴門大橋のたもとに位置するこの宿は、渦潮の鳴門海峡を眺めながら入浴できるお風呂も気持ちよく
本来ならば、得意の朝風呂に浸かってゆっくりするのだが、連休最終日はお墓参りの予定。

レンタルバイクも9:30までに返すことになっている。

前日のうちに、自分だけ朝早く出てしまわなければならないことを詫びた。

先輩は二人乗りで帰るしか方法がないので付き合っていただけるという。

あとの友人も早朝発は全く苦にならないとのことで、結局夜明けごろに揃って出立することとなった。

いつも自分のことばかり優先となり、皆さんに気を遣わせてしまうのは申し訳ないのだが
今回は少し予想外の展開となってしまったので、勘弁してもらおう。

 

最終日、夜明けに支度を整えて人気のない鳴門大橋を渡った。

少し時間に余裕が生まれたことで、南淡三原ICから淡路島の西海岸を回って帰ることにした。

西海岸には苦い思い出がある。

もう40年も前のこととなるが、夏休みに今回同行してくれた友人と女友達を伴ってこちらの
方に海水浴に来たことがある。

女の子を誘って海に行くなどというシチュエーションは初めてのことでなんだか舞い上がって
しまっていた。

当時は、なかなかの田舎で確か食事もままならなかったような記憶があるが、噂とおりに現在は
まばゆいばかりのおしゃれな店舗が海外沿いに並んでいる。

早朝だったので立ち寄ることはないが、隔世の感が極まっていた。

以前、テレ東の番組で淡路島の特集を見て、もう一度行ってみたいと思っていたところだ。

昨年、ツーリングのルートに組み入れて提案したが、リーダー的存在の先輩に軽く却下された
ので、ここに来ることができなかった。(そもそもツーリング自体中止になった)

少し恨み節もあるが、早朝の海岸の道はすごく心地よく、これこそがアミべのツーリングだ。

あのまま明石にいれば、あのまま、あのまま・・・過ごしていれば、地元に残って毎週のように
こんな海岸に散歩にこれたのだと想像してしまった。

 

西海岸を岩屋まで走り、少々ガソリンの心配をしながら明石海峡大橋を戻って、先輩を送って
このツーリングはおしまい。

大阪空港でレンタルバイクを返して、そのまま電車でお墓参り。

翌日は仕事、なにもなかったかのように梅田のサテライトオフィスで会議に出て、午後は取引先
でのミーティング。

早めの新幹線に振り替えてビールをあけながら帰宅した。

 

今年の夏はこんなツーリングで終わった。

 

淡路島はもう一度走ってみたい。

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2024 南紀ツーリングの2

2024年05月25日 | 二輪の話

串本の温泉ホテルで一夜を過ごして、翌朝は予想通りよい天気。

大抵、朝風呂は空いているものだが、ここでは早朝の温泉は混んでいた。

ここの露天風呂はちょうど海と同じ目線、向かいの大島がよく見える。

 

いつものことながら、ツーリングの夜はお酒を飲んで少し話していると、すぐに
眠気が襲ってくる。

前夜もそんな感じで、夕食のあと少し飲んだだけで寝床に入ってしまった。

なのでまた、早朝にひとり目覚めて風呂に出かけたのたけれど前述のとおり
予想に反して少し混んでいたので、いつものように独り浮いているわけにはいかなかった。

 

風呂から上がるとY君も起き出していて、ブッフェ形式朝食をとって部屋に戻り支度を終え
たらすぐに出発する。このあたりはいつものことだ。

ホテル玄関の横に停めていたZ650に荷物を積んでいると、ちょうど支度をしているライダー
がいる。

どこまでですかと声をかけるとR42を白浜の方に向かうつもりだという。

我々とは逆回り「気をつけて」と云いながら、こちらは出発した。

GWでもソロで出かける人は多い、たまたま今回のGWはY君がつきあってくれたので
二人で走っているが、もともとは自分独りで周ろうと考えていたもの。

もう歳をとってしまって、知らず知らずのうちに意固地な部分が発露しているので、集団
行動はできなくなってしまったと思っているからだ。

皆でワイワイガヤガヤと走れていたのは周囲の寛容さによるもの。

ありがたいことだったけれど、年々「我」が強くなってきている中で皆の好意に甘えて
ばかりではいけない。

そうやっていつも反省ばかり、後悔は先に立たず自分から人が離れていくのをいつも
寂しく感じてしまうので、最近は逆に人から少し離れて独りで暮らしていくことを
ずっと考えている。

