差動ラインアンプが完成して2、3日聴きましたが、従来とは違う音で、聴いていて疲れます。音楽に引き込まれません。
歪っぽくて高域がザラザラで全体に薄っぺらい音。不自然さを感じます。現状では満足出来ません。
石アンプに逆戻りしたような感じです。と言うか石アンプよりも悪いかも?。これでは真空管の意味がありません。
且つ、ボリュームを絞った状態でもホワイトノイズ(高域のサァーと言う音)が大きい。
この原因は何かと考えました。
前回やり残した事、それは定電流回路。ここを疑いました。
この回路にIC「LM334Z」を使用したのですが、これを虎の子のFET「2SK43(SONY)」Idss=8mA選別品に交換してみました。
やっぱり此処でした! これが犯人でした!。
ホワイトノイズは皆無になりました。
そして音質は、今迄聴き馴れた落ち着いた音になりました。艶やかで潤いが有り濃厚です。円やかで聴いていて疲れません。
一旦悩みは解決しましたので、負荷線を描きながらB電源電圧の再調整を行いました。
良い感じですね~、ダイアナ・クラールのボーカルがセンターから静かにフワッと浮き上がってきます。音楽に引き込まれ、いつまでも聴いて居たくなる音です。
「LM334Z」のアプリケーションを見るとオーディオ用では無いですね。
ぺるけさんがわざわざ2SK30Aを3パラにしている理由も、電流値を稼ぐためだけではなく、インピーダンスを下げて音質的にも考慮しているのではと思えてきました。但しノイズは3倍?
私が使用した『2SK43』は2SK30Aや2SK170よりもボディがひと回り大きく、ランクにも依りますが1本でIdss10mA位も可能です。写真右側の上下。
真空管回路には、ディスクリート素子ならまだしも、集積回路は避けた方が良さそうです。
今回、良い勉強になりました。諦めず探求した甲斐がありました。
FETは真空管に近い音だと、どこかで読んだ事もあります。他の型番の物に替えても音が変化しそうです。
機会があれば試してみたいのですが、良質のFET自体が市場で枯渇状態です。中国製の偽物も有るそうですし。。。