文庫本の帯に「日本中が涙した記録的ベストセラー」とあり
父も涙するのだろうかと読んでみた
作者の少し特徴のある文体は父にはあわないが
ストーリーはよく吟味されており最後まで一気に読まされてしまった
遠藤周作ならばもっともっと大きなドラマ仕立てになるような題材であり
少し展開はありふれていた感もなくはない
あまり重い小説がうけない時勢でもあるが
ともすれば表面的な勧善懲悪になりやすい世間に対して
「善」と「悪」が表裏一体であり
単純に引き剥がして割り切れるものではないことを訴えられている
ただ、受刑者である兄の心はそう簡単なものだろうか
自身の境遇や世間の風の冷たさは、房に留められている
彼の心に吹き込まなかったのだろうか
その意味では、読後には素直に感動したものの
加害者である兄の心情の素直さだけが少し気になる作品だった
信じてくれない人もいるだろうけれど
結婚前から使用していた「独身用」の洗濯機を買い換えた
当時、コジマ電機で購入したGE製品
今回は日立製作所の最新型
容量も倍増!
日曜日に購入して昨日納品
価格.COMで事前に調べなかったので
少々高い買い物になってしまったが、まぁ仕方ない
帰宅すると姫さまが嬉しそうに「洗濯機来たよー」と
奥さんが出てきて
「来たのはいいけど、搬入する際に凹みが
見つかったから後日取替えに来るって」という
「ふうん」と父
「でも、交換するまでは普通に使っていていいってよ」
「別に機械自体に問題ないのに、もったいないね」と父
「半額にしてくれるならこれでいいのにな」(ボソっ)
今日から洗濯係りは楽になる
ちなみに我が家の洗濯係は、当然のことながら
「無駄な早起き」の父である・・・・
さぁ、取説読もうっと♪
自由が丘の書店で目的の文庫本を手に
レジに並んでいたところ、脇から妙な気配を感じた
視線の先にこの文庫本があり、何気なく手にとって購入して
先に読み始めてしまった
人生にタラレバはつきものだが、どこをどう巡っても
行き着くところは今の場所だということ
作品としては最後にもう少し展開のほしいところであり
グイグイと引き込むほどの力は見えない
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しかし、人生において「あの曲がり角を・・・・」と感じることは少なくない
現実には、今日の出勤後にも曲がり角は来るのかも知れないが
毎日そんなことを考えていたら疲れてしまうだけなので
通常は何気なく過ごしていくのだ
「曲がり角」を曲がるというよりは、ポイントの設定によって
行き先の変わる鉄道なのかもしれない
いずれにしても「行き先」がわからなければどこにも行けないのだが
父もそうであるように多くのひとはその「行き先」がわからないのだ
曲がり角の選択を間違うのは「行き先」が分らないから
行き先も分らぬのだが、毎日々々「時」は流れていく
流れに掉さしたいのはヤマヤマなのだが
棹さしてどうしようという考えもわかない
5年の歳月を経て東京勤務になったのだが、宮崎に行く前には
不安で不安でしょうがなかった
体調を崩して珍しく痩せてしまい、心身ともに不安定になっていた
そのときに転職の声をかけてくれていた方がいた
今日、5年ぶりにその方に会うかも知れない
「行き先」も分らず、かといって流れに棹させぬまま宮崎に旅立ち
人の情けに温かくつつまれて帰ってきた自分
あの曲がり角で手を振ってくれた人と
今日、どんな顔で再会するのだろう
自由が丘の書店で父の気をひいたのはこの本ではなくて
5年前の自分かも知れない
前回、読了した処女作が佳作だったので
自由が丘の書店で文庫本を探してまとめて購入
週末は会社関係の弔事があり、早朝から神戸まで出かけることになり
さすがに神戸までの新幹線(往復)の中で一気に読了
神戸の繁華街は新型インフルエンザの件でTV曲のインタビュアーが
跋扈していた
今週の「神戸祭り」は中止となったそうだ
「神戸まつり」は大好きなイベントの一つで、幼少のころはよく親父に
つれていってもらったし、高学年になってからは20kmも自転車を
漕いででかけていったことがある
中止は本当に残念だ
[月への梯子]
[枯葉色グッバイ]
ともに小説ならではの無理な設定に軽いノリで
難事件を解決していく推理小説
主人公はそれぞれまったく違うタイプの人物だが
それぞれに浮世から距離をおいた快人物たちが活躍する
主人公の真摯さにサラっとした性的題材のフリカケもきかせ
ており、実にテレビ的な映像を頭の中に浮かばせる作家だ
さらに、ウィットに富んだ会話と軽快な展開は心地よく
通勤電車が降車駅に近づいても次のページを欲してしまう
父が子供のころには「殺人事件」というものは大事件で
3人も殺されようものならば「昭和史に残る凶悪犯罪」と言われた
ものだが、最近は毎週のように日本のどこかで信じがたい殺人
事件が発生している
あまりにも「動機」のない殺人が日常化してしまう中で推理作家も
苦労しているのではないか
横溝正史の時代には「たたり」や「怨念」、戦争を挟んだ旧弊と
新時代の軋轢など「動機」が「謎解き」の重要な要素であったが
いまどきの読者は殺人の動機よりも物語の軽快さに傾くのであろう
本作まで3作品を読む限りこの作家は殺人事件という「きっかけ」を
もって社会を一般的な視野の端から斜めに描写していく手法なのだろう
何が「正義」で何が「悪」か
単なる「勧善懲悪」の物語ではないところが読者の共感を得ているようだ
雰囲気のよい作家であり今週半ばも大阪往復があることから
引き続き追いかけてみようかと思う
昨夜は金曜日というのに健全に帰宅した
帰路、会社の近所で散髪してスッキリして帰宅し
子供たちと風呂に入って発泡酒を1缶
少しだけ残っていた霧島酒造の麦焼酎フェニックスを
さらえたら氷がなくなり終了
焼酎といえど開封して時間が経つとあまり香らなくなる
昨夜はさすがにさしておいしいとは思わなかった
同じ本社ビルに勤める先輩O氏はGW明けの週末を
狙ってツーリングにでかけると云われていた
安房峠から北陸に入りなぎさドライブウェイが目的地
同行は四国在住のお仲間とのこと
さてさて自分は・・と振り返ると天気のよい週末といいながら
子供たちと公園にでかけることや「母の日」につき
姫さまの母親孝行のお手伝いをするようだ
話は変わり少々グチになる
父はこれまでも仕事や居場所が変わるたびに
少々思い悩み、将来を悲観するタイプで
周囲から少なからず「おかしい」と思われているらしい
今回の異動も予想外の部署/場所で困惑し
周囲に知己を得ぬままなんだか孤立感に
苛まれている
こういうとき家族が心の支えになるのだが
今回の引越しに関してはなかなか家族の賛同を得ず
少々滅入ってしまっている
子供を通して聞こえてくる奥さんのグチが父に重くのしかかる
時々、のどの奥に”開放してはならない”エネルギーが沸いてくる
正直、会社でも家庭でも、誰も信じられなくなっている・・・と
そういいながら、ふと20年も前のことが浮かんだ
ある出来事から「もう、この世では誰も信じるまい」と心に誓ったこと
結婚して子供たちが生まれて少し自分に甘くなっていた
あらためて心に刻んでみよう「誰も信じるまい」
所詮、帰るところのある身ではないのだから