 

さて、熊野三山はそれぞれ適当な距離をおいて祀られている。

串本から進んでいく場合、まずは那智の滝/那智大社に参ることになる。

ここは海岸から少し山の中に進んだところにあって、単車を停める場所に苦労する。

この日からはようやくGW本番という感じで、外国からのツーリストたちも
多くて、結構混雑していた。

単車を停めた場所から石段を登って本殿に参ることになるのだがこれがなかなかきつい。

喪中で神社に参ることができないY君につき合わせてしまい申し訳ない気分ながら、
立派に育ったY君のお腹を思うと少し運動になってよいかもなどとも考えた。

本殿に参ったあと、また石段を下りてきて那智の滝に周るのだが、滝ツボまで降りて
また昇ってくると倒れてしまいそうなので、単車に乗って滝の側まで少し降り、売店に
単車を預けて滝を見に行った。

我々のツーリングは観光目的が薄いので、滞在時間は最小限、土産
物屋などにもあまり寄らないのだが単車を停めるためには仕方がない。

売店では、やたら那智黒飴がPRされていたが、奥さんには「それだけは買ってくるな」と
きつく云われていたので敬遠していた。
きつく云われると買ってみたくなる。

もしかしたら「饅頭こわい」ということかも知れないと思ったが、そんなはずもなく、
自分独りで消費するのも大変なので、やっぱり買わなかった。

 

その後、速玉大社、本宮大社と行程を進めて、昼食にたどり着いたのは14:00ころ。

Y君がすすめてくれた「しいたけ蕎麦」を求めて少し離れた「道の駅水の郷日高川龍游」
に立ち寄った。

ここのレストランに驚くサイズのシイタケをのせた蕎麦があるという。

残念ながら到着時刻が遅くてお蕎麦は売り切れてしまっていたが、代わりにこのシイタケ
のフライをのせた特製カレーをいただいた。

コロッケとしいたけフライを前後両輪に見立てた「ドゥカティ マイク・ヘイルウッド
カレー」というらしい。

コロッケもフライもそれぞれ大きくて食べ応え満点。

以前、Y君は平日にソロツーリングで立ち寄ったとのことで、そのとき食した蕎麦も
ずいぶんなボリュームでよかったという。

さてさて、少し待たされたものの美味しいものを食すことができたのでそろそろ帰路につく。

ここからは高野龍神スカイラインで高野山をまたいで大阪方面に向かう。

さすがに高度があがっていく中、ちょっと寒かったので持参したカッパをジャケットの
内側に着込んで風で体温が奪われないようにしたら、少し快適になった。

(のちにこのカッパのおかげでなんとか湾岸線を走りきれた)

高野山までスムーズに行程を進めていたところ、ちょっとガソリンの量が心配になってきた。

Y君も、大丈夫だとは思うけれどスタンドがあれば入れておきたいという。

そこで、ちょっと停まってGoogleMapで探すもヒットせず、少し不安になってきた。

もともと時間も時間だったので、高野山の社寺には寄らずに帰ることとしてもガス欠では
帰宅できない。

なんとかGSを探していたら、バスセンターを過ぎたあたりに1軒あることがわかり
ようやく満タンにできた。

最近はGSの数が減っていて、少し不便な田舎道を走る前には満タン必至だ。

まだまだガソリン車両も多い中で、GSの閉鎖や過疎問題は深刻だ。

 

