My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

5998 PP アンプの更なる改良(その5)~出力管をWE 421Aに変更。これは衝撃!~

2020-02-01 13:53:05 | 真空管アンプ

このアンプの改造も、いよいよ最終段階。

WEの知られざる銘球!!!  Western Electric製「421A」の登場です。

今まで色々と改造や調整してきたのも、この出力管を使うためです。

当初のRCA 6AS7G パラ・プッシュプル→Tung Sol 5998 プッシュプルと変更して来ましたが、最終はこのヴィンテージ球の採用です。先日紹介した浅野勇氏著「魅惑の真空管アンプ」にも製作例が掲載されており、音質もWEの音として高く評価されています。

この球自体は昨年に入手していたのですが、貴重な球を壊してしまうリスクを恐れ、逸る気持ちを抑えて回路の調整をしていました。

以前の苦い思いを繰り返さない様、今回は、動作確認、特性測定品の球を購入しました。高かったぁ~。

このWE 421Aのお姿です。

印字されている製造ロットNo.からすると、1963年と1961年製造?と思われます。

 

少し説明すると、ウェスタン製の特徴は、

 ・頭頂部のマイカ板はおにぎり型

 ・ステムの台座はフラット

 ・内部配線の形状、太さが独特

 ・ゲッター・リングは四角型と丸型があるらしいが四角が古い

らしいです。

私が手にしたものは、たぶん本物のWestern Electric製でしょう。

 

Tung sol 5998と並べてみました。

ゲッターは、Tung solは上、WEは下ですね。

プレートは、5998は少し艶があります。WEはグレーのマット。

ガラスは、5998のほうが透明度が高い様に思います。

 

では、いよいよ。恐るおそる電源ON! カソード電流を調整後、出てきた音は・・・・・・・。

これは絶品!究極です。秘めたる銘球です。ここで書くと、また価格が高騰するのが怖いです。

この球は余りにも次元が違いすぎます。やっぱりWEの球は素晴らしい!

恐らく使われている材料や構造が他のメーカーのものと違うのでしょう。

本物のWE 300Bは聴いたことがありませんが、おそらくこの球と同じ傾向でしょう。

各楽器の音の輪郭がハッキリして、それぞれ主張し合って、音楽を表現しています。

良く言えば、分解能が良い。悪く言えば、それぞれの音がバラバラに分解されている。

5998は音が塊りになってる。良く言えば、纏まりがある。

WEサウンドは、色々なところで書かれている様に独特の世界です。唯一無二!。

この立体感、音に包み込まれて、いやぁ~気持ちが良いです。これこそ、私が求めていた音かも知れません。

同じ曲を聴いても、何だか別の楽曲に聴こえるから不思議です。

この音を聴いてしまうと、もう元に戻れません。いやぁ~、マイッタ!!! 虜になります。

空気感、臨場感がとんでもない。 音の世界に引き込まれます。

欧州管の GEC KT88のしっとりした音とは違い、乾いた音がします。JBLスピーカーには良く合います。

この音は好みが分かれれるところですが、私はこの音が好きです。

アコースティック・ギターやピアノ、ボーカル、それぞれが実に生なましい。

パーカッションの細かい音や微妙はシンバル・ワークも再現します。

 

初段管を虎の子のムラードのCV4003(ECC82) BOX Plateに変えてみましたが、音色にあまり変化は無い様に感じます。

 

このWE 421Aが支配的で他の色々な部品(抵抗、コンデンサ、配線材など)の違いを吞み込んでしまいます。

WE421Aは決してきめ細かな繊細な音では有りません。言うならば、踊る、弾む、攻撃的な音です。

他社の球には無い独特の音質的な性格があると言えます。

ライブ録音盤などを聴くと、あたかも客席に居るようです。

スタジオ録音でも、スタジオの響きなども再現します。リアルな音の表現力が素晴らしい!

さらに、この421Aと言う球は、今まで使ってきた6AS7G、5998と同様に本来はレギュレータ管ですが、そのプレート抵抗の低さから、低音の量感は300Bよりも上と思う。低音の押し出し具合や切れも良いです。

ただ、ソースの録音状態の良し悪しはハッキリと出てきます。

 

このアンプの本格的な改造を始めてから約1年、今迄に手掛けたアンプのなかでは最高の1台に仕上がりました。

この音を聴いてしまうと、他のアンプの音は、どこか電気的に作られた様な(まぁ、そうですが)無機質な音に聴こえてしまうから不思議です。まさに独特な音世界です!!! 

 

今のシャーシの中は、実験的に、抵抗をパラにしたりして設定値を作った状態ですので、正規の抵抗を手配して、内部を綺麗にしたいものです。

 

コメント (2)
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