コロナ禍、緊急事態宣言下、旅行に出かけた。
理由も主張もなにもなく旅行に出かけた。
コロナ禍、緊急事態宣言といいながら家族の都合はなかなか合わない。
誰もエッセンシャルワーカーではなく、不思議極まりない。
職場もギスギスしている。仕事のパートナーが精神的に追い込まれて
いて、身内に牙を向けてくるので、困っている。
そんなこんなから逃げるように信州に向かうことにしたのだけれど
台風が三つも発生して、天気はままならない状況だった。
天気が悪くても涼しいところでのんびりすればいいといいながら
早朝、高速道路のゲートをくぐった。
コロナと台風で渋滞はなく、車は長い坂道を駆け上がっていく。
ACCを110km/hにセットして順調に甲府盆地に上り詰める。
勝沼を過ぎると、晴れ間が覗きだし、眩しい夏の光があふれだした。
わずかな晴れ間のうちに高原のパノラマを楽しもうということになり
車はそのまま原村から白樺湖をまわって車山高原に向かう。
真夏のリフトは初めてだったけれど、長旅の疲れを癒す景色が
拡がっていた。
頬を打つ風が冷たいほどで、爽快という言葉だけ。
山頂では新しく設置されたデッキで写真をとり、トンボを追いかけた。
長男がなかなかトンボがとれずいるので、トンボの採り方を教えておいた。
いつか君の息子にも教えてあげな。
子供のころ教えてもらったことは頭のどこかに残っていて、ふと浮かんで
くるものだ。
そのまま高原を散策、台風来訪だといいながら、不思議にここは晴れている。
長女の晴れ女ぶりがありがたく思える。
この子のイベントはいつも晴れている。
高原の散策の途中、先月のツーリングで先輩IDさんに教えていただいたカフェに
立ち寄った。先月は時間外で入れなかった景気の良いカフェ。
デッキの席に腰を落ち着けてメニューを見ていると、こちらは随分
昔からある山小屋とのこと、今も宿泊ができるそうで、見上げると
宿泊棟の窓が見えた。
おいしいコーヒーとお菓子をいただくうちに、霧が山を回り込んで
谷に降りてきた。
そろそろ空も我慢ができなくなっているようだ。
ホテルに引き上げて、食事までの時間はゆっくり過ごそうと向かった
のだが、このホテルでは屋内プールがあり天気は関係ない。
チェックインしてすぐにプールに向かった。
子供たちと三人で久しぶりに泳いだ。
まだバタフライができるかと問うと、息子がバタで泳ぎだした。
二人とも、スイミングスクールで一級まで進んだのできれいに泳ぎだす。
特に長女はフォームがきれいで手本になるほど。
息子は、どちらかというと力で進んでいくタイプだし、まず体力が
ピークに差し掛かる年齢なので早い早い。
プールから引き揚げて、車に忘れ物をとりにいったときに、清掃をされ
ている方に声をかけられた。
台風を嘆いたところ、夏場はなかなか見えないけれど、この駐車場でも
真上に天の川が見えるという。
天気次第だが、富士見台というビーナスラインの駐車場に行けばよけいな
街の明かりがなく、全天の星が見られるとおっしゃる。
夕食の飲酒を我慢して、星を見に行こう。決めた。あとは天気だけだ。
今回、晴れ女ひとりの力で奇跡ばかり起こった気がする。
なにせ見たことのない大きさの北斗七星、カシオペア、夏の大三角、
そして天の川が目の前に拡がった。
あー夏休み。
翌日は美ヶ原まで足を延ばして高原の風を楽しんだ。
帰路はビーナスラインを戻って女神湖でボート遊び、
地元のディスカウントスーパー「BIG」で甲州産の果物を仕入れたあと
帰路も渋滞はほとんどなく、スムーズに帰宅。
翌日、大きくて甘い桃を楽しんで、我が家の夏旅行は終了。
こんどはいつ行けるのか、行くのか。