その後、高野山から降りて帰宅するはずなのにGoogleMapがやたらと細い道
ばかり案内する。なかなか高速道路にたどり着けない。

このまま行っても3時間もかかるというので、よくよく考えたら
1日目の白浜から串本に向かうところで設定を変えて高速道路を避けるように
していたのを思い出した。

Y君に詫びて、R371で紀見峠を越えてからようやく設定を変更。

堺市の近くから高速道路に乗って、そのまま湾岸線で明石まで帰宅した。

翌朝、明石の実家から神戸の市街地を散歩しながら伊丹空港でバイクを返却。

神戸では久しぶりに母校に寄った。

当時、学食/生協の前にあった「一本松」が約40年前のまま立っていて
その下で熱いコーヒーを飲んで学生時代をしのんだ。

生協も学生会館も新しい建物になり、「一本松」は建屋の入口ではなく
憩いの場といった趣でたたずんでいた。

 

約700km走った今回のツーリングだが、その間ずっとインカムを通してY君と
話していた。

Y君とこんなに話したのは何年ぶりだろうか。
現在のこと、これまでのこと。Y君が買った家のことやその経緯。
Y君もいろいろと家族に囲まれて楽しくやっているようでうらやましい話も
たくさん聴けた。

昨年退職するときには、何ごとも中途半端な自分がよく40年近く働いてきたものだと
思っていたが、それも入社時から続いている同期入社の二人のおかげ。

さらにY君とはその8年ほど前、中学生のころからのつきあいだから、こんな
素敵な皆に助けられて仕事をまっとうできたことを再確認した。

40年を越えてつもりに積もった思い出はもうずいぶん記憶の底に沈んでいたのだが
今回二日間にわたってインカムを通して対談したことで、それぞれの記憶がまた浮か
んできたような気がする。

心配していた天気もなんとかなって今回のGWも楽しいツーリングに仕上がった。

また、行こう。

 

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2024南紀ツーリング

2024年05月06日 | 二輪の話

実のところ、4月にはいろいろなことがあってGWのツーリングは無理かと考えていた。

まず、長男が入院・手術となってしまいどうなることかと不安に思っていた。

また、取引先の方が身体を壊されてしまい書類のやりとりが滞ったままだった。

結果的に長男は全快して元気になり、仕事はもう一方の取引先に事情を説明して
なんとか予定とおりに動くことができた。

あとは天気のみとなっていたのだが、当日が近づくにつれて予報はよくなり
実際には少し寒かったけれどなんとか五月の空は雨は我慢してくれた。

 

今回は、大阪空港でZ650RSを借りての南紀ツーリング。

一泊二日で白浜から熊野三山、高野山を巡るを計画した。

ただ、過去の経験からGWは前線が太平洋側に停滞することが多くて、宮崎や高知、南紀
は天候が不安定だと思っていたので、日本海に「焼きサバ」を食べに行く代替案も用意し
ていた。

