( いぬふぐり )
思うところが在って,朝から俳書を漁る。
そういえば、夙に感じていたことに、良い句を詠む人たちが増えているのに反して
俳句を勉強している人が少ないことがある。
人がどのように俳句を楽しむかは自由で、それについては言う事はないが、私が
俳句を始めた頃の連衆は自分の作品を詠むことと平行して、俳書や好みの俳人の
句集を読んで,少しでも俳句に対する知識を得ようとしていた。知識といっても特別なものではなく、曖昧な評価でもある詩の世界観やその成り立ちを学んでゆく事で
自分の作品の自信の裏付けとしたのかも知れない。
語れば難しいが、今隣の人に「俳句のポエジー」って何?聞かれたら,どう答えるのでしょう。
俳句をしている者どうしなら分かり合えることも全く俳句をしない人に質問されたら
どう答えるでしょう。
そんな事を自分に語りかけたら,もう一度書架にある俳書を繰る結論となりました。
長い間、ころころの俳句感などを書かずにきましたが、すこしずつまた書いて
みようかなとも思っています。
一輪は一語さながら犬ふぐり 片山由美子
犬ふぐり空ばかりみて空のいろ 吉本文子
跼みたるわが影あふれ犬ふぐり 深見けん二
犬ふぐり大地は春を急ぐなり 阿部みどり女