( なずな・ぺんぺん草 )
今ごろの植物園は一番花の寂しい時期かも知れません。草花で言えば節分草、
雪割草、芹葉おうれん、黄水仙、スノードロップ、クロッカス。
樹木の花なら、白梅、紅梅、蝋梅、,三椏、迎春花(黄梅)、椿,実成り枝垂れ梅。
白蓮の蕾も大きくなりましたがまだ開花は咲きのことでしょう。
後一ヶ月、春の草花が楽しみです。
昨日より今日新しき薺花 細見綾子
ひとり摘む薺の土のやはらかに 中村汀女
薺咲きキリシタン村牛飼へり 田村了咲
休め田にあるじ貌して花薺 影島智子
☆ 余談 ☆
これも何かの本で読んでいたことを、ふと思い出して書きます。
「春雨」と「春の雨」 同じようで全くちがう表現の俳句になります。
季語には本意が有るという事です。そのことは「三冊子」にも書かれていて
本意とは漢詩、和歌の時代以来伝統的に公認されてきた最も相応しい状態の事。
春雨は晩春にしとしとと降り続くの雨の事で、春の季語であってもザーザー降る強い雨
などそう言わない。
「春雨は小止みなく、いつまでも降り続くやうにする、三月をいふ。二月末より用ふるなり、
正月、二月始めを春の雨となり」 三冊子 より
それに今も強固の縛りを守り通すのが正道かどうかは、分かりません。
しかし「秋風」と「秋の風」 日本人固有の美意識,詩意識の中での「秋の風」は
心象的な句にはもってこいの季語だと皆さん感じて居られるでしょう。