Y君を誘ったところ、ビジネスホテルより温泉旅館がよいのではないかとのことで
今回は南紀に最終決定した。

5/2の朝、大阪空港に迎えにきてもらってそのまま阪神高速から近畿道を経由、南紀に
むかって進んだ。

よくよく考えたら、昨年10月にCB1100で静岡を走っていらいのツーリング。

Y君に少し遅いペースを許してもらい、海南東ICまで高速道路を走った。

高速道路を走っていても、最初に同期させたインカムで近況などを話しながら
まるで昔のドライブのような雰囲気で流していた。

昼食は、あらかじめ調べてあった焼肉屋さん。

お腹を満たしたら、また走り出してとりあえずの目的地である、白浜を目指した。

確か、大学を出て今の会社に入社した秋に部内旅行として白浜温泉にきたはず。

あまりよい思い出はないが、それは白浜のせいではない。また、あのころは観光客も
多くて、ホテルの手配ほかJTBの担当の人に大変世話になったことを覚えている。

そんな白浜も、コロナ禍の嵐に巻き込まれたようで既に廃れていた。
シャッターを閉じた建物や、ボロボロの土産物屋さんしかみかけない。

こんな寂れたところでも元気な声で騒いでいる中華の方々はすごいものだ。


さてさて、おっさん二人で海を見ていても仕方ないので、三段壁を早々に退去して
こんどはR42をひたすら南に進んでいった。

当夜のやどは南紀くしもとの温泉宿をとっていて、少し寒いので早々に温泉に浸か
ることだけ考えて、海岸沿いの国道をインカムで話ながら走り続けた。

昔話やら、近況やら、Y君とこんなに話し込んだのはいつ以来だろうか。
就職した当時は、いつも自分の愚痴を聞いてもらっていたと思う。

その後、自分は彼女とうまく行きだすと連絡しなくなり、彼女とうまく行かなくなると
また連絡するようなどうしようもない輩だった。

その頃の彼女とはよくドライブに出かけて、季節ごとに関西の色んなところを周った。
当時はくだらない話をしながら車を走らせるだけで楽しく、行先はどこでもよかった。

松任谷由実の曲に「カンナ8号線」という曲があり、いいかげんな自分に愛想つかされ
た後も、あのころの彼女がそんな気持ちでいてくれたなら・・と東京に出てからよく思
っていたものだ。

まぁ、いまシニアと呼ばれる歳になって当時の彼女と会っても、恐らく妄想は打ち砕か
れて、まさにさえないコントになってしまうのだが。

 

温泉旅館の食事はブッフェ形式、これに飲み放題を追加してそれぞれビールやハイ
ボールを飲んで腹を満たした。

天気はよくなり気温も上がるというので、翌日の行程を楽しみにしてほどなく就寝。

曇天の下、南紀の海岸線をただただ話し続けただけで一日目が終わった。

 

 

昔ばなしを重ねてしまうが、自分がいまの長男くらいの歳、ちょうど大学一年生と
いうと、Y君が自動車免許を取得してスターレット(たしかKP61)に乗り、暇な日は
やたら地元の郊外か、六甲山のほうにドライブに出かけていた。

なにも用事のない、なんの予定もない、自由でムダな時間。
まだ、バイトも定まらず大学でも仲間ができずに、日々空しく過ごしていたころ。

いまから思えば、それらの日々はいろんなことの準備期間だったように思える。
その後に、あんなに色んな事があるとは思いもよらなかった。

そう思えば、長男もこれからなんだろう。
せいぜい頑張ってくれ、色んなことがある方が人生面白いぞ。

 

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遠州ソロツーリングの2

2023年10月08日 | 二輪の話

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

よく眠れなかったまま、早朝に島田のホテルをあとにしてまずは
大井川の河口付近まで。

ここから海岸線を縫って沼津まで走っていこう。

途中、焼津や清水の漁港に立ち寄って朝の活気が見られればよい。

もともと海沿いに住んでいたので朝の海が大好きだ。

漁師町や漁港ではないので、朝からにぎやかなことはないが
神戸や大阪からわざわざ釣りにくる人たちでそれなりに人通りがあった。

焼津から静岡市内に向かう海岸沿いの道は、以前にも
通ったことのある大崩海岸。

なにやら先月くらいに廃道となっいる旧道部分がさらに
40mほど崩落しているとのこと。

海上橋を渡って静岡市内に入る。

休日だというのに朝から車も多いと思ったら、今日は土曜日。

 

