Remains of The Accidents

アクシデンツなページ

今日までそして明日から

2010年06月29日 | つれづれ
仕事で少々息詰まっている
誰もこっちを向いてはくれない
こっちを向いてくるのは、クライアントのみ
スタッフはあっち向いたまま

そんな状況でも昨日は恩師の退任慰労会
いきおい二次会まではつきあった
酔っ払って帰宅して今も酒臭い

このところの飲みっぷりを自省して
昨夜はそこそこ大人しく飲んでいられたものと
記憶している

二日酔いのアタマを抱えて
さあ、今日もいやな仕事のはじまりだ・・・

と思ったら、王子が起きてきた
まだ、5時半だ

姫さまと王子様、そしてウチの奥さん
この子たちがいる限り
イヤでも父は強くたくましく生きていかねばならない

この子たちがいる限り・・・・・・
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【読了】 草すべり その他の短編  南木佳士

2010年06月25日 | 読書
2006年から2008年にかけて発表された短編を集めたもの

本屋で読み物を物色しているときに南木氏の著作が目に入ると
手を出してしまう
この方の著作を調べたり、探したりするわけではないのに目の前
にあらわれると読みたくなる

明るい話はない

常に死と接する異常さと、それを異常と思える正常さの同居は
人の心に影を落とすようで、なにかと病の話が多い
かといって主人公が自ら死に向かって進んでいるわけではない
やりきれない自分を文章に投影しながら、主人公は今も
生きている

生きるということは、死なないということなのだろう

父の勤務先の側に大きめの郵便局がある
大通りに面したその郵便局の前にはタクシーを待つ人のための
屋根・椅子付のスペースが設置されている
毎夜、仕事を片付けて帰宅する時間には決まってある人がそこにいる
もちろん名前も知らない
その人はいわゆるホームレスであるが、そう汚れた身なりではない
昨夜もラジオを腹の上に乗せて眠っているようだった

どこから来てどこに行くのか
家族や世間とのしがらみはとうに無く
生きるか死ぬかの選択は自らの意思のみによるものだろう

なぜ生きているのですか
一度、問うてみたい
生きる意味とはなんですか

かの人に問うてみても、恐らく何も答えてはくれないだろう

その人を見た後、ひとり帰宅する電車に乗ると
結局、生きるということは死なないということなのではないか
と思うことがある


南木氏の作品を読み進めるたびに、こんな感じで
生と死は相反するものではなく、一つにつながった「状態」で
あるかに思えてくる

そして「まだまだ病むには早いぞ」と少し救われている気がする

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宮崎のこと

2010年06月21日 | 宮崎
宮崎で口蹄疫が発生してからもう2ヶ月以上になる
その間、想像を超える頭数の家畜が埋殺処分となっている
農家の被害も甚大で国からの補償がなければなりたたない
政府もその補償については莫大な予算を充てることとし
農家に対して処分への協力を求めた

口蹄疫は伝染病であり加害者のない事件である

しかし、被害は日ごと拡大していく
宮崎は国内でも最大規模の畜産大国であり、畜産関連の
業界で働いている人たちも非常に多く、その補償までは
政府の手が届かない

父の知っているだけでも、飼料を扱うひと、それを運ぶひと
屠して枝肉にわけるひと、それを加工するひと、運ぶひと
牛舎・豚舎を建てるひと・・・まだまだ

宮崎は、悲しいかな第一次産業と公共事業しかないような
経済構造であり、典型的な田舎自治体だ
「寝ていて」も法人税が集まる都市型自治体ではない
畜産が止まったということは経済の大部分が止まったことを
意味する

方々でチャリティの声も上がっており、期待も膨らむが
募金や補償の範囲にいない「見えない」被害者が
ずいぶんいることに気づいて欲しい

加害者はいなくとも被害者はいる
そして、被害者は畜産農家だけではない


宮崎はこれから一番良い季節を向かえる
梅雨明け、早場米の青々とした稲穂、日向灘の輝く海
海洋性気候のさわやかな風

何よりおおらかなやさしい人々の笑顔
迷惑にならない時期を待って宮崎に行って来ようと思う









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【読了】 となり町戦争 三崎亜紀

2010年06月21日 | 読書
W杯は4年に一度だけど、「戦争」はいまも世界のどこかで起きている
我々の場合も隣国間で緊張が高まっている状態だが、ここに危機感はない
沖縄の米軍基地の移転問題についても、国防の問題だと捉えているかとい
えば、問題の焦点は「環境」だったり「補償」だったりと二転三転する

あまりに悲惨な戦の終結を経験して「戦争」という言葉自体を忌避して
しまっているのだろうし、もうあんな野蛮な戦争状態はありえないものと
考えているのだろう

本作にて、静かに音も立てずに始まって終わっていく「戦争」
行政にとって仕事として遂行されていく「戦争」
ほとんど興味本位でその戦争に踏み込みながら、その行為に「死」が
重ねることで人間の行動の不思議さを問うところがわかりやすくてよい

単なるパロディかと思いながら手に取った一冊だったけれど、パロディと
してはなかなか奥深く、最後に主人公の身体を通して実物大に近づいた
「戦争」に触れたようだった
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【読了】 まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん

2010年06月09日 | 読書
前回、芥川賞で肩が凝ってしまったので少しゆるい小説へ

といいつつ、またもや帯の「直木賞」の文字につられてしまった
いくつになっても権威に弱いことには変わりはない

主人公2人の経歴と関係に無理あるものの読後には清涼感がある
もう少し「岡さん」に活躍してもらいたかったし、「星君」のキャラも
際立たせてほしかった

都心からはずれて、東京でもなく神奈川でもないような町
恐らく町田市あたりを舞台に話は展開する

駅前便利屋の主人公/多田と「水のような」友人/行天が繰り広げる
ちょっとセンチメンタルなドラマといったところか

ストーリーの展開もおもしろく軽快
且つ周辺都市特有の倦怠感、世代に浮かぶ荒涼感も効いていて
読み進めるのにストレスの少ない小説だった

当分、当作者の作品を物色してみたくなった

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