R150を東に進むと海岸線は一直線、久能山東照宮のふもとに
少し立ち寄ったが、参拝は9時からだと書いてあり断念。

本当は少し足を動かすためにも登った方がよいのだが。

一直線のR150を進むと日本平の出口から三保の松原をめざす。

三保の松原は景勝地、まだ売店も開いていないのに観光客の姿がちらほら。

自販機でコーヒーを買って、浜に出て休憩。トイレがきれいだったので
ここで拝借した。

連休はここでイベントがあるらしく係の方々が準備しているのが見える。

コロナが収まって、観光関係はようやく息を吹き返しているようだ。

ところでこの松原に羽衣の松がある。

立札によれば、この松で三代目。この松の木が樹齢約300年という。

300年前に2代目から引き継いだとして初代は何年に生えた樹なのだろう。

三代目でも松は松。観光地なのだから細かいことはよいとして天女が
羽衣を掛けた松と、この三代目にはなにか関係があるのだろうか。

朝から一所懸命に松の落ち葉を掃除しているボランティアの方の横で
不遜なことを考えていたら自販機のまわりにもゴミ箱がないことに気づいた。

どうすんの、これ。

午前中にバイクを返す予定なので、先を急いだ。

他人の物を借りている間は、こうやってなんらかの制限を受ける。

仕方なく、松原を後にして清水漁港、JR清水駅前を経由して
そのままR1を東進。

予定では少し早く帰着してしまいそうだが渋滞は読めないので、余裕が
あると思っていると遅れてしまうのがツーリング。

これを速度で解決しようとすると痛い目にもあう。

仕事の日でも、午前中はなんとか集中力が維持できるので
午前中にどんどん東進していくこととなる。

少し時間があれば三島市の「柿田川公園」に寄りたかった。

ここは富士山からの伏流水が湧水となって出てくるところで
清涼な水にカワセミなどの野鳥が集まるところだが、今回は
時間切れとなって見送り。

その後、時間通りに無事箱根まで走りついて今回は終了。
事故なく帰着してよかった。

 

さてさて、自動車に荷物を移してほっとしてもまだお昼。

どうせ慌てて帰宅するほどの用事もない。

このまま、車で三島まで降りて美味しいものでも食べて帰ろう。

そして柿田川公園にも寄ってこよう。

 

 

追記)今回の教訓

・チェーンキーを忘れた。

・b+comの充電を忘れた。

・前日、夕刻に借り出して宿まで走ってしまい、早朝に宿をでて
 山道を走る計画の方が融通が利いたし、各駅にも立ち寄れたはず
 なので次回リベンジの時にはその作戦で。

・あらかじめ休憩するスポットを決めていかなければ、バイクで
 走り出すと中毒患者のように走りつくしてしまう。

以上、でも楽しかった。

 

 

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遠州ソロツーリング

2023年10月08日 | 二輪の話

失敗だらけの仕事を忘れて一度リフレッシュしようとバイクを借りてみた。

どこかふらりでかけて色んなことを頭から抜きたかったのだが、休日前
に仕事は完結せず、澱んだ心のまま旅にでた。

行先は箱根。箱根のバイカーズパラダイスというところでバイクを借りた。

前週までの計画では、沼津まで東海道線で出かけて沼津駅前でバイクを借りる
予定でいた。

連休の渋滞を避けて帰りはビールでも飲みながら知らぬ間に日常に戻ろうと。

ところが、先週に至って箱根で安く借りられることとなり急遽箱根発に変更。

箱根までは自動車、自動車をそこに預けてツーリングに出かけることとなった。

今回のバイクはCB1100、最近はほとんど見かけない空冷4気筒のリッターバイク。

重い。だだ重そう。

リッタークラスと云えば、我々が子供のころはスーパーカーなみのマシンだった。

Z1、KZ1300、GS1000、CBX1000などなど。

 

ただ、いつも通りシートバックをリアに載せて跨いでみると諸元をみて感じたほどは
重くなく、足つきも十分、エンジンをかけて軽やかに(?)旅は始まった。

今回は、箱根を11:00ころに出発して下道で三島/沼津に降りて昼食、それから
静岡市を経由して安倍川を遡り井川という集落まで走り、大井川鐡道の終着駅。

そこから井川/大井川沿いに下って島田宿で一泊する予定だ。

静岡市で昼食を済ませてから安倍川を遡上していく、ダンプカーや軽自動車とともに
ランデブー、周囲にほとんど自動車がなくなったところで警備員の方に停められた。

西河内川と中河内川の合流点、警備員さんが云うには

「この先で道路拡張工事をやっていて通貨できる時間が限られている。次に
 通過できる時刻まで1時間以上ある。ここを右に曲がって迂回路に行く
 こともできるがどうするか。」と。

迂回路もひどい山道のようだったが、一応県道なので未舗装の部分はないという。

結局、1時間以上ボーっとしていても仕方ないので迂回路県道27号線へ。

さて、箱根からここまで走っていて、ここから迂回路にはいってガソリンは
大丈夫だろうかと思案、最近田舎に行けば行くほど不安だ。

念のために、迂回路に進んですぐにあった壊れかけのスタンドに寄ってみた。

スタンドのおやっさんがどこまでいくのかと尋ねるので、ここから井川駅を
目指して、その後は島田までくだるつもりだといった。

おやっさん曰く、それじゃもう真っ暗になるから山道なので気を付けてと。

この時点でまだ14:00。どれだけ時間のかかる道なんだろうと不安になる。

これまでの経験で山道では地図上の距離はアテにならないことは知っているのだが。



何度か地元の車両や工事現場を行き来するダンプカーとすれ違いながら山道を登っていく。

口坂本温泉というところまで進んできたものの、一向に峠にはさしかかる感じがない。

大日峠というところを越えれば井川まではあと少しのはず。

途中、見事な滝もあったが寄り道せずにまずは峠まで。

雨で溜まった落ち葉が湿って轍をつくり、足を取られそうな感じがしてならない。

250kgの車体を倒してしまったらよほどのことでない限り自分では引き起こせない。

不安はあるものの、大きな単車ほどゆっくり慎重には行けないものであり、ある程度
トルクをかけていないと斜面では容易にバランスを崩してしまう。

ニーグリップをしっかりして、2速で進んでいく。

ようやく大日峠に到着、休憩しようかと思うが峠と云えどただの交差点。

ゆっくりする場所もなく、平坦な路肩を選んで車体を停めた。

振り返ればすすきの穂が風に揺れている。

今年も猛暑だったが、暑かった分、秋の冷え込みが身に染みてくる。

峠はもう秋本番、エンジンを止めると虫たちの輪唱。

 

久々のツーリング、久々のリッターバイク、久々の山道。

ようやく仕事のことが頭から抜け始めたが、携帯電話にはメールと着信あり。

容易なことでは、頭は空にはならない。

ウンザリしながら返電、相手はこんな山の上からかけている電話とは思わず
普段と同じように会話して終了。

規則によってメールには返信できないが、やはり仕事の手戻りのこと。

そう頭のよい人間ではないのに、口に糊するために仕事を続けていると
周囲に迷惑をかけてばかりでなんとも情けなくなる。
後輩上司は気を遣いながら連絡してくる。
こんなことが、このままどこまで行くのか、止まるのか。

 

あらためて地図を見てみると、井川ダムまではあと少し。

やはり想定していたように時間がかかっているが、今のところ日没までには
下界に降りられそうだ。

ただ、楽しみにしていた大井川鐡道の各駅には寄れそうもない。

井川ダムで少し写真を撮って、そのまま下り坂に向かう。

途中、数台のクルマが道を譲ってくれるので感謝して前に・・・。

ただ、少し走ると左側からなにやら警笛の音、ふと路肩に寄せてみると眼下に
奥大井湖上駅が見えた。

ちょうど上りの列車が入線したところのようだ。

こんな偶然もないものだと数枚写真を撮っておいた。

大井川鐡道の旅は次回の楽しみにとっておくこととして、秘境駅をでる列車を
見送ったら自分も金谷の街に向かって出発。

金谷から島田市のホテルまでは夕刻の通勤渋滞にあたり、ようやく到着したら
予想通りに真っ暗な夜になっていた。

明日は早朝に宿を出て、静岡の海岸線を通って箱根まで走る。

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